▲シャシーが現行モデルから流用されるため、プロポーションが大きく変わることはなさそうだ。フロントノーズに収まるボクサー4エンジンは、排気量が2.4Lに拡大される模様 ▲シャシーが現行モデルから流用されるため、プロポーションが大きく変わることはなさそうだ。フロントノーズに収まるボクサー4エンジンは、排気量が2.4Lに拡大される模様

マイナーチェンジの予定が一転

スバルがトヨタとともに作り上げた、スペシャリティ2ドアのBRZ/86が、世代交代に向けて動き出した。大規模な手直しが施されて、まだまだ続くと思われていたモデルライフは2020年に終わリ、次代へと切り替わる。

じつは、現行モデルは2020年にビッグマイナーチェンジを受け、さらに歩み続ける予定だった。だが、ここに来て急転直下、フルモデルチェンジが敢行される方向に。目新しさを引き出すことも理由のひとつに含まれているようだ。

残された時間は約3年。できることは限られている。当然プラットフォームの刷新は難しく、せいぜい細部を煮詰めてのブラッシュアップにとどまる公算が大きい。一方でボディは骨格も含めて一新され、剛性アップとデザインが変更されるに違いない。

235psの2.4L 自然吸気ユニットを搭載か

次期型に関して気になるポイントは、パワートレインだろう。現行ボクサー4をハイブリッド化できないか、開発陣が模索したこともあったようだ。インホイールモーターを用いるアイデアも浮上したが、すでにお蔵入りになっている。

現実的な路線で予想すると、レヴォーグなどに搭載されているユニットを流用してのターボ化に期待したいところだが、いま現在、有力候補に挙がっているのは、NAのまま排気量を拡大する案だ。

内部事情に詳しい関係者によると、具体的には現在の2Lから2.4Lへの拡大が取り沙汰されているという。最高出力は235ps程度をマークしそうだ。パンチ力はイマイチかもしれないが、NAならではの心地よいフィーリングに期待したい。駆動方式は、いうまでもなくFRを踏襲する。

▲BRZと86に搭載される2Lのボクサー4気筒エンジン。低重心にこだわった車体構造は、同車のウリのひとつに掲げられている。2016年の改良で、エンジン補強や最終減速比の変更が行われて、加速性能に磨きがかかった ▲BRZと86に搭載される2Lのボクサー4気筒エンジン。低重心にこだわった車体構造は、同車のウリのひとつに掲げられている。2016年の改良で、エンジン補強や最終減速比の変更が行われて、加速性能に磨きがかかった

トヨタが構想している派生モデルにも対応

次期BRZ/86だが、現行モデル開発時に想定されていなかったために、トヨタが断念したコンバーチブルも用意されそうだ。北米、とくに西海岸で販売台数を稼ぐための有力な存在として、モデルライフ途中に追加される可能性が高いが、BRZにはラインナップされず、兄弟車の86のみに用意されそうだ。

さて、現行モデルの情報をいくつか紹介したい。ひとつは9月4日に86に一部改良が施されるようだ。今回の手直しでは、ザックス製ダンパーがウリのGT リミテッド ハイパフォーマンス パッケージが廃止され、代わりにGT リミテッド ブラック パッケージが投入される。

これは、その名のとおり、アルミホイール、ドアミラー、リアスポイラーがブラックに塗装されて、レーシーな雰囲気が演出されたモデル。ザックス製ダンパーこそ採用されないものの、ブレンボ製ブレーキは踏襲される。また、全グレードで、ボディ剛性が高められる。電動パワーステアリングのチューニングも見直され、軽快感が向上する見込みだ。

また、11月21日には、GAZOOレーシングが専用チューニングを施した、86GRが発表される。

▲高い人気を得る現行モデル。9月4日、トヨタ 86に一部改良が施される模様 ▲高い人気を得る現行モデル。9月4日、トヨタ 86に一部改良が施される模様

※2017年8月12日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2020年
■全長×全幅×全高:4250×1780×1320(mm)
■搭載エンジン:2.4L 水平対向4気筒

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、スバル