ポルシェ ケイマン|海外試乗

デザイン、走り、実用性などあらゆる要求に応えてくれる懐の深さはたまらないものがある。先代ユーザーは余裕があるなら買い替えて絶対後悔ナシ。さらに言えば、911派だってグラつくはずだ。ただし強いていうなら、あまりに隙がなさ過ぎるか!?

想像以上のハンドリングマシン!

想像をはるかに超えていた

新型ボクスターの素晴らしい出来映えから、一体どんな走りを見せてくれるのかと方々で期待が高まっていた新型ケイマン。

結論から言えば、その走りは期待を裏切ることなく、そして想像をはるかに超えていたのだった。

本格ミッドシップカーはケイマンだけ

何しろ驚かされたのがボディの剛性感の高さ。段差を乗り越えようが荒れた舗装を突破しようが感触は強靭そのものなのである。実はこのボディ、静的ねじれ剛性は40000Nm/degとボクスターの倍以上、911よりも上なのだと聞いて納得だ。

ハンドリングは、素直なターンイン、前後バランス抜群の旋回姿勢、そして優れたトラクションと、まさにすべてがよく出来たミッドシップのお手本的仕上がり。ホイールベースが延び、トレッドが広がったことで挙動の安定感が増して、ミッドシップと言っても相当な無理をしない限り、危うさとは無縁である。

動力性能は、もちろん3.4LのケイマンSのほうが上だが、2.7Lのケイマンでもパワーは275psまで増強されており、車体も30kg軽くなっていることから、Sと競争しない限り不満は皆無。せっかく7800rpmまで回るエンジンを存分に唄わせるには、むしろこちらを選ぶ手もある。お勧めは断然、タッチが改善された6速MT。スポーツクロノパッケージを選べば自動ブリッピング機能も備わる。

ライバル達がセダンをベースとする中、本格的なミッドシップカーはこのケイマンだけ。走りも見た目もクールで、しかも大容量の荷室を備えるなど実用性だって十分なのだ。

果たして、これを選ばない理由なんてあるのだろうか?

3世代目となる新型は旧型より大きくなりつつ(全長+35mm)最大30kgの軽量化が図られた

3世代目となる新型は旧型より大きくなりつつ(全長+35mm)最大30kgの軽量化が図られた

前方に向かって上がっていくセンターコンソールデザインは、ステアリングとシフトの間隔を短くし操作性を高める

前方に向かって上がっていくセンターコンソールデザインは、ステアリングとシフトの間隔を短くし操作性を高める

前後に分割されたラゲージ容量は275L。バーにはブラッシュ仕上げのアルミが用いられた

前後に分割されたラゲージ容量は275L。バーにはブラッシュ仕上げのアルミが用いられた

SPECIFICATIONS

グレード CAYMAN S
駆動方式 MR
トランスミッション 7DCT
全長×全幅×全高(mm) 4380×1801×1295
ホイールベース(mm) 2475
車両重量(kg) 1320
乗車定員(人) 2
エンジン種類 水平対向6DOHC
総排気量(cc) 3436
最高出力[ps/rpm] 325/7400
最大トルク[N・m/rpm] 370/4500-5800
車両本体価格(万円) 820
Tester/島下泰久 Photo/ポルシェ ジャパン