ジャガー XF 【ニューモデル】
カテゴリー: ジャガーの試乗レポート
2008/05/21
■ハイパワーでありながら、しなやかな乗り味の高級サルーン
◆コンセプト
ジャガーの新時代を予感させるスポーツサルーン
ポジションは従来のSタイプの後継車種。ところがジャガー自身「古臭いクラシックジャガーのデザインに思い入れはない」と言い切るほど、前向きな車だそう。象徴的なスタイリングは、ショーモデルの「C-XF」を市販用にデチューン(実際には市販車完成後に作られたらしい)。現代の車らしく、ボディ四隅の絞り込みは大きめ。優美で筆舌に尽くしがたかった眼差し(ヘッドランプ)が普通になってしまったのが返す返すも惜しい。全長×全幅×全高は4970×1875×1460mm。対BMW5シリーズなら、115mm長く30mm幅広く10mm低く、2910mmのホイールベースは20mmだけ長い。
ラインナップは全4タイプが揃い、最も身近な3.0ラグジュアリィで税込み650万円の価格設定だ。
◆室内&荷室空間
伝統と先端デザインの見事なハーモニー
乗り込み、2拍で点滅するスタートボタンを押すと、セレクターダイヤルがニュイン! と上昇、4つの空調吹き出し口が反転して現れる。“サンダーバード気分”が何とも楽しい。インパネ上面を低く、センターコンソールを高くしたという前席は、あつらえたジャケットを着たようなフィット感。後席は外観イメージから想像するよりスペースが稼いである。低めのサポート性のいいシートの着座感はかつてのXJに通じる雰囲気。ケータイのモトローラに触発されたブルーの照明は、ドアのパワーウインドウスイッチも上からクールに照らす。
レザー内装は全5色。ウッドは全3タイプあるが、艶出し処理された赤茶色のバーウォールナットがジャガーらしい上質さだ。
◆ドライブフィール
乗り心地を向上させる電子制御サスの効果は大
例のセレクターは、CD、チューナー…と切り替える家庭用オーディオアンプのファンクションダイヤル風で、すぐに馴染めた。走らせて、最もXFらしさを実感できたのはトップモデルのSV8。XKR譲りの4.2LのV8スーパーチャージャー(426a/560N・m)はパワフルでレスポンスもいい。CATS(電子制御アダプティブサスペンション)の効用で、20インチタイヤながら乗り心地の質も高い。
次いで4.2L V8(304a/421N・m)もスムーズなパワー感と、しとやかな走りが魅力。ベーシックな3L V6(243ps/300N・m)は、スポーツカーのような軽快な身のこなしが特徴だが、現状では乗り味にやや粗さ(とくに低速域)を感じる。その点が磨かれれば、一段と魅力度がアップするはずだ。
◆こんな人にオススメ
近代的だが訳のわからない他社の操作ロジックに対し、ジャガーXFのドライブセレクターは、iPodのクリックホイールのような直感操作が可能。スカした車なのに操作に手間取ってはカッコ悪いが、その点XFなら大丈夫、心配は無用だ。V6モデルの走りのなめらか度アップに期待したいが、ニッチでスカせる、個性派サルーンではある。主要諸元のグレード | 4.2プレミアムラグジュアリィ |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 6AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4970×1875×1460 |
ホイールベース(mm) | 2910 |
車両重量(kg) | 1800 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V8DOHC |
総排気量(cc) | 4196 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 224kW(304ps)/6000rpm |
最大トルク[N・m/rpm] | 421N・m/4100rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 6.8 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/69 |
車両本体価格 | 3.0ラグジュアリィ 650万円 4.2プレミアムラグジュアリィ 870万円 SV8 995万円 |
ジャガー XF 【ニューモデル】/試乗レポート
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