プジョー RCZ、比較的低走行な物件も100万円台に!
2017/07/16
アウディ TTクーペの絶妙なる好敵手
子育て世代や、ご高齢のご両親の介護などをなさっている方には当然ながらまったく向かないが、状況的にそれが許されるのであれば、「2+2の輸入クーペ」はステキな選択肢である。
2+2の輸入クーペはなにせ美しい。そしてなにせ機動力が高い(サイズ的に馬鹿デカくない場合が多いため、都市部で邪魔にならない。またそもそもの走行性能が良好であることが多い)。
そんな輸入クーペに乗ろうと思った場合、候補は様々だが、有力候補の一つとなるのはアウディ TTクーペであろうか。現行型を新車として購入するのもステキであり、比較的手頃な旧型の中古車を探すのもまた最高だ。どちらも、車としての出来はすこぶる良い。
しかし、そこでもしもあなたが「TTもいいんだけど、走ってる数が多すぎて(売れ筋すぎて)ちょっとなあ……」と感じているのであれば、最高の“競合”がある。そしてその競合の中古車相場が最近、やっと100万円台に突入してきた。
競合の名はプジョー RCZである。
アウディ TTが「剛」ならプジョー RCZはさしずめ「柔」か?
お好きな方には今さら説明は不要だろうが、プジョー RCZは10年7月に登場し、若干のマイナーチェンジを経て16年途中まで販売されていた2+2クーペ。エンジンは1.6L4気筒のツインスクロールターボで、6速ATには最高出力156ps、6MT版には同200psの仕様が搭載された。
サイズ感も立ち位置も「同時代のアウディ TTクーペとおおむね似たニュアンス」と言えるプジョー RCZではある。しかし近寄ってまじまじと眺めてみれば、そして実際に乗ってみれば、やはりアウディ TTとはそれなりに大きく違うのだなと気づかされる部分は多い。
両者は似ているが、なんだかんだ言ってドイツ車であるアウディ TTから「剛」のムードが強く漂い、なんだかんだ言ってやっぱりフランス車であるRCZからは「柔」を感じるのだ。
RCZのデザインにおける最大のポイントである「波を打ったようなダブルバブルルーフ」や、弧を描いたようなシルバーのルーフラインが、そう感じさせるのかもしれない。あるいは、近年のフランス車らしくそれなりに硬く引き締まってはいるものの、やはりどこかソフトでもある乗り味が、そう感じさせるのだろうか。
いずれにせよプジョー RCZは、筆者が思うに素晴らしい車である。美しく、かさばらず、走って楽しく、決して故障がちでもない。狭いけど、後ろにもいちおう人が乗れる。荷物も置ける。
ここへきて4万km台までの物件も100万円台後半に
だがプジョー RCZは、その中古車相場がなかなか下がらなかった。いや、すでに十分下がっていたと見ることもできるのだが、「200万円の壁」が少々固かったのだ。
「もうひと声下がって100万円台になったらすぐにでも欲しいのに……」と考えていたお手頃中古車派の筆者だが、その“もうひと声”が、なかなかかからなかった。100万円台後半で探せる個体もあるにはあったが、それらの走行距離は多くのケースでぶっ飛んでいたのだ。
いや中古車のコンディションというのは決して走行距離だけで計るべきものではないが、やはり10万kmよりは5万km、ていうか正直できれば3万kmぐらいで……と思うのが人の子というものであろう。
しかし今、やっとこさプジョー RCZの中古車は「100万円台時代」を迎えようとしている。
具体的には走行2万km台から4万km台付近の10~12年式が、車両価格180万~199万円付近で販売されるようになってきたのだ。もしも「走行距離にはこだわらない」というのであれば、車両140万~160万円あたりでも探せるだろう。
低走行系を選ぶか否かに関わらず流通の中心は156psの6速AT仕様だが、200psの6MT仕様もそれなりの数は流通しており、時期にもよるが全体の3割~4割ぐらいはMT。手動変速+高出力にこだわりたい人にも、ここ最近のRCZ市場は十分に応えてくれるはずだ。
……もしも家庭などの状況が許すのであれば、そしてもしも「TTもいいんだけど、数が多すぎてちょっとなあ」と感じているのであれば、プジョー RCZに注目しない理由があるだろうか? その問いに対する答えはもちろん人それぞれだろうが、少なくとも筆者には、その理由がない。
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