フォルクスワーゲン ゴルフ(大谷達也)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
タグ: ハッチバック
2013/07/18
妙なたとえだが、かまどで炊いた高級ブランド米のように、シンプルだけれど奥深い味わいがゴルフの真骨頂。それだけに、激辛好きや高級食材にしか興味のない人には飽きられるかも。「ごはんがうまいんだから、おかずは塩鮭と梅干しで十分」という人向け
“志の高さ”が生み出した出色の名作
写真では想像もできないほど大きなインパクト
一見したところあまり変わっていないと感じた現行型オーナーも少なくないのでは? けれども、実物を目の当たりにすれば、それが大きな間違いだったことに気づくはずだ。
ボディパネルの面精度は格段に向上しているし、キャラクターラインは触れただけで指が切れると思えるほどシャープになった。「造形は極力シンプルにして、質感の向上によりデザインの新しさを表現する」。それが現在のフォクルクスワーゲンのデザインストラテジーだが、最新のスマートフォンを思わせるこの意匠変更には、写真で見ただけでは想像もできないほど大きなインパクトがある。
目立った変化はないのに、質感の向上を強く意識させるのはそのデザインだけではない。
レベルは上がり、価格は下がった
静粛性は増し、ハンドリングと乗り心地のバランスはさらに磨きがかかった。軽量化によってパフォーマンスと燃費が改善され、最新のセーフティーデバイスも選べるようになった。それでいて価格は下がったのだから、驚きを通り越してもはやあきれるしかない。
新世代プラットフォーム戦略のMQB(モジュラー・トランスバース・マトリックスのドイツ語の頭文字)に話題が集中しているが、その本質がクォリティとコストパフォーマンスをかつてないレベルまで引き上げることにあったのは明らか。単なるコストダウン狙いではないところが、いまのフォルクスワーゲンのすごさといえる。
それにしても、この志の高さは何だろう? まるで、勝てるとわかっている試合に全力で挑むアスリートのようだ。彼らの生真面目さこそ、ゴルフ7という出色の名作を生み出す原動力だったに違いない。
SPECIFICATIONS
グレード | TSI Highline | ||
駆動方式 | FF | ||
トランスミッション | 7DCT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4265×1800×1460 | ||
ホイールベース(mm) | 2635 | ||
車両重量(kg) | 1320 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | 直4DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 1394 | ||
最高出力[ps/rpm] | 140/4500-6000 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 250/1500-3500 | ||
車両本体価格(万円) | 299 |