まるで頑丈な厚板に乗っているようなどっしりとした乗り心地

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コンセプト

アクティブツールを満載して遊ぶ車

日本のピックアップトラックの雄、トヨタハイラックスがマイナーチェンジを受けた。カタログには「自分らしさの世界を広げるクールなパートナー」とあるが、どんな使い方が正しいのか評価が難しいところだ。

アメリカでは大変人気の高いピックアップだが、昨年、日本でのハイラックスの販売台数はトータルで3000台程度。ミニバンやトールワゴンに比べてスペースユーティリティや快適性は明らかに劣るし、まずリアデッキの使い方が思いつかない。ジェットスキーやダイビング道具などかさ張り、汚れたり濡れたりするものを積むには便利だろうが、普段の生活の中でピックアップを100%使いこなすには相当のスマートさと割り切りが必要だ。ピックアッ プはタフさが身上。頑丈なアクティブツールだ。
室内&荷室空間

意外に苦じゃないエクストラキャブ

ボディタイプは簡易リアシートの付いた2ドアのエクストラキャブと4ドアのダブルキャブ。2WDと4WDが選べるが2WDモデルにダブルキャブの設定はない。

試乗車は2WDエクストラキャブ。前席スペースは十分広く、ミニバンと違い足を投げ出すような座り方になるが、違和感はない。 また2by2のような後席も想像以上に実用性が高く、180cmクラスのドライバーが座っても短時間ならば定員乗車も苦ではない。

デッキ部はタイヤハウスの出っ張りが気になるが最高幅で1450mm、長さは1855mmもあり、かなり大きい。日本では荷台に乗車することは原則的に禁止されているが、趣味の移動ツールにするとかフリーマーケットに出かけるとか用途は多彩である。
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ドライブフィール

アクセルレスポンスは決して良いとはいえない

乗り味は一言で言えばトラック。ボディはトヨタお得意の衝突安全ボディGOAなのだが、高剛性ボディの囲まれ感というより頑丈な厚板に乗っているような感覚。ホイールベースが3085mmもあるので直進安定性は良いものの小回りが利かない。ハンドルを「えいやっ!」と切ってからじわじわと回頭する雰囲気だ。

2WDは110psの2Lガソリンエンジンしか選べない。うるさくはないがアクセルレスポンスは決していいとは言えず、街中のストップ&ゴーではかなり気合を入れてアクセルを踏み込むことを求められる。4WDにはトルク19.5kg-mの3Lディーゼルエンジンや145psの2.7Lガソリンエンジンが選べる。軽量な2WDにこそビッグエンジンを搭載してほしいところだ。
こんな人にオススメ
普通の車にはない「タフさ」が一番の魅力なので、サーファーなどマリンスポーツ系にはドンピシャなチョイスだと思ったのだが、この2WDでも167.1万円と高め。最上級の4WDダブルキャブは254.8万円もする。選択肢の多い価格帯だけにオススメは難しい。
SPECIFICATIONS
グレード エクストラキャブ
駆動方式 FR
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 5035 x 1700 x 1630
ホイールベース(mm) 3085
車両重量(kg) 1390
乗車定員 5人
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力 81kW(110ps)/ 5200rpm
最大トルク 167N・m(17.0kg-m)/2600rpm
車両本体価格 167.1万円
写真:桜井健雄 文:堀江史朗(本誌)