オープンデッキ化がもたらした、実用性と走行性能のアップ

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コンセプト

見た目ユニーク+実際使えるスンバラしぃ車

スンバラしぃですこの車。なにがスバラしいってその“文武両道的コンセプト”が。今、俺がもってるプジョー206CCもそうなんだけど、楽しくオシャレなだけでなく「使える」のだ。昔はオープンカーにせよ、奇抜なアイデアの企画車にせよ、面白いけど「それだけ」なのが多かった。

ところがどっこいbBオープンデッキは見た目がユニークなうえ、「使える」。単純に室内が広いだけでなく、荷室は完全セパレートで外に出てるから汚し放題。なんちゅーか、見た目と実用性を今までにない次元で両立させているのだ。今やアイドルでさえカワイイだけじゃ売れない時代。ルックス+サムシングエルスがなければ生き残れないのである。これぞ21世紀の車だ!と俺は思った。
室内&荷室空間

ヴィッツレベルの後席へは大開口の観音開きドアで

室内は想像以上に広い。トランクを外に出した分、室内空間はノーマルbBより狭いんだけど、それでも後席はヴィッツレベルの広さ。だいたいbB自体、このテの車にしては広かったもんね。唯一、後席の背もたれが立ってて窮屈だけど、同じように狭いファミレスのシートに慣れた最近の若人なら問題ないはず。

それよりなにより予想外に便利なのが観音開きドア。俺はよく、車に乗る時、後席に荷物を載せるのだが、そういう時にやたら便利。それから例の外に出したトランク部=「オープンデッキ」は広さはそこそこだけど鉄板むき出しなうえ、ゴムシートを敷いてあるから汚し放題で○。この点、「洗える荷室」がウリの日産エクストレイルより上だと思いました。
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ドライブフィール

軽くて、剛性が高いぶん普通のbBよりも走り良し

乗った感じは「マトモ」のひとこと。この手の企画車にありがちなツメの甘さは皆無で、乗り心地、速さともに申し分なし。って言うかノーマルbBよりも上!

理由は明快でノーマルbBと違い、後席のすぐ後ろでボディが結合してるからボディ剛性的に有利。すると乗り心地はよくなる。さらに剛性が高いとボディの補強材が減らせ、ついでにトランク部に屋根がないぶん、重量はノーマルより10~20kgほど軽い。加えてこのオープンデッキは、ハイパワーな1.5Lエンジン専用グレードだからノーマルより加速がいい。こと走りに限って言えば、文句のつけようのない車なのだ。

とはいえ車高は高く、スポーツカーのようなキビキビ感は無論なし。普通に不満のない車です。
こんな人にオススメ
「目立ちたがり屋」か「無神経な人」にオススメ。というのも見た目にカワイクかつ実用的に十分、誰が買ってもいいからだ。唯一の問題は「ユニークすぎる」こと。車に乗って目立つことを「楽しめる」か「気にしない」人じゃないとキツイかもね。具体的には汚れ物の多い釣り人に向いてるかも。
SPECIFICATIONS
グレード 1.5
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 3895 x 1690 x 1670
ホイールベース(mm) 2500
車両重量(kg) 1020
乗車定員 5人
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1496
最高出力 81kW(110ps)/6000rpm
最大トルク 143N・m(14.6kg-m)/4200rpm
車両本体価格 169万円
写真:渡邉英昭 文:小沢コージ