ポルシェ 911 タルガ4【試乗レポート】(島下泰久)
カテゴリー: ポルシェの試乗レポート
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2014/09/11
昔の姿と最新の中身で一躍オシャレ911の筆頭に!
率直に言ってタルガは、今まで911の中で最も地味な存在だった。しかし新型は、その立ち位置を180度転換させるに違いない。何しろ新型のルーフはサプライズ満載なのだ。
見た目はタルガバーを装備したタイプ964以前に回帰しているが、実はそのルーフは脱着式ではなくリトラクタブルハードトップとなっている。スイッチを押す、もしくは車外からリモコンキーで操作すると、わずか19秒の間にリアウインドウが持ち上がって、長いアームによってそこにルーフがしまい込まれるのだ。こんなアピール度の高いオープンカー、そうはない。
しかもスタイリングが、まったく違和感なくキマッているのが驚きである。変わったようでいて変わっていない911だからこそ、新しいタルガのような変身が可能となったわけだ。
もっともオープン状態で走らせると、このタルガバーに前方からの風が直撃して結構騒がしい。同乗者と会話するには、速度を落とすことが必要だ。しかしながらフロントウインドウが比較的切り立っているおかげで開放感は十分だし、風の巻き込みも十分抑えられている。
そして意外なことに走りもカナリ良いのだ。ボディ剛性はカブリオレを少し上回る程度だというが、体感上はクーペにも遜色ないほどしっかりしている。つまりフットワークにも妥協はないということで、911らしいスポーティな走りを存分に堪能できるのだ。最高の開放感と、皆に自慢したくなるだてっぷりとともに。
今、いちばん人目を引く911を選ぶなら、間違いなくこのタルガだ。
しかも価格は同じエンジン&駆動システムのカブリオレより安いんだから、まったくウソみたいな話である。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:911Targa4 ■乗車定員:4名
■エンジン種類:水平対向6DOHC ■総排気量:3436cc
■最高出力:350/7400[ps/rpm] ■最大トルク:390/5600[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:7DCT
■全長×全幅×全高:4491×1852×1298(mm) ■ホイールベース:2450mm
■車両重量:1540kg
■車両本体価格:1500万円(税込)