スパにおけるポルシェ911 RSRの新しいドライバーの組み合わせ
カテゴリー: ポルシェのニュース
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2015/04/14
日本. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)のポルシェ・チーム・マンタイは、5月2日にスパ・フランコルシャンで開催される世界耐久選手権(WEC)第2戦と、チュードル・ユナイテッド・スポーツカー選手権(USCC)のラグナセカ戦が同時期に開催されるため、通常とは異なるドライバーの組み合わせでスパ・フランコルシャン6時間レースに参戦します。
最高出力470PSを発生するポルシェ911 RSR(92号車)ではポルシェ ワークスドライバーのフレデリック・マコヴィッキ(フランス)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組がコンビを組みます。もう1台の911 RSR(91号車)ではポルシェ ジュニアのスヴェン・ミューラー(ドイツ)とケヴィン・エストル(フランス)組がアルデンヌの過酷なサーキットでWECデビューを飾ります。
WEC開幕戦のシルバーストーンを戦ったポルシェ ワークスドライバーのミカエル・クリステンセン(デンマーク)/パトリック・ピレ(フランス)組は、ポルシェノースアメリカから911 RSRを駆りラグナセカ戦に出場します。スパとル・マン24時間レースでは、アール・バンバー(ニュージーランド)とニック・タンディ(英国)が、ポルシェ チームのF1ドライバー、ニコ・ヒュルケンベルグとともに3台目のポルシェ919ハイブリッドを駆ります。
「2大陸で2つの重要なレースが1週間内に開催されることは、コックピットの組み合わせで柔軟な対応策が必要となる例外的な状況といえます。幸い、私たちの周りには世界中のカレラカップで十分に訓練を積んだレーシングドライバーがたくさんいるので、このような場合には彼らに頼ることができます。スヴェン・ミューラーは、堅実なパフォーマンスによって、911 RSRで世界最高のスポーツカーパイロットに挑戦するチャンスを得ました。彼のステップアップは、ポルシェの若手育成プログラムの成功例であるだけでなく、若いドライバーのための出発点としてのポルシェのワンメイクシリーズの重要性も明確に示しています。これは、ポルシェが、真に高速で走る人々に対してあらゆる門戸を開いているということを例証しています」とポルシェのモータースポーツ部門責任者であるフランク=シュテッフェン・バリサー博士は話しています。
「僕にとっては夢の実現です。ル・カステレのプレシーズンテストで初めて911 RSRに乗ったとき、緊張しましたが、すぐに治まりました。ポルシェ チーム・マンタイは僕をすごく歓迎してくれました。911 RSRのステアリングを握った初めてのラップは、夢のような体験になりました。スパでのレースが本当に楽しみです」と、ポルシェ カレラカップ ドイツの昨年の新人王でポルシェ・モービル1スーパーカップ・モンツァ戦の覇者であるスヴェン・ミューラーは話しています。
ケヴィン・エストルもポルシェ ブランド・トロフィーシリーズでモータースポーツのキャリアを積んでいます。2011年にカレラカップ フランスで優勝し、その年のポルシェ・モービル1スーパーカップでは新人王となりました。2013年には、カレラカップ ドイツのタイトルも獲得しています。「ポルシェのワンメイクカップが、プロレースのキャリアのための道を開いてくれました。今回、ポルシェ チーム・マンタイが、WECのスパ戦で911 RSRのドライバーとして僕を選んでくれたのは本当に嬉しいことです。レギュラードライバーの代理として完璧な仕事をして、このすばらしいサーキットでポルシェのためにできるだけ多くのポイントを稼ぐことが目標です」とドイツ在住のケヴィンは話しています。
ポルシェのドライバー
911 RSR 91号車のスヴェン・ミューラー/ケヴィン・エストル組に加え、ワークスドライバーのフレデリック・マコヴィッキ(フランス)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組が、ポルシェ911 RSR 92号車を駆りポルシェ チーム・マンタイからスパのGTE-Proクラスに出場します。GTE-Amクラスでは、米国の俳優でレーシングドライバーのパトリック・デンプシーがポルシェ ワークスドライバーのパトリック・ロング(米国)およびマルコ・ゼーフリート(オーストリア)とともに、デンプシー・プロトン・レーシングカスターマーチームから911 RSRで出場します。アブダビ・プロトン・レーシングカスタマーチームからは、クリスティアン・リード(ドイツ)、ハーリド・アルクバイシ(アブダビ)、そして元ポルシェ ジュニアのクラウス・バッハラー(オーストリア)の組が911 RSRを駆ります。前年のGTE-Proクラスのホモロゲーション車両のみが、GTE-Amへの出場資格を有します。
ポルシェ911 RSR
ポルシェ911 RSRは、スポーツカーのアイコンであるポルシェ911の第7世代をベースにしています。車両の開発とレース出場で得られた知識は、将来の911に直接組み込まれます。3995ccの6気筒水平対向エンジンをリアに搭載したこのヴァイザッハ製レーシングカーは、最高出力345kW(470PS)を発生し、2013年のデビューシーズンに、ル・マン24時間レースで驚異的なワンツー・フィニッシュを飾りました。昨年は、米国の最も有名なロングディスタンス・クラシックであるデイトナ24時間レース、セブリング12時間レース、およびプチ・ル・マンで優勝しました。WECのシルバーストーンと上海でも、911 RSRに勝利がもたらされました。2015年シーズンのために冬に改良を加えた911 RSRは、軽量構造と優れたエアロダイナミクスを備えます。見直されたフロントのエアロダイナミクスと最適化されたサスペンションが、バランスを高め限界域における操縦性を改善します。
レース前のコメント
GTワークスモータースポーツの総合プロジェクトマネージャーであるマルコ・ウジュハシのコメント:「この過酷なサーキットでは、車のセットアップが特に重要です。タイヤの磨耗を最低限に抑えるために最善の譲歩策を見つけた者が、決め手となる強みを得ます。スヴェン・ミューラーは、若いながらすぐれた訓練を積んだレーシングドライバーです。ル・カステレのプロローグでは、早々とチームに打ち解けました。経験豊かなドライバーたちが、セットアップでサポートし、テクニカルなサーキットにできるだけ早く慣れることを助けます。さらに、傍らにはケヴィン・エストルという経験豊富なチームメイトも控えています。」
フレデリック・マコヴィッキ(ポルシェ911 RSR #92)のコメント:「スパは常にレースカレンダーのハイライトです。オー・ルージュだけでなく、すべてが素晴らしいサーキットです。スパでは必ず雨を予測しなければなりません。しかし、それだけにいっそう面白くエキサイティングでもあります。」
リヒャルト・リーツ(ポルシェ911 RSR #92)のコメント:「昨年はスパに出場できなかったので、このすばらしいサーキットのスピードに慣れるまで数周を要すると思います。スパは間違いなく僕の好きなサーキットのひとつです。長くて極めて難易度が高く、真のドライバーのためのサーキットです。レースが楽しみですね。」