BMW 3シリーズ 【マイナーチェンジ】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: セダン
2009/01/26
ベストセラーの着実な前進
↑アクティブステアの違和感がほとんどなくなり、スポーツサスを組み込んだ足もしなやかさが増した(左)数が出ている車だけに、ボディカラーは13色も設定されている(右)
職務上、多くの車に乗る機会に恵まれてきた。それを知る友人からは「一番いいと思った車はなに?」とよく聞かれる。そんなとき真っ先に思い浮かぶのがVW ゴルフとBMW 3シリーズだ。ゴルフは「ちゃんとした車」、3シリーズは「運転が楽しい車」の世界代表である。もちろん個人的な趣味でいえばシトロエンもメルセデスも好きだし、他にも憎からず思っている車は多いが、誰にでもわかりやすくいい車、というとこの2台に尽きる。特に3シリーズは車好きのツボを押さえているなぁと乗るたびに思う。重いドアを閉めたときの音、呼吸するようなエンジンの脈動、思った以上に切れるステアリング特性、前後重量配分50対50を感じさせる軽快なフットワーク。アドレナリンが出てくるというか、ワクワクするというべきか、とにかく心地よい刺激が車中にちりばめられている。長らくこのクラスのベストセラーであり、世界中のメーカーがベンチマークとする理由が乗ると本当によくわかる。
中身もしっかり熟成が進んでいる
↑内装色も布シートが3種類、革シートに至っては6種類から選ぶことができる(左)元祖iDriveもついに補充ボタンが設置され、直感的な操作性が向上している(右)
その3シリーズの5代目E90型がデビューから3年たってマイナーチェンジを受けた。外観はフロント回りのデザインがややアグレッシブになり、リアのコンビネーションランプに流行のLEDが組み込まれた。新鮮さを保つ工夫が施されているものの、大きく変わったというほどではない。マイナーチェンジ前のオーナーからすれば一安心というところだろう。ただ走りのほうは初期型よりも明らかに洗練の度合いを強めている。特にアクティブステアの違和感がほとんどなくなったことと、スポーツサスペンションを組み込んだモデルの足がしなやかさを増したことは印象的だった。今までE90のベストチョイスは素の320だと思っていたが、今回は325のアクティブステアが付いたM Sportsパッケージのバランスの良さが心に残った。もちろん3シリーズの美点である小気味よく吹け上がるエンジンと、抜群のスタビリティを感じさせる懐深い足回りは相変わらずだ。
今回のマイナーチェンジでは、日本仕様の右ハンドル車のみ全幅が15mm削られて1800mmとなったり、iDriveにとうとう補助スイッチが付いたり、全車標準となったナビが日本向け最新バージョンとなるなど、中身についてもしっかり熟成が進んでいる。
ここまで売れると食わず嫌いな方も多いとは思うが、車好きならぜひ一度乗ってみることをおすすめする。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | 325i |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 6AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4540×1800×1440 |
ホイールベース(mm) | 2760 |
車両重量(kg) | 1510 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直6DOHC |
総排気量(cc) | 2496 |
最高出力[ps/rpm] | 218ps/6500rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 25.5kg-m/2750〜4250rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 9.3 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/60 |
車両本体価格 | 538.0万円 |
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