シトロエン C3【ニューモデル試乗】
カテゴリー: シトロエンの試乗レポート
タグ:
2010/12/24
個性を忘れない、期待値以上の素晴らしい乗り心地
↑新デザインのメーカーロゴが採用された(左)ユニークな3連メーターなど、独創的ならしいインパネ回り。上級仕様にはオプショ
ンでレザーシートも用意される(右)
同時にデビューしたDS3が際立つ個性をアピールしているだけに、C3はコンサバ路線なのかと言えば、これがまったく違う。C3はC3で、国産・輸入車問わずコンパクトカーの中では相当に濃いキャラクターをもった一台に仕立てられている。見た目からしてそれは明らか。ゼニスフロントウインドウと呼ばれる、前席の頭上後方まで延ばされたフロントウインドウは、C3にほかの車では味わえない圧倒的な開放感をもたらしている。視界は広いし雨の日でも室内は明るい。しかも日差しが気になるときには引き出し式のサンバイザーを下ろせば、視界は普通の車とほぼ同じ程度になる。つまり季節や天候を問わず、開放感に満ちた気持ちいい走りを満喫できるというわけである。
ついついゼニスウインドウに目が行ってしまうが、新型C3は基本もしっかり押さえている。若干大きくはなったが、なおも全長4mを切るボディはデザインもクオリティも磨かれて“いい車”感が増している。インテリアも同様。DS3ほど華美ではないが造形は凝っていて、クオリティへの配慮も伝わってくる。
↑前後長1.35mのフロントウインドウは、サンバイザーを下ろすことで日差しを遮ることも可能(左)タイヤは195/55R16を装着する(右)
安心&安定のコンパクトカー!
走りっぷりも先代と比べると格段に洗練された。最高出力120psの1.6Lエンジンは実用域のトルクが充実していて、4速ATというハンディをかなりの部分で打ち消しているし、変速ショックも軽減されている。とは言え、10・15モードで12.3km/Lという今の水準からすると良いとは言えない燃費は、やはりこの4速ATに起因するところが大きいに違いない。しかし、それを補って余りあるのが素晴らしい乗り心地である。4輪がしなやかにストロークして、荒れた路面もうねった道も、しなやかにいなしていく。また室内の静粛性の高さも特筆すべきポイントとして挙げておこう。これらが相まった乗り味は、シトロエンというブランドへの期待に応えるものであり、かつコンパクトカーへの期待値を超えていると言っていいだろう。
内外装も走りもクオリティは確実に高まっており、ゼニスフロントウインドウや乗り心地など、ほかでは味わえない独自の個性もふんだんに盛り込まれている。経済性だけでなく個性、所有する喜びまで考えてコンパクトカーを選びたいという人にとっては、このC3は一考の価値ある一台であることは間違いない。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | エクスクルーシブ | |
全長×全幅×全高(mm) | 3955×1730×1530 | |
車両重量(kg) | 1210 | |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC | |
総排気量(cc) | 1598 | |
最高出力[ps/rpm] | 120ps/6000rpm | |
最大トルク[kg-m/rpm] | 16.3㎏-m/4250rpm | 車両本体価格 | 209万~239万円 |
シトロエン C3【ニューモデル試乗】/試乗レポート