シボレー トレイルブレイザー【プレイバック試乗】
カテゴリー: シボレーの試乗レポート
2010/02/08
コンセプト
オンロードでの性能を重視した多目的SUV
トレイルブレイザーはブレイザーの兄貴分としてデビューした全くの新車種。シボレーのラインナップ中ではミドルレンジに属すが、フォードエクスプローラーやランクル100に匹敵する堂々たる大きさだ。ベースグレードのLT(349万円)と豪華なLTZというグレード構成で、コアなアメ車ファンのニーズに応えて左ハンドルのみを設定する。
エンジンは、新開発オールアルミ4.2L直列6気筒DOHCのVORTEC(ボルテック)エンジンを搭載。ブレーキもABSはもとより制動力を前後輪に適切に配分するEDBまで備えられ強化されている。「強靭さ」「パワー」「安全性」「使い勝手」の4つのテーマを柱に、オフロード性能だけでなくオンロード性能もスポーティと呼べるレベルにまで高められた多目的SUVだ。
室内&荷室空間
武骨な雰囲気を排した洗練された室内空間
インパネ回りをはじめとした内装は優しいラインで構成され、極めてモダンで洗練された印象を与える。SUVにありがちな武骨な雰囲気は微塵も感じさせない。だからといって機能的な部分に抜かりはなく、フロントシートの形状はスポーティで、オンロード走行で大きな横Gがかかるような場面でも不安を感じさせるようなことはなかった。ただ、リアシートの足元はボディサイズから想像するほど広くはない。その分のスペースは荷室容積に割り振られたようで、ラゲージルームは極めて広い。後席を畳めば、相当の長尺物でも楽々と飲み込んでくれる容量をもつ。LTZでは本革内装や助手席パワーシート、リアシート専用エアコンなどの快適装備が奢られ、いっそう豪華な雰囲気を満喫できる。
ドライブフィール
直6エンジンの利点を生かしたスムーズな走り
従来のSUVの乗り味というとトラック的なものを想像してしまうが、トレイルブレイザーの走りは見事なまでにモダンに進化している。まず、エンジンがウルトラスムーズ。直6エンジン形式のメリットがストレートに表れており、静粛性が高いのに、回しての力強いレスポンスもしっかりある。これならV8でなくても不満はない。
ビルシュタイン製のダンパーを採用したサスペンションは剛性感の高い走りっぷりを披露するが、乗り心地はしなやか。適度なロールは許すが抑えはしっかり、というタイプだ。コーナーでのフットワークも良いが、クルージングの快適さも忘れてならないのがアメリカンSUVの真髄。シボレー伝統のテイストを、洗練の中にも残しているこの車の走りはすばらしい。
こんな人にオススメ
この車の洗練されたスタイルと優れた使い勝手、走行性能は世界のライバルたちと立派に渡り合える完成度だ。このクラスのSUVを検討しているすべての人にオススメできる。アメリカンSUVらしい味も濃く残し、従来からのファンの期待にも十二分に応えてくれよう。SPECIFICATIONS
グレード | LTZ |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4890 x 1910 x 1850 |
ホイールベース(mm) | 2870 |
車両重量(kg) | 2120 |
乗車定員 | 5人 |
エンジン種類 | 直列6気筒DOHC |
総排気量(cc) | 4157 |
最高出力 | 202kW(274ps)/6000rpm |
最大トルク | 373N・m(38.1kg-m)/3600rpm |
車両本体価格 | 389万円 |
シボレー トレイルブレイザー【プレイバック試乗】/試乗レポート
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 5年落ち以内が車両本体価格200万円以下から狙える! スタイリッシュな輸入車SUV4選
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 世界で3社しか市販していないレアなFCVの1台、トヨタ MIRAIのドライブフィールに注目! 【EDGE’S Attention】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
- 【名車への道】’14 BMW i8