BMW5 シリーズ【フルモデルチェンジ】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: セダン
2010/06/25
コンサバ回帰なカタチの中に、濃厚なるビーエム成分
↑先代比で全長+55㎜、ホイールベースは80㎜延長。伝統のL字型テールランプはLED式を採用した。(左)アシンメトリーなBMWの定番インパネ(右)
こういうカタチを端正と表現するのだと思う。まったくもって先祖返りというか、保守回帰というか、面白みには欠けるけれど、けれんみがない分、美しくさえ見える。5シリーズが7年ぶりにフルモデルチェンジした。6代目で、ビーエムツウを気取ればF10と呼ぶ。7シリーズをぎゅっと凝縮したようなショートオーバーハング/ロングノーズ&ホイールベース/ショートデッキスタイルは、安定感もあって落ち着いた大人の味わい。先代と違い、これは欧州でウケそう。もっとも旧型のエグみが好きだったボクには若干物足りないが。キドニーグリルとホフマイスターキンク(BMW独特のCピラー形状)は健在。
インテリアもBMWの伝統に則のっとり、ダッシュボードを約7°ドライバーに向けて傾けた。最近のBMWは、どれに乗っても同じコックピットに見える。S・M・LとBMWはサイズで選ぶ時代になったということか。
とりあえず、日本仕様として3グレードがやってきた。そのうち、528iはBMW初のエコカー減税対象車であり、同時に、535iとともに補助金対象モデルだ。
気分は戦闘モード。パワフルセダン
↑グレードは407psの4.4LV8ツインターボを積む「550i」と、306psの3L直6ツインスクロールターボとなる「535i」、258psの3L直6NA「528i」の3機種。いずれも8速ATを搭載。(左)トランク容量は520Lを確保する(右)
古くからのBMW乗りにオススメは、528iである。BMWの3L直6ガソリンエンジンラインナップのなかでは非力なN52エンジンを積んでいるが、自然吸気の妙味がたっぷりと味わえて、いかにもBMWらしい。もちろん、他グレードと比べてしまえば“かったるい”と思ってしまうが、逆に知らなければ“これで十分”である。何がどうなってそうなるのか知らないが、ステアリングを切り始めて曲がり終えるまでのいちいちに、得も言えぬ気持ちよさがあるのが、BMWという車の魅力である。コンサバ回帰となった5シリーズであっても、そこは薄められるどころか、最近のモデルの中ではいっそう強調されているようにも思う。曲がりたくってBMW。道がすべて曲がっていればいいのに。
535iともなれば、さすがにパワフルで、ついついアクセルペダルを踏んでは諦め、踏んでは諦めの繰り返し。あまりに気分が戦闘モードになりすぎて困る。ちなみに、535iに積まれるのは最新世代のN55直噴ユニットであり、ツインターボではなくツインスクロール・シングルターボだ。
もう一つの550iに至っては完全に暴走サルーンであって、ステータスで乗るならともかく、フツウの方には完全にオーバースペックな車だった。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | 535i |
全長×全幅×全高(mm) | 4910×1860×1475 |
車両重量(kg) | 1820 |
エンジン種類 | 直列6気筒DOHCツインスクロールターボ |
総排気量(cc) | 2979 |
最高出力[ps/rpm] | 306ps/5800rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 40.8㎏-m/1200~5000rpm |
車両本体価格 | 715万~1040万円 |
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