▲マカンの仕上がりの良さから楽しみにしていた今回のフェイスリフト。さすがポルシェらしく特に走りがしっかりアップデートされていた ▲マカンの仕上がりの良さから楽しみにしていた今回のフェイスリフト。さすがポルシェらしく特に走りがしっかりアップデートされていた

人気は盤石、乗れば納得の進化を遂げた

2世代目となってからこの4年間でカイエンの世界販売は30万3000台以上にも達したという。初代は8年間で27万6000台だったから、何と倍以上のペースで売れまくっているわけだ。

そんなカイエンだけに変更は決して大掛かりなものではない。見た目にしても、わかる人にはわかるけれど…という感じだが、実際にはモノコックとドア以外のほとんどが刷新されていて、全体にワイド感が強調された造形となっている。

▲フロントマスクはよりシャープに、リアはバンパー下部に統合されたテールパイプなどでよりエレガントに ▲フロントマスクはよりシャープに、リアはバンパー下部に統合されたテールパイプなどでよりエレガントに

今回、スペインで試乗できたのは2モデル。従来の4.8L V8から3.6L V6ツインターボへとエンジンが変更されたカイエンSと、パワーアップした4.8L V8ツインターボを積むカイエンターボだ。

まずカイエンSは、排気量を縮小しながらもターボの効果で低回転域のトルクに厚みが出てドライバビリティが向上しているのが何よりも好印象。回転を上げなくてもグイグイ加速していく特性は、重量級のSUVの心臓にぴったりだ。

一方、十分以上だった動力性能にさらに磨きをかけた4.8Lターボは、速いだけでなくより高回転型の特性となっているのが気持ち良い。コレを味わうと、やはり離れられなくなる。スペックにこそ変更はないものの、シャシーもリファインされた様子で、乗り心地はしなやかさを増し、高速域でのフラット感も高まっている。現行型のオーナーは悔しさを覚えそうだ。

ラインナップには他にも、新たにプラグイン化されたカイエンS Eハイブリッドが用意されている。また遠からず、おそらくは新エンジンを得て素のカイエンも追加されるはずである。

派手に変わったわけではないが、乗ればやはり納得の進化を遂げているのが、この新しいカイエン。その人気はますます盤石と言えそうだ。

▲918スパイダーを彷彿とさせるパドルシフト付きマルチファンクションステアリングを採用 ▲918スパイダーを彷彿とさせるパドルシフト付きマルチファンクションステアリングを採用
▲テールゲートは自動開閉式を標準化。ラゲージ容量は通常670L、後席を倒すと最大1780L ▲テールゲートは自動開閉式を標準化。ラゲージ容量は通常670L、後席を倒すと最大1780L

【SPECIFICATIONS】
■グレード:CAYENNE TURBO ■乗車定員:5名
■エンジン種類:V8DOHCターボ ■総排気量:4806cc
■最高出力:520/6000[ps/rpm] ■最大トルク:750/2250-4000[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4855×1939×1702(mm) ■ホイールベース:2895mm
■車両重量:2260kg
■車両本体価格:1720万円(税込)

text/島下泰久 photo/ポルシェ・ジャパン