▲またひとつ進化した2015年モデルのボルボ V40。14年モデルまでのオーナーなら驚くほどの違いを感じるかもしれない ▲またひとつ進化した2015年モデルのボルボ V40。14年モデルまでのオーナーなら驚くほどの違いを感じるかもしれない

15年モデルは買いなのか!?

近年、PCやスマホに負けず劣らず車のイヤーモデルにおける進化がすごい。

2013年の導入以来約2年、実はこれまでV40ではエントリーモデルのT4にもスポーティな「ダイナミックシャシー」が採用されていた。リアはモノチューブダンパー、というマニアックさでスポーティな乗り味を好む向きには好評だったのだが、一方でオーナーからは硬いという声も寄せられていたという。そこでスポーツ路線はR-DESIGNに任せ、2015年モデルのT4には快適性重視の「ツーリングシャシー」が採用された。

また、従来は17インチホイール装着車の最小回転半径が16インチ車の5.2mに対して5.7mになるというデメリットもあった。これも17インチホイールのリム幅の変更により16インチと同等に改善されている。

走りだせばすぐに乗り味がマイルドになったことがわかる。きっと14年モデルまでのオーナーなら驚くほどの違いを感じるだろう。エントリーモデルといっても1.6L直噴ターボエンジンは180馬力と十分にパワフル。デュアルクラッチの6速パワーシフトの洗練度もあがっており、ぎくしゃく感のようなものはまったくない。するすると滑らかにまるでトルコンATのように走る。

外観のアップデイトのみどころは、ヘッドライトの下方にあるこれまではクロムメッキのバーだった箇所にLEDドライビングライトが付いたこと。さり気なく、でも一気にモダンな印象になる近年のマストアイテムと言えるだろう。

さらにこのモデルに限らずだがボルボは2015年モデルから先進安全・運転支援システム「IntelliSafe10(インテリセーフ・テン)」を全モデル・全グレードで標準装備としている。まさにボルボのボルボたる所以だ。国産車もようやく採用するようになってきたが、全車速追従機能付きACCのチューニングなどにもさすがに一日の長がある。個人的にはもはやロングドライブには欠かせないモノだ。

これらに加えて、ナビゲーションシステムもサプライヤーが変更になり、インターネット接続機能やボイスコントロール機能が備わるものに一新されている。これらすべてが標準装備というから、「T4 SE」の365万円という価格も納得がいくというものだ。

メーカーがイヤーモデル制で車をどんどんアップデイトしていくことに、既存オーナーに対していかがなものかと異論を唱える人がいるという。気持ちは分からなくはないが、でもそれは違うと思う。メーカーがやるべきはその時そのタイミングでのベストを出し続けることだ。それが本当の意味でのユーザーファーストである。ではいつ買えばいいのか。今さら「いまでしょ」とは言わないでおく。

▲リム幅の変更により取りまわしが向上した17インチホイールを装着 ▲リム幅の変更により取りまわしが向上した17インチホイールを装着
▲180馬力を発生する1.6L直噴ターボエンジン。6速ATとの相性もよい ▲180馬力を発生する1.6L直噴ターボエンジン。6速ATとの相性もよい
▲本革/パーフォーレ―テッドレザー・コンビネーションシート。落ち着いた雰囲気の中にもスポーティーさがあるインテリアだ ▲本革/パーフォーレ―テッドレザー・コンビネーションシート。落ち着いた雰囲気の中にもスポーティーさがあるインテリアだ

【SPECIFICATIONS】
■グレード:T4 ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1595cc
■最高出力:132(180)/5700[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:240(24.5)/1600-5000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:4370×1800×1440(mm) ■ホイールベース:2645mm
■車両重量:1430kg
■JC08モード燃費:16.2km/L
■車両本体価格:315万円(税込)

text/藤野太一 photo/郡 大二郎