▲日本仕様に用意されるグレードは1.5Lの直3ターボの「クーパー」と2L直4ターボの「クーパーS」、そして最速の「ジョン・クーパー・ワークス」の3つ。個人的には、必要十分なクーパーが好み。余った予算でオプションの内装アレンジを ▲日本仕様に用意されるグレードは1.5Lの直3ターボの「クーパー」と2L直4ターボの「クーパーS」、そして最速の「ジョン・クーパー・ワークス」の3つ。個人的には、必要十分なクーパーが好み。余った予算でオプションの内装アレンジを

英国車らしい、佇まいの良さは変わらない

日本の初夏にタイミングを合わせるように、3世代目コンバーチブルがやってきた。ベースとなる3ドアがフルモデルチェンジしたのが2014年、以来コンスタントに派生モデルを導入し日本でも着実に売れ続けている。ちなみに今年の1月から4月累計の国内の輸入新車登録台数をみると、ドイツプレミアム御三家+VWについでミニは単独のブランドとして第5位。前年比でみれば108.3%と5ブランド中トップの伸びをみせる。

対的な価格でみればミニは安くない。例えば試乗したクーパーSコンバーチブルなどはオプション装備を含めると500万円近くにもなる。それでも売れるのはなぜか。それはセグメントを超えた独自の世界観を有しているからに他ならない。英国車らしく幌屋根を踏襲し、往年のスタイルを維持ながらもフル電動化、また30km/h以下であれば走行中の開閉も可能だ。さらにこの代からは“ミニ・ユアーズ”というビスポークプログラムを用意する。もともとオプションの豊富なことでファンの多いミニだが、幌の布地やシートのヘッドレストなどをユニオンジャック柄を織り込んだものにできるなど、選択の幅がさらに増えている。このコンバーチブルはミニラインナップの中でもある意味最も贅沢な1台と言えるだろう。

日本仕様に用意されるグレードは件のゴーカートフィーリングを意識してか、「クーパー」、「クーパーS」、そして最速「ジョン・クーパー・ワークス」の3つ。しゃかりきになって飛ばすよりはゆったりとした向きだと思うが、もちろん乗り味はしっかりとミニだ。

ちなみに富裕層の間ではオプションの豊富さを生かし、オリジナルモデルを作る人が増えているという。小さな車に乗ることに対し(もはや小さくないけど)言い訳しなくていい、いまの時代に合った名実ともにブランドになったということなのだろう。

▲丸形ヘッドライトや六角形のフロントグリルなどデザインアイコンを踏襲。先代より一回り大きくなった ▲丸形ヘッドライトや六角形のフロントグリルなどデザインアイコンを踏襲。先代より一回り大きくなった
▲リアシート後方に配されたロールオーバー・プロテクション・システムは、先代よりコンパクトになり、さりげないデザインに ▲リアシート後方に配されたロールオーバー・プロテクション・システムは、先代よりコンパクトになり、さりげないデザインに
▲インテリアはベースモデルと同様のデザインに。先代同様、ルーフをオープンにしていた時間を表示するタイマー(オールウェイズ・オープンタイマー)も採用 ▲インテリアはベースモデルと同様のデザインに。先代同様、ルーフをオープンにしていた時間を表示するタイマー(オールウェイズ・オープンタイマー)も採用

【SPECIFICATIONS】
■グレード:MINI Cooper Convertible ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直3DOHCターボ ■総排気量:1498cc
■最高出力:136/4400[ps/rpm]
■最大トルク:220/1250[n・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:3835×1725×1415(mm) ■ホイールベース:2495mm
■車両価格:342万円

text/藤野太一
photo/河野敦樹