ベントレー コンチネンタルGT スピード コンバーチブル|海外試乗

ハードウェアの仕上がりは文句なし。あとは高性能の代償である燃料消費を受け入れられるかどうかで、この車の評価は決まる。お勧めしたいのは、自分の力を決してひけらすことのないイギリス貴族のようなジェントルマン。気品漂う淑女にもお似合いです

五感が満たされる至福のコンバーチブル

オープンで膨らむロングツーリングの楽しみ

ロングツーリングの楽しみはオープントップにすることで2倍にも3倍にも膨らむ。なぜなら、自分の走った道のりが、頬を伝う風の移り変わりによってより強く心に残るから。そんなとてもシンプルなことを、ベントレー コンチネンタルGTスピード コンバーチブルの国際試乗会に参加して実感した。

試乗の舞台はアメリカ西部の広大な砂漠地帯。まずはアリゾナ州フェニックスを出発してグランドキャニオンで一泊。そこからルート66を延々と辿り、最終目的地のネバダ州ラスベガスに至るというコースで、総走行距離はおよそ1000km。これを2日間で走りきるのだから、試乗会としてはかなりタフな設定だ。

これほど贅沢なチョイスはほかにない

この行程を、私はほぼオープンのまま走りきった。それでも疲労が無きに等しかったのは、4枚のサイドウインドウをすべて上げ、運転席の直後にウインドディフレクターを立てておけば、風がキャビンに巻き込むことはほとんどないから。

しかも、ベントレー史上最強の6L W12ツインターボエンジンは気むずかしいところが一切なく、スロットルペダルを踏み込めば溢れるようなトルクを即座に4輪へと送り込む。

一方、車重2.5トン近い巨大なボディは意外なほど剛性が高く、乗り心地に荒れた部分は皆無。私の全身がオープンエアドライビングの爽快さで満たされていったのは当然のことかもしれない。

試乗したコンチネンタルGTスピード コンバーチブルは標準モデルのGTCより50psもパワフルで最高出力は625ps。トップスピードは4座オープンとして史上最速の325km/hに達する。しかも、GTCより一段と固められた足回りにより高速域でのスタビリティも抜群。

オープンエアのロングツーリングを楽しむのに、これほど贅沢なチョイスはほかにないだろう。

車高とダンピングを走行状況に合わせて適正化するセルフレベリングシステムはノーマルモデルより10mm低く設定

車高とダンピングを走行状況に合わせて適正化するセルフレベリングシステムはノーマルモデルより10mm低く設定

パネルにウッドやアルミ、カーボンなど多くの選択肢が用意されており、わがままなオーナーの要望に応える

パネルにウッドやアルミ、カーボンなど多くの選択肢が用意されており、わがままなオーナーの要望に応える

インテリアは基本クーぺと同様。ダイヤモンドキルト加工が施されたレザーが用いられている

インテリアは基本クーぺと同様。ダイヤモンドキルト加工が施されたレザーが用いられている

SPECIFICATIONS

グレード GT SPEED CONVERTIBLE
駆動方式 4WD
トランスミッション 8AT
全長×全幅×全高(mm) 4806×1944×1393
ホイールベース(mm) 2746
車両重量(kg) 2495
乗車定員(人) 4
エンジン種類 W12DOHCターボ
総排気量(cc) 6000
最高出力[ps/rpm] 625/6000
最大トルク[N・m/rpm] 800/2000
Tester/大谷達也 Photo/ベントレー モーターズ