▲ミニと言ってもこのSD、車両本体価格は387万円、試乗車並みにオプションを盛ると500万円にもなる。お値段は可愛くはない。実は4ドアのクロスオーバーは日本のミニの販売の4割を占める売れっ子。ディーゼルを得て新たなる小さな高級車と言えそうだ ▲ミニと言ってもこのSD、車両本体価格は387万円、試乗車並みにオプションを盛ると500万円にもなる。お値段は可愛くはない。実は4ドアのクロスオーバーは日本のミニの販売の4割を占める売れっ子。ディーゼルを得て新たなる小さな高級車と言えそうだ

洗練された立ち居振る舞い、少食な大人になった

“ガソリンは、あたえないでください。” いい宣伝文句だなと思う。ミニのディーゼルモデルが上陸した。ただし、4ドアのクロスオーバーと2ドアのペースマンのみの設定で、いまのところ普通のミニのそれは導入予定がない。

2L直4ターボディーゼルエンジンは112ps/270Nmの「D」と143ps/305Nmの「SD」の2種類が用意されており、SDはクロスオーバーにのみ搭載される。

▲ディーゼルは可変ジオメトリー・ターボなどを備え燃費とパワーを両立、JC08モード燃費は16.3km/L(D)に ▲ディーゼルは可変ジオメトリー・ターボなどを備え燃費とパワーを両立、JC08モード燃費は16.3km/L(D)に

正式車名MINI Cooper SD Crossoverに乗った。エクステリアではグリルのデザインが刷新され、JCW(ジョンクーパーワークス)と同様のルーバーがアクセントとして入った六角形グリルが採用されている。

スターターボタンを押す。エンジン音はそれなりに室内に飛び込んでくる。お世辞にも静かとは言えないが、Dレンジに入れて走りだすと、その圧倒的なトルク感に、まあいいかという気にさせられる。2000回転もまわせば、高速巡航も楽々とこなす。

このマイナーチェンジではシャシーに大きな変更はないというが全体の熟成度は高まっている。アシがきちっと動き、試乗車にはオプションの18インチ+ランフラットタイヤが装着されていたが見事に履きこなしていた。

▲グレードにより異なるグリルデザインを採用。ホイールをはじめ、内外装に多彩なオプションを用意する ▲グレードにより異なるグリルデザインを採用。ホイールをはじめ、内外装に多彩なオプションを用意する

JCWとも乗り比べてみたが、こちらは19インチを履いていたこともありバタつきが残る。また4WD化のせいか、一般的に車重がかさばるディーゼルを載せたSDと比べても、さらに60kgほど重い。燃費はもとより、ミニらしい軽快感のある乗り味という選択肢においてもSDに軍配が上がる。

ちなみにペースマンのシャシーもいい。もしドアが4つ必要なければ、そちらもオススメ。

▲センターメーターの文字盤を白から黒系に変更。インテリアの上質感も高められている ▲センターメーターの文字盤を白から黒系に変更。インテリアの上質感も高められている

【SPECIFICATIONS】
■グレード:Cooper SD Crossover ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1995cc
■最高出力:143/4000[ps/rpm] ■最大トルク:305/1750-2700[N・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:4105×1790×1550(mm) ■ホイールベース:2595mm
■車両重量:1420kg
■車両本体価格:387万円(税込)

text/藤野太一 photo/向後一宏