【試乗】BMW 7シリーズ 760Li│有り余るほどの贅沢な快適さに、絶妙に溶け込んだMパフォーマンスという個性!
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2021/03/10
▲走りもデザインも乗り味もすべてが上質に磨き上げられ、ドライビングマシンとしてのポテンシャルを色濃く強調させた、ドライビング・ラグジュアリー・セダン重厚なパワーと滑らかさはV12だけがなせる技
エンジンはV12ツインターボという贅沢さ。実はV12エンジンはいまやプレミアムブランドでも絶滅危惧種で、もはやこのM760Liとメルセデス・ベンツ S600ロングくらいしか搭載例がない。あとはロールスロイスやベントレーといった、ラグジュアリーブランドとスーパースポーツカーが採用するのみだ。
M760Li用V12は、同じグループのロールスロイスで使われているものとエンジンブロックは共通。ボア×ストロークを変えることで、ロールスロイスは6.75L、BMWは6.6Lと微妙に差をつけてブランドの差別化を図っているらしい。いずれにしても、なんとも贅沢な話である。
これだけ贅沢なパワープラントを使っているのだから、車全体がこのV12エンジンに最適化されていたとしても不思議ではない。事実、M760Liのハンドリングや乗り心地は、V12エンジンのよさを最大限引き出すようにチューニングされているような気がしてならなかった。
▲ボディ骨格にカーボンを使用したカーボン・コアを採用し、軽量化に成功しながらも高い剛性を実現。スポーツ性能面が格段に進化した
▲細く水平に設計されたリアライトは、クローム加飾されたガーニッシュとともに優雅さを演出
▲約40%大型化されたキドニーグリルは、ヘッドライトとつながるようデザインされている
▲ラゲージ容量は515Lを確保M760Liの主役であるV12エンジンがどんな性格の持ち主かといえば、静かで回転フィールが滑らかなことはいうまでもない。しかし、サルーン用V12の多くがそうであるように、N74B66Cと名付けられたこのパワーユニットも回転上昇のスピードは穏やかで、シュンと素早く立ち上がるというよりは、もっとゆったりとしていて息の長い加速感が続くイメージ。そして気がつけば強大なパワーの奔流にのみ込まれているというキャラクターなのだ。
エンジンのラグジュアリーさを際立たせるために、乗り心地は極めて快適に仕上げられている。全般的には柔らかめの足回りで路面からのゴツゴツ感は完全にシャットアウト。しかも、急峻なショックを受けても振動が一切尾を引かないあたり、ボディの剛性というか制振特性にもかなり注意を払って開発されていると見た。
ソフトなサスペンションゆえに、ハードコーナリングを試せばロールもするが、ボディの傾きが際限なく続くかと思えばそうでもなく、節度あるロール感で不安は抱かない。また、同じ理由により左右に素早く切り返すようなS字コーナーでももたつくことなく、テンポよくノーズの向きを変える身軽さを備えていることにも驚かされた。
したがって、快適性とスポーツ性のどちらに主軸が置かれたシャシーかといえば僅差で快適性となるが、スポーツ性にも十分配慮されている仕立てなのだ。その意味で、7シリーズのMパフォーマンスモデルに相応しい設定といえる。
▲高性能のプロセッサーと3つのカメラ、レーダーを搭載することで、アクティブ・クルーズ・コントロールを含む先進機能の精度が向上した
▲装備されるアンビエント・エア・パッケージは、7シリーズのために調香された8つの香りから、2つの香りを楽しむことができる
▲Bowers & Wilkinsのサウンドシステムやドリンククーラーを装備するなど、後席でのエンターテインメント機能を充実させている
▲センターに設置されているモニターは取り外してタブレットのように使え、車両設定やインフォメントシステムのコントロールが可能同様のことはキャビンのしつらえについても当てはまる。最上級のレザーを用いたシートの手触りは恐ろしくソフトで、ホワイト系の染色も鮮やか。それでいて、そこはかとないスポーツ性も感じさせるこのインテリア・デザインこそ、M760Liの一方の白眉かもしれない。
いずれにせよ、M760Liが多彩な魅力を備えたラグジュアリー・スポーツサルーンであることは間違いないだろう。
【試乗車 諸元・スペック表】
●M760Li xドライブ 4WD
| 型式 | 3BA-7U66 | 最小回転半径 | 6.1m |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.27m×1.9m×1.49m |
| ドア数 | 4 | ホイールベース | 3.21m |
| ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.62m/1.62m |
| AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 4WS | ◯ | 車両重量 | 2320kg |
| シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
| 乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2595kg |
| ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.14m |
| マニュアルモード | ◯ | ||
| 標準色 |
アルピン・ホワイトIII |
||
| オプション色 |
ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ミネラル・ホワイトメタリック、ブリリアント・ホワイトメタリック、ピュア・メタル・シルバーメタリック、アヴェンチュリン・レッドメタリック、ベルニーナ・グレー・アンバーエフェクトM、タンザナイト・ブルーメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、フローズン・ダーク・シルバーメタリック、フローズン・ブリリアント・ホワイトM、フローズン・カシミヤ・シルバーメタリック |
||
| 掲載コメント |
- |
||
| 型式 | 3BA-7U66 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WD |
| ドア数 | 4 |
| ミッション | 8AT |
| AI-SHIFT | - |
| 4WS | ◯ |
| 標準色 | アルピン・ホワイトIII |
| オプション色 | ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ミネラル・ホワイトメタリック、ブリリアント・ホワイトメタリック、ピュア・メタル・シルバーメタリック、アヴェンチュリン・レッドメタリック、ベルニーナ・グレー・アンバーエフェクトM、タンザナイト・ブルーメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、フローズン・ダーク・シルバーメタリック、フローズン・ブリリアント・ホワイトM、フローズン・カシミヤ・シルバーメタリック |
| シート列数 | 2 |
| 乗車定員 | 5名 |
| ミッション 位置 |
フロア |
| マニュアル モード |
◯ |
| 最小回転半径 | 6.1m |
| 全長×全幅× 全高 |
5.27m×1.9m×1.49m |
| ホイール ベース |
3.21m |
| 前トレッド/ 後トレッド |
1.62m/1.62m |
| 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
| 車両重量 | 2320kg |
| 最大積載量 | -kg |
| 車両総重量 | 2595kg |
| 最低地上高 | 0.14m |
| 掲載用コメント | - |
| エンジン型式 | N74B66C | 環境対策エンジン | - |
|---|---|---|---|
| 種類 | V型12気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
| 過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 78リットル |
| 可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 6.9km/L |
| 総排気量 | 6591cc | 燃費(WLTCモード) |
6.7km/L
└市街地:4km/L └郊外:7km/L └高速:8.9km/L |
| 燃費基準達成 | - | ||
| 最高出力 | 609ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
850(86.7)/5000 |
| エンジン型式 | N74B66C |
|---|---|
| 種類 | V型12気筒DOHC |
| 過給器 | ターボ |
| 可変気筒装置 | - |
| 総排気量 | 6591cc |
| 最高出力 | 609ps |
| 最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
850(86.7)/5000 |
| 環境対策エンジン | - |
| 使用燃料 | ハイオク |
| 燃料タンク容量 | 78リットル |
| 燃費(JC08モード) | 6.9km/L |
| 燃費(WLTCモード) | 6.7km/L
└市街地:4km/L └郊外: 7km/L └高速: 8.9km/L |
| 燃費基準達成 | - |
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