メルセデス・ベンツ GLKクラス 【ニューモデル】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
タグ: SUV / クロスオーバーSUV / FF / 4WD
2008/12/03
激戦区に名乗りを上げたメルセデス製小型SUV
↑SUV特有のもっさり感はなく、まるでセダンのごとき乗り味(左)19インチの10スポークホイールを標準装備。テールランプにはLEDを使用している(中)3Lエンジンと7G-TORONICとの組み合わせで10・15モード燃費は9km/L(右)
トヨタ RAV4、ホンダ CR-Vなど日本車にはじまったコンパクトSUVの波が十数年の時を経てついにメルセデスにも辿り着いた。Gクラス、Mクラス、Rクラス、GLクラスに次いでこのGLKはメルセデスSUVファミリーの五男坊というわけだ。サイズは、ベースとなったCクラスセダン比で全長-55mmとSUVファミリー最小。前述の通りCクラスのプラットフォームにGクラスをモチーフにしたスクエアなスタイルを与え、4マチック(4WD)システムを搭載する。日本に導入されるのは3LV6+7ATを組み合わせるGLK300のみだ。
全高1658mmとSUVとしては低く設計されていることもあって乗り降りはしやすい。また走行状況に応じて減衰特性が変化する前後サスペンションや車速感応式パワーステアリングを備え、「アジリティコントロール」を採用する点もCクラスと同様。したがって目を閉じるとまるでセダンのごとき乗り味だ。SUV特有のもっさり感はない。
BMW X3や、これから日本への導入が予定されているアウディ Q5などのライバルを見渡しても、ユーザーがこの種の車に求めているのはオフロード性能ではなく、快適なオンロード性能であることは自明の理。セダンライクな乗り味は広い支持を得るはずだ。
セダンライクな乗り味は支持を得るはず
↑ステアリングは左ハンドルのみの設定となる(左)本革シートなどを備えるラグジュアリーインテリアパッケージ(34万円)(中)自動開閉テールゲートEASY-PACKもパッケージオプションに含まれる(右)
いいことばかりではなく、問題もある。実は左ハンドルのみの設定なのだ。思い起こせば先代のCクラス4マチックステーションワゴンも左ハンドルのみだった。要はこれまで台数の稼げなかったCクラスの4マチックに、イギリスや日本のためだけにコストのかかる右ハンドル仕様を用意できなかった、というのが事の真相のようだ。これはおそらく販売台数の増加とともにいずれ解決されるだろうし、個人的にはETCがあれば何ら問題ない。というかいまだ左ハンドル信仰のあるボクのような古いタイプにとっては朗報ともいえる。
しかし、もう一つ問題が。それは価格だ。“コンパクトSUV”の相場観からすれば675万円は少々お高いと感じる。しかし、そこはメルセデス、しっかりと営業トークを用意していた。
「先代のC280の4マチックが644.8万円だったのに対して、よりユーティリティ性能の高いSUVで、ミッションは7AT。ナビを含むCOMANDシステムなど最新装備も標準ですから」 たしかにBMW X3の3Lも600万円超の645万円。なるほど、この価格もさもありなんと。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | GLK300 4MATIC |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 7AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4530×1840×1685 |
ホイールベース(mm) | 2755 |
車両重量(kg) | 1860 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V6DOHC |
総排気量(cc) | 2996 |
最高出力[ps/rpm] | 231ps/6000rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 30.6kg-m/2500〜5000rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 9.0 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/66 |
車両本体価格 | 675.0万円 |
メルセデス・ベンツ GLKクラス 【ニューモデル】/試乗レポート
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 5年落ち以内が車両本体価格200万円以下から狙える! スタイリッシュな輸入車SUV4選
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- マツダ CX-8の中古車流通量が増加中! 総額250万円からの選択肢が豊富に
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
- 【名車への道】’14 BMW i8