新型トヨタ シエンタは多人数で快適に移動できる新世代ミニバンだ
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
タグ:
2015/09/18
運転席でも2列目でも乗り心地は良好
柔らかな雰囲気でファミリー層に人気だった初代シエンタから12年。ついに新型が登場した。基本コンセプトは継承しているものの、デザインはチャレンジング。車種数が多いトヨタでなければできないことだろう。
まず新しく設定されたハイブリッドモデルに試乗する。モーターのみで駆動するEV走行を積極的に使い、走り出しは極めてなめらか。驚いたのは公道に出る際の段差のいなし方だ。というのも、あまりにもソフトなのだ。
サスペンションは低速から細かく動き、衝撃を素早く吸収している。ハイブリッドGの15インチ仕様と16インチ仕様を乗り比べてみても差はなかったので、衝撃の伝わり方をタイヤではなくサスペンションで上手くコントロールしているということなのだろう。フラットライドが目指され、バッテリーやシステムの低重心化によりロールも抑えられている。
ファミリー層向けの車ということで、後部席の乗り心地も確認した。車高の高い車によく合うシャシーのセッティングで、段差を乗り越える際のバイブレーションもよく抑えられていた。また車内の空気の流れが良いため、2列目でもエアコンがよく効き、快適だったのも印象的だった。
次にガソリンモデルに乗る。走り出しは必要以上のトルクが抑えられている。エンジンのトルクを上げると燃費性能が悪くなるからだ。しかし抑えられた分はCVTで補っている。よりトルクを発生するよう調整することで、発進や加速を後押ししているのだ。結果として発進から中速域までは軽快。乗り心地も良かった。
ただ、走りの質はハイブリッドに比べると若干だが落ちる。特にリアのサスペンションに落ち着きがなく時折発生するバイブレーションも気になった。
ハイブリッドとガソリンモデルで多少の違いがあり、またデザインは好き嫌いが分かれるかもしれないが、多人数で快適に移動する車として評価できる1台だった。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:ハイブリッドG ■乗車定員:7名
■エンジン種類:直4DOHC+モーター ■総排気量:1496cc
■最高出力:54(74)/4800[kW(ps)/rpm]+45(61)[kW(ps)]
■最大トルク:111(11.3)/3600~4400[N・m(kgf・m)/rpm]+169(17.2)[N・m(kgf・m)]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:4235×1695×1675(mm) ■ホイールベース:2750mm
■車両重量:1380kg
■JC08モード燃費:27.2km/L
■車両本体価格:232万9855円(税込)
■グレード:ガソリンG ■乗車定員:6名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1496cc
■最高出力:76(103)/6000[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:132(13.5)/4400[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:4235×1695×1695(mm) ■ホイールベース:2750mm
■車両重量:1380kg
■JC08モード燃費:15.4km/L
■車両本体価格:212万1709円(税込)
■グレード:ガソリンX “V Package” ■乗車定員:7名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1496cc
■最高出力:80(109)/6000[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:136(13.9)/4400[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:4235×1695×1675(mm) ■ホイールベース:2750mm
■車両重量:1310kg
■JC08モード燃費:20.6km/L
■車両本体価格:168万9709円(税込)