▲Rヴァリアントもオールトラックも車は間違いなくいいから、家族も喜んで賛同してくれるはず。だから、我儘を通さなくても買えるという意味で70%と辛めの採点をした。あまりにスタビリティが高いので、腕利きには物足りないと思われかねない点も心配だ ▲Rヴァリアントもオールトラックも車は間違いなくいいから、家族も喜んで賛同してくれるはず。だから、我儘を通さなくても買えるという意味で70%と辛めの採点をした。あまりにスタビリティが高いので、腕利きには物足りないと思われかねない点も心配だ

4WDで個性を磨いたふたつのゴルフ ヴァリアント

試乗して最初に驚いたのはボディ剛性の高さ。もちろん、ゴルフ7のボディがあきれるくらい頑丈なのは知っているけれど、ワゴンのヴァリアントはそれより50cm以上も全長が長いから、それだけボディの空洞部分が大きくなって剛性的には不利なはず。しかも、これまで日本仕様のゴルフ ヴァリアントは基本的にメキシコ製だったことも手伝って、普通のハッチバックよりもボディ剛性が低いというイメージがなんとなく頭にこびりついていた。

けれども、“7”のヴァリアントはハッチバックと比べてもまるで見劣りしない。そしてこの優れたボディ剛性が、ゴルフ R ヴァリアントの走りを支えるうえでとても大きな役割を果たしていたのである。

まずは高速コーナリング時の安定性が抜群に高い。スペイン南部で行われた今回の試乗会ではアスカリ・サーキットでの走行もメニューに含まれていたが、その高速コーナーを限界近いペースで走っていても、走行ラインはぴったりと安定したまま。これだったら300psのエンジンパワーを安心して引き出せる(日本仕様は280psとなる予定)。乗り心地だって決して悪くない。特にドライビングモードでコンフォートを選べば家族から苦情が出る心配はないはずだ。

「ゴルフ ヴァリアントの4WDは欲しいけど、Rほど速くなくてもいい」という向きには新登場のゴルフ オールトラックがオススメ。通常のヴァリアントより車高を20mm高め、ルーフレールなどでお化粧直ししたオールトラックは最近はやりのクロスオーバーといった佇まい。日本仕様は、とりあえず1.8TSIでデビューしたのち、待望久しいターボディーゼルエンジンがついに導入されるそうだから、こちらも楽しみだ。

▲オールトラックはヒルディセント機能などを備え、SUVに近いオフロード性能をもつ ▲オールトラックはヒルディセント機能などを備え、SUVに近いオフロード性能をもつ
▲RにはCarbon Raceデザインのトリムやスポーツシートを採用。モニターには専用のスタートメニューが表示される ▲RにはCarbon Raceデザインのトリムやスポーツシートを採用。モニターには専用のスタートメニューが表示される
▲ハッチバックのRと同じ直噴ターボを搭載。コースティング機能が備わった6速DSGを組み合わせる ▲ハッチバックのRと同じ直噴ターボを搭載。コースティング機能が備わった6速DSGを組み合わせる

【SPECIFICATIONS】
■グレード:R Variant ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1984cc
■最高出力:280/5100-6500[ps/rpm]
■最大トルク:380/1800-5100[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:6DCT
■全長×全幅×全高:4596×1800×1465(mm) ■ホイールベース:2635mm
■車両重量:1560kg

text/大谷達也 photo/フォルクスワーゲン グループ ジャパン