※この記事はカーセンサー関東版25号2000年7月6日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

ハコの“マークII” はハンドリングレベルのアップで軽快なレスポンス

  • トヨタ オーパ 走り|ニューモデル試乗
  • トヨタ オーパ リアスタイル|ニューモデル試乗
↑強化されたアンダーボディにより、静粛性とハンドリングの水準がアップしている(左)ハコの後ろ姿をどう演出するかという点で、これは相当巧みなフィニッシュ(右)
これは「ユニーク」という言葉を当ててもいい新型車。セダン/RV/ワゴンといった一応のジャンル分けから、それぞれの“接点”をまとめて一台にしたといってもいいし、そんな分類とは関係なくクルマを企画したらこういうものになった、と見なすのもいい。作った側の意図というのは、どうも後者のようなのだが。

もう一つの独自性は、こうしたハコタイプのクルマは、これまではどこか実用路線的なアピールをしてきたが、その点が吹っ切れていること。そのため、かなりな“高級度”が盛られ、その意味ではミドルサイズセダンの新種と見るのが一番妥当だ。

私見では、このオーパは、ハコ界にようやく出現した“マークII”である。

シンプルなリアビューに高級度の高いインテリアも魅力

  • トヨタ オーパ インパネ|ニューモデル試乗
  • トヨタ オーパ エンジン|ニューモデル試乗
↑シフトレバーの出っ張りがちょっと気になるが、インテリアの仕上げはグッド(左)高回転での音の演出も考えると、現時点では2L D-4がベターチョイスか(右)
さて、そういうクルマなので、カッコウはこんなであっても走りは磨いてある。軽量ユニットを積む1.8Lではその傾向がさらに強く、直進からステアリングを切り始めたときのレスポンスは、ちょっと鋭すぎるほどに軽快だ。この点では、適度なしっとり感のある2Lのほうがずっと大人っぽい。

1.8Lエンジンは、高回転(4500rpm以上)でノイズの音質が変わるが、この点では回転数による変化がない2Lのほうが音の処理は巧みだ。ベースのビスタアルデオに比べ、アンダーボディの大幅な強化は、ロードノイズをほぼ聞こえなくし、ハンドリングの水準も上げている。

爛熟の(?)顔つきには好みが出そうだが、リアビューはシンプルかつ力強くまとまる。インテリアの高級度もなかなか。高いヒップポイントの設定で、乗降性と走りながらの視界も良好だ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 1.8i
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 4250×1695×1525
ホイールベース(mm) 2700
車両重量(kg) 1210
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1794
最高出力[ps/rpm] 136ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 17.4kg-m/4200rpm
10・15モード燃費(km/L) 15.0
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/60
車両本体価格 200.0万円

家村浩明の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 5点 加速性能 4点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 5点 環境対策 4点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 5点 燃費 4点
後席居住性 5点 パワー感 4点 高速安定性 5点 ステータス 5点
内装の質感 5点 トルク感 4点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 92/100
(Tester/家村 浩明 Photo/渡邉 英昭)