【試乗】新型 BMW X5|往復1000kmのドライブで感じた、快適と高揚の融合
2019/08/08
ラグジュアリー路線を強めてきた歴代のX5
BMW初のSUVであるX5は、スポーツユーティリティというストライクゾーンが広いビークルではなく、アクティブな使い方に加えてスポーツドライビングといった部分まで盛り込んだモデルだ。
初代のX5は一般的なSUVに比べると本当にスポーティなハンドリングで、タフさも兼ね備えながら、車高が高いにも関わらずソリッドなセッティングの印象が強い。
しかし、2代目から徐々にマチュアな雰囲気となって、プレミアム性が高まってきた。
このモデルより6気筒のターボディーゼルを搭載したモデルが加わり、日本における直列6気筒のディーゼルエンジン搭載車のプレミアム性を感じた。
そして2013年に登場した3代目では、エクステリア、インテリアともに高級感がぐっと増して、優雅さがある本物の大人のラグジュアリーSUVとなった。
ディーゼルエンジンでのプレミアム性をますます向上させた印象が強い。
発売とともに比叡山往復の1000kmロングドライブに出かけたが、楽しくさせる6気筒ディーゼルエンジンのパフォーマンスと静粛性、大きな車体であるが引き締まったボディがもたらすハンドリングを堪能した。
停車、低速時でこそドライバーを満足させる
そして今回、初代から継承したDNAをさらに高めたモデルが静かに登場した。
試乗することができた新しい4代目「BMW X5 xDrive35d Mスポーツモデル」は、継承する3リッター6気筒ターボから63kg・mを超えるとてつもないトルクを携えた。
このトルクはなんと2000~2500回転でマキシマムに達することから、中間加速がとても楽しみだ。
ちなみに最高出力は265馬力に達する。
やはり新しいX5でも長距離をドライブしたいという欲求に駆り立てられて、新たに完成した新名神高速の区間も走りたいと思い京都へドライブだ。
先代よりもさらに迫力のあるボディとエレガントなフォルムは、優雅なクルージングを約束してくれるエレメントが満載だ。
長距離移動では、世代ごとに革新的な進化のあるアクティブ・クルーズ・コントロールも楽しみである。
シートポジションを合わせてエンジンを始動する。
もはやガソリンもディーゼルも関係ない領域の静粛性だ。
エンジン回転を上げなくても力強く走らせるのは高級車の証しである。
ゆっくりと走らせながら東名へ向かった。
水筒も持参して、紅茶と大好きなウォーカーのビスケットもキャンバスのトートバッグに詰め込んだので、小腹がすいても大丈夫だ。
川崎のゲートをくぐるとここからが、東名高速の本番である。
時速20kmまで下がった速度を、一気に高めるためにアクセルを静かに開ける。
6気筒エンジンはハーモニックな振動とともに、ゆとりの加速を演じる。
追い越し車線から走行車線にレーンチェンジした瞬間に路面にピタリとくっついている印象で、ステアリングはちょっと動かす程度で指示が伝わる。
大きなアクションなんて、X5には必要ない。
特に大井松田の標高を上がっていくマウンテン区間は、エンジンのパフォーマンスがドライビングの楽しさへと誘う。こりゃたまらない!
以前よりも増してラグジュアリーセダンの様な心地よい乗り心地だ。疲れを感じることはない。
新東名を走りノンストップでも大丈夫そうであったが、岡崎で紅茶タイムをとりビスケットをいただいた。
あらゆるシーンで余裕を感じさせる
ここから京都まではわりと近い。
四日市ジャンクションから、新しくできた新名神区間を走る。
初夏のゲリラ豪雨に見舞われたが、安定感はとてもいい。
また目線が高い位置なので、飛沫もそれほど気にならない。
目線が高いと目が疲れにくい。道幅の広くない京都の街中はいささか動きにくいが、中心部の洛中以外であれば見切りもいいし問題ない。
なによりも大きくなったグリルなどの効果もあるだろうが、存在感が大きくなった。
1泊して次の日は貴船の川床料理も堪能してお薄を頂き、一服してから東京に帰る。
琵琶湖を眺めるために、出町柳から山中越えという峠を通って大津に出るルートだ。
急な上りの峠でも、ゆとりは変わらない。
比叡山入口を越えると、下り坂が多くなる。
タイトな道でも正確無比なハンドリングで、琵琶湖側に到着した。峠の中腹は眺めがいい。
そこから琵琶湖西縦貫道を通って、京都東から名神に乗るルートだ。帰りは新しい鈴鹿のパーキングエリアで休憩をとって東京に向かう。
行きと帰り同じ場所で大雨に合うが、最新のxDriveは心強い。
しっかりステアリングを握ってアクセルペダルに足を乗せ、速度をコントロールするすればあとは車が制御してくれる。
ジャンクションが少ない新東名に入ってから、アクティブ・クルーズ・コントロールを試すと、車内が心地よい空間に様変わりする。
コンチネンタルで鍛えられたSUVは、高速走行と天気が変わりやすい山間部を網羅して、ドライバーと同乗者を快適に速く届ける手段でありリクリエーションなのだ。
【試乗車 諸元・スペック表】
●xドライブ 35d Mスポーツ 4WD
型式 | 3DA-CV30S | 最小回転半径 | 5.9m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.94m×2.01m×1.77m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.98m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.69m/1.7m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 2270kg |
シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | 2655kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.22m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ブラックII、アルピン・ホワイトIII |
||
オプション色 |
カーボン・ブラックメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、ファイトニック・ブルーメタリック、アークティック・グレー・ブリリアントE、サン・ストーンメタリック、ルビー・ブラックメタリック、タンザナイト・ブルーメタリック、パイライト・ブラウンメタリック、アメトリンメタリック |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3DA-CV30S |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ブラックII、アルピン・ホワイトIII |
オプション色 | カーボン・ブラックメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、ファイトニック・ブルーメタリック、アークティック・グレー・ブリリアントE、サン・ストーンメタリック、ルビー・ブラックメタリック、タンザナイト・ブルーメタリック、パイライト・ブラウンメタリック、アメトリンメタリック |
シート列数 | 3 |
乗車定員 | 7名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.9m |
全長×全幅× 全高 |
4.94m×2.01m×1.77m |
ホイール ベース |
2.98m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.69m/1.7m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 2270kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 2655kg |
最低地上高 | 0.22m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B57A30A | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列6気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 80リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 14.4km/L |
総排気量 | 2992cc | 燃費(WLTCモード) | 11.7km/L └市街地:8.7km/L └郊外:11.8km/L └高速:13.7km/L |
燃費基準達成 | H32年度燃費基準 達成車 |
||
最高出力 | 265ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
620(63.2)/2500 |
エンジン型式 | B57A30A |
---|---|
種類 | 直列6気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 2992cc |
最高出力 | 265ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
620(63.2)/2500 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 80リットル |
燃費(JC08モード) | 14.4km/L |
燃費(WLTCモード) | 11.7km/L └市街地:8.7km/L └郊外: 11.8km/L └高速: 13.7km/L |
燃費基準達成 | H32年度燃費基準 達成車 |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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