【試乗】新型 プジョー 208|同クラスでは向かうところ敵なしのハイクオリティモデル
カテゴリー: プジョーの試乗レポート
2020/12/18
次世代プラットフォームを採用し大きく進化を遂げた
プジョーの中でもとりわけ日本の道にぴったりのモデルこそ、今回試乗した208シリーズである。
208の源流は、遠く1972年の104というモデルになる。
スーパーミニクラスではあるが、最新のテクノロジーを投入したBセグメントのハッチバックであった。
コンパクトなボディと優れたシャシーによって、追従性の高いハンドリングを有していた。
その後も、歴史を重ねるにつれて成熟したモデルへと進化していった。
先代プジョー 208は、2012年に登場。小型モデルらしからぬ、ハイクラスのプレスラインが印象に残るモデルだ。
しかもシートとセンターコンソールなどのインテリアは、このクラスでは質感が高いという印象があった。
そして2019年に登場、翌2020年に日本に導入された新型208は、EVをはじめとした様々なモデルに対応が可能な次世代プラットフォームPSA CMPを骨格としたモデルだ。
今までの歴史を振り返って見ても、コンパクトカーらしからぬクオリティをもつモデルに仕上がってることは間違いなさそうだ。
高速域で真価を発揮するしなやかな足
今回の試乗モデルは、208の中でもスポーティなGTラインである。
搭載されるパワーユニットは1.2L 3気筒ガソリンターボエンジン、100psと205N・mのトルクをもつ。
2LクラスのNAエンジンと同等といったところだが、エンジンを始動するとその軽い印象はやはり1.2Lであると感じることができる。静粛性は高く嫌な振動もない。
ステアリングまわりの作りこみも質が高い。確実に国産車と比べれば2クラス上の品質だ。
プジョーは最新のテクノロジーをこの小型車にも導入していて、先進技術を大衆車にも積極的に採用するというメーカーの姿勢が健在していることがわかる。
バイワイヤー式のセレクターレバーを倒し、Dレンジに入れる。エンジンの回転数は落ちることなく、クリープで起こる負荷時の振動も気にならない。
エンジンが十分に暖まった状態で、市街地から発進だ。アクセルをゆっくりと開けると、実にスムーズにATの変速が始まる。
極力エンジンの回転を上下させずに、スムーズな走行を意図したセッティングで、ターボであることを忘れさせるようなリニアなレスポンスだ。
中速まで加速してみる。エンジンの回転が上がり高負荷領域になると、やはり1.2Lらしい振動を感じパワーが頭打ちになる印象はあるものの、アクセルの踏み方にもよるが3500回転までで十分な加速と速度に達する。
パワーバンドを上手に使えば加速も気持ちよく、そして速い。何よりもその時のサスペンションがすこぶる良好だ。
タイヤは17インチで、扁平率が45%のミシュラン プライマシーである。
これはスポーティなタイヤで、サスペンションでしっかりと衝撃をいなさなければ、ここまで速く凸凹を収束することはできない。しかも高速走行になると、より一層このダンピングの収束の妙技が心地よくなる。
プジョー伝統のしなやかなサスペンションは、中速以上で真価を発揮する。時速40km以下では人によっては硬めと感じる人もいるだろうが、これは市街地を軽快に走らせるためのセッティングだと思っていただきたい。
すべての質感に、このクラスでは向かうところ敵なしのクオリティの高さを見ることができた。
今回はガソリンモデルの試乗であったが、近いうちにBEVのe-208に試乗し、実力を試してみたい。
【試乗車 諸元・スペック表】
●GTライン
型式 | 3BA-P21HN05 | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.1m×1.75m×1.47m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.54m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.5m/1.5m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1170kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.15m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ファロ・イエロー |
||
オプション色 |
ヴァーティゴ・ブルー、エリクサー・レッド、ペルラ・ネラ・ブラック、パール・ホワイト |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3BA-P21HN05 |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ファロ・イエロー |
オプション色 | ヴァーティゴ・ブルー、エリクサー・レッド、ペルラ・ネラ・ブラック、パール・ホワイト |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
4.1m×1.75m×1.47m |
ホイール ベース |
2.54m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.5m/1.5m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1170kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.15m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | HN05 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列3気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 44リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 19.5km/L |
総排気量 | 1199cc | 燃費(WLTCモード) |
17km/L
└市街地:13km/L └郊外:17.3km/L └高速:19.3km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 100ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
205(20.9)/1750 |
エンジン型式 | HN05 |
---|---|
種類 | 直列3気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1199cc |
最高出力 | 100ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
205(20.9)/1750 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 44リットル |
燃費(JC08モード) | 19.5km/L |
燃費(WLTCモード) | 17km/L
└市街地:13km/L └郊外: 17.3km/L └高速: 19.3km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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