スカイラインの新ジャンルは、シリーズ中最も上質なモデル

  • 日産 スカイラインクロスオーバー 走り|ニューモデル試乗
  • 日産 スカイラインクロスオーバー インパネ|ニューモデル試乗
  • 日産 スカイラインクロスオーバー リアシート|ニューモデル試乗

PERFORMANCEエンジン種類やミッション、最新装備などを解説

SUVとクーペの融合が生んだスカイラインの新しい提案
海外ではインフィニティEXとして販売。これをスカイラインシリーズ中、最も上質なモデルとして展開したのがクロスオーバー。SUVとクーペの融合から生まれた新しい提案モデルである。
パワートレインはクーペ同様、3.7LV6エンジン+7AT。駆動方式はFRと4WD。十分な装備内容をもつベースグレードと、より上級装備を搭載するType Pを設定する。

DRIVING実際に運転してのドライビングフィールを解説

腰高感を感じさせない安定かつ上質な乗り味
FRと4WD、ベースとなる考えに違いはないが、乗った印象はそれなりに異なる。
FRはスカイラインらしい自然な操舵フィーリングやキレの良さが魅力。一方4WDは90㎏も重くなるが、これが逆にしっとりとした乗り味に貢献している。高速域などではやや重めに感じるステアリングも実は好印象。オールシーズンタイヤとは思えないほど、静粛性や安定感は高い。
  • 日産 スカイラインクロスオーバー アラウンドビューモニター|ニューモデル試乗
  • 日産 スカイラインクロスオーバー ラゲージ|ニューモデル試乗
  • 日産 スカイラインクロスオーバー エンジン|ニューモデル試乗

SPACE室内空間の広さや演出を解説

後席に秘密あり。収納を含め使い勝手に優れた工夫を満載
2800㎜のホイールベースはセダン/クーペより50㎜も短い。それでも足元を含め十分すぎるほど余裕のある後席居住性は、アップライトに座らせる独自の構造が功を奏したもの。また電動復帰機能をもつ分割リアシートや運転席側のヘッドレスト裏側にビルトインされたコートハンガーなど、使い勝手の良さも含め、いかにも日本的な気の利いた装備と言える。

OWNERSHIPスタイルや品質など所有する喜びなどを検証

子育てが終わった夫婦や新しさを求める高感度層へ
スカイラインではあるが、デザインを含め、新しさはうまく出ている。
居住性は十分だが、常に4人で乗るイメージではない。つまりオシャレに乗るということ。子育てが終わった夫婦がロングドライブを楽しむのも良し、新しさを求める高感度層、DINKS(古い)などにも積極的に勧めたい。
コストパフォーマンスは高いが、車両価格も含め、富裕層向けと言える。

SPECIFICATIONS

グレード 370GT FOUR Type P
駆動方式 4WD
トランスミッション 7AT
全長×全幅×全高(mm) 4635×1800×1600
ホイールベース(mm) 2800
車両重量(kg) 1830
乗車定員 5人
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3696
最高出力 243kW(330ps)/7000rpm
最大トルク 361N・m(36.8kg-m)/5200rpm
車両本体価格 499.8万円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する

EQUIPMENT(装備)

全グレード、カーウイングス対応HDDナビ+BOSEサウンドシステム+ETCが標準装備。さらにType Pには全方位の状況が把握できるアラウンドビューモニターまで装備されるという超充実仕様となる。

SAFETY(安全性)

VDCやエアバッグは標準装備。注目は車線から逸脱しそうになるとブザーとディスプレイで注意を促しつつ、車線内に車を戻す力を発生させる、日本初のLDPとLDWをオプション設定したことだ。

ECO(環境性能)

2005年度基準排出ガス規制は全グレードで75%を達成。燃費基準はFR車の一部(オプション装着により車両重量が1770㎏以上)は+5%。4WD車は全グレード「2010年度燃費基準」を達成している。

MILEAGE(燃費)

10・15モード燃費は4WD車で9.1km/L、FR車で9.7km/Lといずれも10km/Lを超えられなかったのが惜しい。ただ高速走行時は7ATの効果が大きく、エンジンの回転数もかなり落ちることで巡航燃費は良い。

VALUE(バリュー)

デザイン、装備などを考えるとかなり買い得感は高い。またライバルはBMW X3などの欧州車という声もあるが、この車は独自の世界を作り上げており比較は不要。新しい魅力をもった車である。

総合評価
17
RATING 総合評価|ニューモデル試乗
写真:尾形和美、篠原晃一 文:高山正寛