▲第5世代となる3列7人乗りのラグジュアリーSUV。伝統を継承しつつモダンなデザインを取り入れたスタイル、豊富なシートアレンジと収納を備えている。ボディの85%にアルミを用いた軽量モノコック構造により、従来モデル比で最大360kgの軽量化も実現している ▲第5世代となる3列7人乗りのラグジュアリーSUV。伝統を継承しつつモダンなデザインを取り入れたスタイル、豊富なシートアレンジと収納を備えている。ボディの85%にアルミを用いた軽量モノコック構造により、従来モデル比で最大360kgの軽量化も実現している

上級移行したと考えれば安い買い物かも!?

SUVだけれど3列シート7人乗りで、乗員のスペースと視界を確保するべくスタジアムシートを備え、悪路競技にも使えるほどのオフロード性能をもつ。その特徴を受け継いだ5代目ディスカバリーが登場した。今や“ランドローバーとレンジローバー”の関係は“メーカー名と車名”ではなく、“オフロード重視かオンロード重視の上級車”というブランドとしてのすみ分けの意もある。新型はデザインが洗練されているし、内装の仕立てもいい。初見ではどちらに属するのかわからなくなった。スキー場に用意されたオフロードコースで、レンジローバー、レンジスポーツと3台を比較試乗したが、最も楽で快適に悪路を走ることができたのはディスカバリーだった。ちなみにこの新型ではレンジローバー譲りのATPCが備わる。これは時速1.8kmから30kmの任意の速度でドライバーはアクセル操作をすることなく、ステアリング操作だけに集中すればいいという、いわば悪路での半自動運転機能だ。

エンジンは、ガソリンの3L V6スーパーチャージャーとディーゼルの3L V6ターボの2種類。いずれもいいが、特にディーゼルの静かさは秀逸だった。

もはや、レンジローバーにも迫る上級移行だと感じながらスペックを眺めてみると、プラットフォームはレンジローバーと共用で、3サイズすべてでレンジスポーツを上回っており、ある意味で下克上だと気づく。どうりでベース車が約800万円、さらにオプション満載の車だと1000万円を超える価格になってしまうわけだ。

▲最適なドライビングモードを選択してくれるテレイン・レスポンス2オートや、オフロード走行に対応し走行状況に応じて車高を調節するエアサスペンションなどが装備されている ▲最適なドライビングモードを選択してくれるテレイン・レスポンス2オートや、オフロード走行に対応し走行状況に応じて車高を調節するエアサスペンションなどを装備した
▲最先端インフォテインメントシステムを採用、リストバンド型のアクティビティキーも用意される。サラウンドカメラを用いた安全装備も充実する ▲最先端インフォテインメントシステムを採用、リストバンド型のアクティビティキーも用意される。サラウンドカメラを用いた安全装備も充実する
▲タッチスクリーンや専用スマホアプリで2列目/3列目シートの設定ができるインテリジェント・シート・フォールド機能を採用した。2列目/3列目シートをたためばラゲージ容量は258Lから最大2406Lに ▲タッチスクリーンや専用スマホアプリで2列目/3列目シートの設定ができるインテリジェント・シート・フォールド機能を採用した。2列目/3列目シートをたためばラゲージ容量は258Lから最大2406Lに

【SPECIFICATIONS】
■グレード:FIRST EDITION ■乗車定員:7名
■エンジン種類:V6 DOHCスーパーチャージド ■総排気量:2995cc
■最高出力:340/6500[ps/rpm]
■最大トルク:450/3500-5000[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:4970x2000x1890(mm) ■ホイールベース:2925mm
■車両価格:1016万円

text/藤野太一
photo/篠原晃一