ボルボ V40クロスカントリー T4ノルディック【ニューモデル試乗】(藤野太一)
2014/06/26
SUVスタイルとエコとをうまく共存させた存在
V40シリーズにおいて唯一のAWDモデルが、SUVスタイルに2リッター5気筒ターボのT5エンジンを搭載する本格派、V40クロスカントリーだ。しかし、4WDを欲する人がいる一方で、2駆で十分、T5エンジンほどのパワーも必要ない。欲しいのはそのスタイルだけ、という人がいてもおかしくはない。
それこそ近年、欧州で日産ジュークにはじまったBセグメントの2駆SUVヒットの潮流が、このV40がいるCセグメントに流れこんでくることは想像に難くない。すでにBMWはX1で成功しているし、ライバルと目されるメルセデスGLAにも2駆モデルが用意されている。
そんなわけで、V40シリーズ初の特別仕様車となったのが、このV40クロスカントリーノルディックだ。1.6リッターターボのT4エンジンを搭載し、駆動方式はFFに。その恩恵で車両重量はT5比でマイナス140kg、JC08モード燃費はT5の12.4km/Lに対し16.2km/Lと約3割も向上しており、エコカー減税対象にもなった。SUVスタイルとエコとをうまく共存させている。
車両本体価格を見ると380万円と、なんとT5より5000円ほど高いのだが、それもそのはず、ボルボお得意のセーフティパッケージやら、HDDナビシステム、電動パワーシートなどオプション扱いだったものが標準装備化されているというわけだ。
新素材のシートの着座感はとても良好
インテリアもセンタースタックには淡いブラウン系のアルミニウムパネルが配され、スポーツギア用の素材を用いたというT-tec/テキスタイルコンビネーションシートにもブラウン系のステッチが用いられるなど、この2駆モデルに廉価版というイメージはない。最近のボルボのレザーシートはとても上質だが、なかなかどうしてこの新素材シートの着座感はとても良好だった。
ベースのV40比で全高はプラス30mm、最低地上高はプラス10mmというが、乗り味としてはV40のT4モデルとそれほど大きな違いはない。T5と同サイズでカラーがシルバーに変更された17インチホイールを履くが、バタついたところもなく、車重の軽さもあって軽快に走るし都会的な印象を受ける。
ところで、この2駆モデルのクロスカントリー“ノルディック”は、200台限定販売だという。すでに売り切れという可能性もあるが、ボルボのさらなる拡販のためには、通常のカタログリストにラインナップされていてもおかしくはないモデルだ。再販に期待したい。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:T4ノルディック ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1595cc
■最高出力:180/5700[ps/rpm] ■最大トルク:240/5000[N・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:4370×1800×1470(mm) ■ホイールベース:2645mm ■車両重量:1440kg
■車両本体価格:380万円
【関連リンク】
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
- 掲載率1%未満! 大人気コンパクトカーの2代目日産 ノートを狙うなら、激レアグレードも要チェック!