トヨタ プリウスプロトタイプは次世代を望む1台である
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
タグ:
2015/11/20
次世代を見据えた4代目プリウス
新しいトヨタ プリウスのプロトタイプに乗る機会を得た。プロトタイプとはいっても見た目と触れた印象はもう量産車である。試乗コースが富士スピードウェイのショートサーキットと施設内の連絡道路のみのため燃費については不明だがご承知願いたい。
まずはショートサーキットにて、現行型と新型それぞれに試乗した。新型に乗るとすぐに全くと言っていいほど違う車だということがわかる。最も違うのはシャシーである。満を持して登場した次世代プラットフォーム“TNGA”(Toyota New Global Architecture)はドライビングポジション、エンジン搭載位置、環境などを踏まえて生み出されたプラットフォームだ。同時に軽量と高剛性、生産性にも力を入れて作られなければ新しい意味はない。だからこそ次世代を見据えて作られたプリウスにはぴったりなのだ。
ヘルメットをかぶって乗り込んだのだが、現行型は頭が天井に触れるのに対して新型は何も意識せずに乗り込めた。ヒップポイントが低いのだ。低重心とうたっていることが理解できる。サーキット走行なので少しハードに走らせたが、現行型とは違い重心は低くサスペンションがよく動く。
サーキットの縁石に片足を乗り越えながら走らせたが、うまくいなしてサスペンションが吸収する。そこでのボディのバイブレーションは一切感じない。アンダーフレームだけではなくボディ全体の剛性も万全だ。その結果、ステアリングの舵角を修正せずにコーナーを抜けられるポテンシャルをもっている。しかもタイヤサイズは17インチ仕様でホイールガードが装着されているサイドウォールの硬いタイヤが採用されていた。タイヤではなくサスペンションで吸収する意図が読み取れる。
ストレートでは時速100kmを超えるところまで出してみた。これも現行型とは比べものにならないほどに静粛性が高い。ウインドウまわりの風切り音がかなりのレベルで抑えられている。ガラスをたたくと、ラミネーテッドガラスを採用しているのがわかる。これは高級車に使われる合わせガラスである。出来映えはかなり良い。市街地を想定して連絡道路を走行した際もやはりとても良い。思わずレコードラインを描きたくなるハンドリングである。
次に試乗したのが15インチ仕様だ。普及版の新型である。ダンパーの収まりが17インチモデルに比べると若干性能は劣るが、現行モデルと比べると極めて良好だ。ラミネーテッドガラスではないだけに風切り音とエンジンノイズが気になった。
連絡道路のみの試乗であったが電気式の四輪駆動も試乗した。前後のトルク分散ができるような走り方をしてみたところインジケーターで確認しないとわからないほど自然だ。コーナリングで加速をするとE-Fourの動力を得て車体の安定化が図られる。実際に滑りやすい路面で試さないとなんとも言えないが、トラクションを得られることへの安心感はないはずがない。走った印象はリアに重みを感じるために加減速での車体の姿勢変化が大きい。ちなみにE-Fourは15インチモデルのみであった。リアのサスペンション形式も変更してますますバリエーションが増え、新たなモデルへの移行も期待される。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:-■乗車定員:5名
■パワートレイン:直4DOHC+モーター ■総排気量:1797cc
■最高出力:エンジン 72(98)/5200[kW(ps)/rpm] + モーター 53(72)[kW(ps)]
■最大トルク:エンジン 142(14.5)/3600[N・m(kgf・m)/rpm]+ モーター 163(16.6)[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF
■全長×全幅×全高:4540×1760×1470(mm) ■ホイールベース:2700mm
■車両重量:-
■JC08モード燃費:-
■車両本体価格:-