日産 GT-R サーキット走行|ニューモデル試乗

生半可じゃない旋回時の横G!尋常でない速さはレーシングカーの領域

(Tester/西川淳 Photo/篠原晃一)
GT-Rの日本での「故郷」仙台ハイランドで全開インプレッション
GT-Rが走った!ところは仙台ハイライドレースウェイ。なぜゆえ仙台で?

その理由は新型GT-Rの開発過程にあった。考える→作る→試す、の繰り返しは通常、自社のテストコースで完結するものだがGT-Rにはニュルブルクリンク・ノルドシュライフという克服すべき大舞台がある。栃木からニュルへ向かう前の“準備運動”的な役割を果たしたのが、ここ仙台だった。GT-Rが走り尽くした、言わば育ちの故郷の一つ。そこで発売前のテスト走行を許された我々は幸せと言うほかない。

会場にはブラックを除く全色のGT-Rが用意されていた。これから乗り込まんとする我々にも、そして迎える日産チームの面々にも、普段の試乗会とは違う緊張感がある。

水野和敏の言う性能は、本当なのか?!

真の性能を引き出すにはドライバーの腕を磨くしかない
論より証拠とばかりに、トップレーサーであり限界性能担当のテストドライバーを務めた鈴木利男氏の助手席に乗せられた。

驚いたのは旋回時の安定した姿勢と、車の動きだ。FFともFRとも違う、それらをミックスしたような動き。しかも車は路面に張りついている。沈み込んでいるのはわかるが、前後左右に独立した動きを感じることがほとんどない。つまりは、4輪をすべて使って、曲がっている、加速している、減速している。その結果、旋回時にかかる横Gは生半可じゃない。乗せてもらっているほうとしては、それほど速さを感じないが、流れる、もしくは迫り来る景色を見ていると尋常な速さでないことがわかる。この感覚はレーシングカーそのものじゃないか。

素人+αのボクが乗るとどうか。結果的に、速い。おそらく他のどんな市販車よりも速く走れているのだろうと思う。ただし、ほとんどフラットな動きしか見せない車で荷重の移動を微妙にコントロールするのは至難のワザ。それができなければGT-Rの真の性能を引き出すことができない。素人+αは終始、FRっぽい走り方になってしまうが、それでもタイム的には速いから最初のうちは楽しい。飽きずに乗るためには、腕を磨いてその上の領域にいくしかない。
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写真左:フラットな車の動きから感じるポテンシャルの高さは計り知れないの一言だ
写真右:ガレージ前にずらり揃ったGT-R。2種類設定されたタイヤの比較テストもできるよう用意されていた


<次回ワインディング編(12/25更新)に続く>