ジャガー Fタイプクーぺ|海外試乗

スタイリッシュで、操る醍醐味にあふれ、しかも十分な実用性まで備えたFタイプクーペは、ぜひ週末だけでなくウィークデーにも乗ってほしいスポーツカー。テッパンのケイマンに対してFタイプクーペというハズシの選択は今、相当カッコ良く見えるはずだ。

スポーツカーのジャガー復権を高らかに宣言する1台

まずはエクステリアデザインに魅了される

ジャガーをラグジュアリーサルーンのブランドと思っている人は、そろそろ認識をあらためるべきだ。新登場のFタイプクーペは、まさにジャガーのスポーツカー復活を宣言する垂ぜんの1台である。

走るより前に、まず魅了するのがエクステリアデザインだ。先に登場したロードスター同様、往年のEタイプのモチーフを取り入れつつマッシブに描き出されたフォルムは文句なしに魅力的。しかもようやく容量407Lという使い物になる荷室が確保されたのがまた嬉しい。

そして走りっぷりだ。ジャガー史上最高の捻り剛性を実現したオールアルミボディと、しなやかなサスペンションの組み合わせは、思ったとおりに向きが変わり、遅れなくリアが追従する一体感バツグンのフットワークを楽しませてくれる。動きはソリッドだけどサスペンションはよく動くのがジャガーらしく、おかげでコントロールの幅が広いのもイイ。

夢中にさせてくれる走りの世界がある

最高出力550psを誇る5L V8スーパーチャージドエンジンを積むFタイプRは、迫力の加速が魅力。一方、最高出力380psの3L V6スーパーチャージドを積むFタイプSは、もっと積極的に踏んでいける楽しさがある。甲乙付け難いが、自分で買うならおそらく後者だろう。

ジャガーの国際試乗会はいつも長距離のルートが設定されていて、今回も2日の間で一般道とサーキット合わせて600km近くも走りに走った。けれど試乗後、まだまだ乗り足りない、もっと攻めたいと思ってしまったのは、つまり夢中にさせる走りの世界がそこにはあるということ。

スポーツカー好きならジャガーの存在、あらためて意識しておくべきである。

テールパイプはベースグレードとSがセンターに2本出し、Rが2+2の4本出しとなる。SとRはアクティブ・スポーツエグゾーストシステムを装着

テールパイプはベースグレードとSがセンターに2本出し、Rが2+2の4本出しとなる。SとRはアクティブ・スポーツエグゾーストシステムを装着

インテリアはコンバーチブル同様、ドライバー中心のデザインとなっている。Rには標準でパフォーマンスシートが装備されている

インテリアはコンバーチブル同様、ドライバー中心のデザインとなっている。Rには標準でパフォーマンスシートが装備されている

ラゲージはゴルフバッグ2個を収納することが可能だ。複合素材のテールゲートにはオプションとして電動開閉機能も装備する

ラゲージはゴルフバッグ2個を収納することが可能だ。複合素材のテールゲートにはオプションとして電動開閉機能も装備する

SPECIFICATIONS

グレード R Coupe
駆動方式 FR
トランスミッション 8AT
全長×全幅×全高(mm) 4470×1925×1319
ホイールベース(mm) 2620
車両重量(kg) 1650
乗車定員(人) 2
エンジン種類 V8DOHCスーパーチャージド
総排気量(cc) 4999
最高出力[ps/rpm] 550/6500
最大トルク[N・m/rpm] 680/2500-5500
車両本体価格(万円) 1286
Tester/島下泰久 Photo/ジャガー・ランドローバー・ジャパン