ボルボ V40T5Rデザイン|ニューモデル試乗

スポーツモデルにありがちな子どもっぽさがないのがいい。というより明らかに上級グレードの位置づけだ。エンジンがT5になり、レザーパッケージとナビパッケージまで標準装備でこの価格は、かしこい選択となるだろう

知識と経験をもつ大人の「R指定」

エッセンスはスポーティ仕様のRデザイン

V40が売れている。今年2月に発売されて5週間で受注が3100台を超えたという。ボルボの新車登録台数はリーマン・ショック以後、下降線をたどるもここ数年は回復傾向で、昨年は約1.4万台。今年は日本で最も売れたバブル期にも迫る2万台超を狙える勢いだ。

それほどまでに評価の高いV40に新たに追加されたのが「T5 R-DESIGN」だ。

こちらはベースの1.6L 4気筒T4にかわって、ボルボ伝統の直列5気筒 2LのT5エンジンを搭載、そしてこれまでにも様々なモデルに設定されてきたスポーティ仕様のR-DESIGNのエッセンスを盛り込んだモデルだ。

仕立ては上質、ハンドリングは重厚

エクステリアには専用グリルをはじめ、フロントバンパースポイラーやリアディフューザー、専用18インチホイールなどが備わるが、さり気ない。

標準装備されるナッパレザーのシートは快適。ブルーストライプのセンタースタック、ブルーの専用液晶デジタルメーターもいい雰囲気だ。

エンジンは明らかにトルクが増した印象で乗りやすい。普段はおとなしいが、踏めばきっちり「5気筒の音」がするのも楽しい。サスペンションは強化フロントダンパー&モノチューブリアダンパーを採用し、それに合わせてスプリング剛性を高め、と聞くとなんだか硬そうなイメージだが、これが意外なほどに快適だ。

ハンドリングは軽快というよりは重厚、内外装の仕立てもスポーティというよりは上質で、何よりボルボならではの安全装備は慣れるほどに心強い。

ルックス重視の若者向けというよりは知識と経験をもつ大人の「R指定」のようだ。

メッシュグリルやディフューザー、シルクメタルのドアミラーカバーなどを装着。Rデザイン専用のスポーツサスペンションも備える

メッシュグリルやディフューザー、シルクメタルのドアミラーカバーなどを装着。Rデザイン専用のスポーツサスペンションも備える

デジタル液晶メーターにはブルーの専用テーマカラーとスタートアップ・ビジュアルが用いられている

デジタル液晶メーターにはブルーの専用テーマカラーとスタートアップ・ビジュアルが用いられている

Rデザインのロゴが刺繍された専用本革シートを採用。シートをはじめステアリングなどにステッチも入る

Rデザインのロゴが刺繍された専用本革シートを採用。シートをはじめステアリングなどにステッチも入る

SPECIFICATIONS

グレード V40 T5 R-DESIGN
駆動方式 FF
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4370×1800×1440
ホイールベース(mm) 2645
車両重量(kg) 1540
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直5DOHCターボ
総排気量(cc) 1983
最高出力[ps/rpm] 213/6000
最大トルク[N・m/rpm] 300/2700-5000
車両本体価格(万円) 399
Tester/藤野太一 Photo/河野敦樹