キャデラック CTS 【フルモデルチェンジ】
カテゴリー: キャデラックの試乗レポート
2008/03/24
■今までのアメ車の概念は通用しない欧州テイストの乗り味
◆コンセプト
キャデラックの最量販モデルが2世代目に進化
CTSはプレミアムブランドたるキャデラックの最量販モデルという重役を担っている。欧州におけるプレミアムDセグメントや、インフィニティG/M、レクサスES/GSあたりがライバル。このたび2世代目へと発展して、ボディサイズ的にはほとんど欧州Eセグメントに迫るものとなった。搭載するエンジンは新開発の3.6L直噴V6、これに自社開発の6ATを組み合わせる。さらに日本仕様には、本国で最もスポーティな足回りが奢られた。遅れて発売される2.8LV6エンジン搭載グレードとの2本立てとなっている。
ド派手なマスクは、21世紀のキャデラックを象徴するもの。先代CTSに始まったキャデラック・ルネッサンスは、2代目において次なるステップに踏み込んだ。
◆室内&荷室空間
先代から大きく進化した高い品質感をもつ内装
キャビンスペースそのほかは先代と変わらない。ただし、雰囲気はまるで違っている。ここにこそ、新しいキャデラックの真の姿があると言っていいぐらいだ。とにかく、見映え質感の引き上げに相当力を入れたとみえる。先代の、いかにもアメリカ人向きのねずみ色プラスチッキーなインテリアは影もカタチもない。
アメリカ流のクラフツマンシップで仕立てられたレザー巻きのダッシュボード、木目やアルミとの組み合わせ、快適装備も国産車に負けていない。そして外観にふさわしい派手な演出。人によってはごちゃごちゃしすぎと思われるだろうが、プレミアムブランドたるもの、これくらい攻めの個性があっていい。そう、誰もが欲しくなるような車でなくていいのだ。
◆ドライブフィール
欧州ベースということもあり、エンジンフィールはマイルド
走りの質感も驚くほど向上している。アメリカ車は柔らかいというステレオタイプな思い込みはもはや一切通用しない。かなり欧州車風な乗り味で性能そのものもDセグメントトップクラスにある。日本仕様は欧州仕様をベースとしていることもあってか、3.6Lといえどもアクセルレスポンスはあくまで自然なもの。これが北米仕様になると内容はもっと過激で身体が前につんのめるような加速フィールだったから、それが抑え込まれていることに安堵した。
ハンドリングはスポーティだ。リアにザックス社製ニボマットダンパーを奢って18インチのサマースポーツタイヤを履く最もスポーティな仕様ということもあって、乗り心地も硬さを小気味良く感じるような欧州車風のものだった。
◆こんな人にオススメ
ガイシャ経験のない人にいきなりCTSを勧めるわけにはいきませんね。性能はともかくブランド性で物足りないでしょうから。BMW/M・ベンツなど欧州車は乗り倒してきて、街にあふれたブランドに少々うんざりし始めていて、今さらレクサスというわけにもいかず、けれども格好よく“ハズした”玄人セダンに乗りたい、なんて方にオススメ。主要諸元のグレード | CTS 3.6 |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 6AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4870×1850×1470 |
ホイールベース(mm) | 2880 |
車両重量(kg) | 1810 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V6DOHC |
総排気量(cc) | 3564 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 229kW(311ps)/6400rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 374N・m(38.1kg-m)/3600rpm |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛レギュラー/66 |
車両本体価格 | 620万円 |
キャデラック CTS 【フルモデルチェンジ】/試乗レポート
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