▲今回試乗したのは、2019年1月に発表された新型の日産 リーフe+。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏の公道試乗の模様をレポートする▲今回試乗したのは、2019年1月に発表された新型の日産 リーフe+。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏の公道試乗の模様をレポートする

一般道でこそわかるフィーリングがある

以前サーキットで試乗した日産リーフe+(イープラス)。

公道で試乗する機会を得たのでお伝えしたい。

サーキットでは素晴らしいシャシー性能とそれに伴ったサスペンションセッティングで、既存の日産リーフの飛躍をお伝えした。

その時にも触れたが、サーキットでは路面状況が安定しているので、一般車両として乗り心地やロードノイズを含めて本当に良くなっているのかがわかりにくかった。


一方、一般道は予想もしないアンジュレーションとアスファルトの違いなど、静粛性や乗り心地の種類を吟味することができる。

だからこそメーカー側からすると、公道の評価のグレードを上げることはとても難しい。

ではリーフe+は、どうだっただろうか。

▲これまでのリーフに比べ全高が5mm高くなっただけでサイズはほぼ同じ ▲これまでのリーフに比べ全高が5mm高くなっただけでサイズはほぼ同じ

e-ペダルとの相性は良好

とにかくカタログ上の性能は上がっていることは誰の目にもわかる。

リーフのネガティブな部分は単純に性能はではなく、ボディ剛性がもたらすコンフォートな部分(快適性)が、価格の割に今一歩だという点だ。

日産本社の地下駐車場から地上に出るためには急な坂を上るのだが、通常のリーフと比べるとなんといってもパワフルさが違う。

坂道のような高負荷がかかる状況では、電動モーターの力強さを一層体感できる。

そこから公道へ走る。

乗り心地はやはり良好だ。

ペダルを踏まないと停止まで導くe-ペダルは、以前よりもスムーズな印象だ。

信号待ちからの発進でも、出力が向上したこともあって制御に余裕をもたらされているのだろう。

アクセルのコントロールに緻密さがうかがえ、よりスムーズでスロットルの調整がやりやすくなった。

交差点での左折時においてe-ペダルを使ってスムーズに減速して、優しく横断歩道手前で止まる。

歩行者にも威圧感を与えない制御に好感がもてる。

一般道の段差やアンジュレーションも車重の重みもあるが、サスペンションがよく動き収束も滑らかになっている。

ボディ剛性とサスペンションのセッティングが公道でも明らかにスムーズで、これまでのリーフとは似て非なるモノである。

▲車重は150kg以上重くなっているが、ドライビングは軽快そのもの ▲車重は150kg以上重くなっているが、ドライビングは軽快そのもの

50万円の価格差にも納得

有料道路も走ってみる。

加速は本当に素晴らしい。

この胸が高鳴る加速は、リーフe+の価値のひとつだと言えよう。

素晴らしい加速でも路面とのコンタクトはとても良好だ。

また、コーナーリング中に加速をしても安定感が良い。

しかしリーフe+に装着されているプロパイロットは、価格から見てもう少し熟成が必要である。

これらを搭載する昨今のモデルは中央キープが非常に上手で安定感も良いので、日産はこの手の装置を積極的に導入した先駆者的な存在だけに頑張ってほしい。

ドライバビリティがここまで上質になっているのであるから、これらの充実を図ることも大切である。

いずれにしても公道でもリーフe+はぐっと良くなった。

これまでのリーフに対して50万円以上の価格差があるが、航続距離と出力にプラスαのベネフィットからは必然であると感じた。
 

▲フロントバンパー下部にブルーの装飾が施されているリーフe+。外観におけるリーフとの唯一の相違点 ▲フロントバンパー下部にブルーの装飾が施されているリーフe+。外観におけるリーフとの唯一の相違点
▲モーターの出力が変更されたことで、より加速感を味わえるようになった ▲モーターの出力を向上させた、より加速感を味わえるようになった
文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●e+-X

型式 ZAA-ZE1 最小回転半径 5.2m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.48m×1.79m×1.55m
ドア数 5 ホイールベース 2.7m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.54m/1.56m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.03m×1.46m×1.19m
4WS - 車両重量 1670kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 1945kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.14m
マニュアルモード -    
標準色

スーパーブラック、ダークメタルグレーメタリック、ラディアントレッドパールメタリック、ブリリアントシルバーメタリック

オプション色

ブリリアントホワイトP/オーロラFブルーP、スーパーブラック/ダークメタルグレーM、チャイナブルーM/スーパーブラック、サンライトイエローP/スーパーブラック、ラディアントレッドPM/スーパーブラック、ブリリアントホワイトP/スーパーブラック、スプリングライトグリーンチタンメタリック、タンジェリンオレンジパールメタリック、ブリリアントホワイトパール3コートパール、オーロラフレアブルーパール2コートパール

掲載コメント

※交流電力量消費率(WLTCモード)161Wh/km、一充電走行距離(WLTCモード)458km

型式 ZAA-ZE1
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 スーパーブラック、ダークメタルグレーメタリック、ラディアントレッドパールメタリック、ブリリアントシルバーメタリック
オプション色 ブリリアントホワイトP/オーロラFブルーP、スーパーブラック/ダークメタルグレーM、チャイナブルーM/スーパーブラック、サンライトイエローP/スーパーブラック、ラディアントレッドPM/スーパーブラック、ブリリアントホワイトP/スーパーブラック、スプリングライトグリーンチタンメタリック、タンジェリンオレンジパールメタリック、ブリリアントホワイトパール3コートパール、オーロラフレアブルーパール2コートパール
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.4m
全長×全幅×
全高
4.48m×1.79m×1.55m
ホイール
ベース
2.7m
前トレッド/
後トレッド
1.53m/1.55m
室内(全長×全幅×全高) 2.03m×1.46m×1.19m
車両重量 1680kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1955kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント ※交流電力量消費率(WLTCモード)161Wh/km、一充電走行距離(WLTCモード)458km
エンジン型式 EM57 環境対策エンジン -
種類 電気モーター 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 218ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
340(34.7)/4000
エンジン型式 EM57
種類 電気モーター
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 218ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
340(34.7)/4000
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。