フォルクスワーゲン up!【ニューモデル試乗】
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
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2012/10/10
日本のコンパクトカーに引導を渡すかも?
3ドアと5ドアのmove up!、装備を充実させた5ドアのhigh up!をラインナップ。JC08モード燃費はVWで最良の23.1㎞/Lを達成
3ドアのベースモデル「move up!」が149万円という驚きのプライスで投入されるフォルクスワーゲンの新しいエントリーモデルがup!である。3545㎜の全長に対してホイールベースを2420㎜と長く取ったボディに、3ドアと5ドアを用意。乗車定員はいずれも4名となる。エンジンは直噴でも過給器付きでもない直列3気筒1L NAで最高出力は75ps。ギアボックスもシングルクラッチ2ペダルのASGとなるなど、メカニズムもやはりシンプルだ。一方で安全装備は充実。何しろ前席左右とサイドのエアバッグ、ESPに加えて、このクラス初の低速域衝突回避・軽減ブレーキとなるシティエマージェンシーブレーキまで全車に備わるのである。
ゴルフやポロと違って見た目はシンプル。しかし中身は超充実の、まさにコンパクトカー界の黒船がup! なのだ。
コンパクトカーの走りの常識を塗り替える
ダッシュボード前面のダッシュパッドと呼ばれるパネルが特徴的なインテリア。high up!はボディ同色、move up!はベージュとブラックが用意されている
一見素っ気ないほどに見える外観だが、大きなVWマークを戴くグリルレスのマスク、スマートフォン風のリアビューなど、ディテールは練られていて街の景色の中でも埋没しない。室内も仕立ては簡素ながらクオリティは高く、しかも空間は広々。後席などポロより快適かも? というぐらいである。そして最大の驚きが走りだ。エンジンは実用域で力強く、また3気筒らしからぬ滑らかさで吹け上がる。課題はASGの変速のタイムラグだが、まあ慣れだ。シャシー性能も頭抜けている。人が乗り込むと車体が沈むほどアシは柔らかいくせして高速域での姿勢はフラットに保たれ、文句なしの直進性を披露。アウトバーンの速度域でも鼻唄まじりで疾走できる。
この中身を知ればなおのこと、その価格には驚くばかり。「それでも日本車買いますか?」と突きつける問題作である。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | high up! | |
全長×全幅×全高(mm) | 3545×1650×1495 | |
車両重量(kg) | 920 | |
エンジン種類 | 直3DOHC | |
総排気量(cc) | 999 | |
最高出力[ps/rpm] | 75/6200 | |
最大トルク[Nm/rpm] | 95/3000-4300 | 車両本体価格 | 183万円 |
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