▲ライバルたちの見た目がドギツさを増す中で、ボルボらしい、あるいは北欧生まれらしいクリーンな外観はかえって強い個性となり得る。意匠も使い勝手も洗練されたインテリアも大きなアピールになりそう。ギラギラさせずサラッと乗りこなしたい、使いこなしたい ▲ライバルたちの見た目がドギツさを増す中で、ボルボらしい、あるいは北欧生まれらしいクリーンな外観はかえって強い個性となり得る。意匠も使い勝手も洗練されたインテリアも大きなアピールになりそう。ギラギラさせずサラッと乗りこなしたい、使いこなしたい

ボルボらしい信頼感や安心感がさらに進化

ボルボ XC90、何と13年ぶりの新型は、デザインに注目である。外観は、オーバーハングが短くボンネットの長さが強調された美しいプロポーションで魅せる。インテリアも同様にシンプルな仕立て。特徴的な縦型のタッチスクリーンに様々な機能を集約することで、スイッチ類を大幅に削減しているのだ。

それでいて外装は北欧神話の雷神トールが持つトールハンマーをモチーフにしたLEDライト、内装ではクリスタルを使ったシフトノブなど、細部にも捻りが利いている。これなら所有欲をしっかり満たしてくれるだろう。

125kgの軽量化を図りつつもボディには剛性感があり、フロントにダブルウィッシュボーン式、リアにもマルチリンク式を奢ったサスペンションとの組み合わせで、操舵に対する確かな応答性を実現。ボルボらしい信頼感や安心感が、さらに進化したかたちで実現されている。

エンジンはすべて、直列4気筒2Lターボ。T6が積むガソリン仕様はスムーズさが光り、ツインターボ・ディーゼルのD5は実用域の豊かなトルクと高回転域の伸びで魅了する。さらに、プラグインハイブリッドのT8も用意。システム最高出力は400psに達し、しかもEUモードの燃費はリッター当たり20kmを実現している。

内外装のデザインも走りも、さらにはボルボ自慢の安全性もアップ・トゥ・デートの仕上がりとされた新型XC90は、競争が激化しているプレミアムSUV市場で十分アピールできるはず。単に進化しているだけでなく、新しくかつボルボらしいテイストが際立っているのがいい。

日本上陸は来年初頭とまだ先だが、他モデルを検討している人も含め、待つ価値は十分アリだ。

▲交差点などでの出会い頭の衝突を防ぐ自動ブレーキや、道路逸脱時に乗員を保護する機能など、安全装備もさらに充実 ▲交差点などでの出会い頭の衝突を防ぐ自動ブレーキや、道路逸脱時に乗員を保護する機能など、安全装備もさらに充実
▲センター部には縦型のタッチスクリーンを配置。Sensusと名付けられたボルボの新しいインターフェイスが備わる ▲センター部には縦型のタッチスクリーンを配置。Sensusと名付けられたボルボの新しいインターフェイスが備わる
▲2/3列目シートは分割可倒式となり使い勝手も良い。ラゲージ容量は最大1868L ▲2/3列目シートは分割可倒式となり使い勝手も良い。ラゲージ容量は最大1868L

【SPECIFICATIONS】
■グレード:T8 AWD ■乗車定員:5/7名
■エンジン種類:直4DOHCターボ+スーパーチャージャー+モーター ■総排気量:1969cc
■最高出力:318/6000+82[ps/rpm]
■最大トルク:400/2200-5400+240[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4950×1960×1765(mm) ■ホイールベース:2985mm
■車両重量:2343kg

text/島下泰久 photo/ボルボ・カー・ジャパン