ドリフト始めたいけど定番の“シルビア”は予算が合わない……ならその半額で狙えるモデルはいかが?
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / 日産 / マツダ / MT / FR / サーキット / フェアレディZ / スカイラインクーペ / RX-8 / スカイライン / アルテッツァ / 小鮒康一
2020/05/07
ドリフトは大人気の競技! やってみたい人にオススメな車種
自動車の後輪を滑らせて走行するドリフトは、昔からコンテスト競技としても親しまれてきましたが、最近ではJAF(日本自動車連盟)やFIA(国際自動車連盟)の公認競技にもなり、れっきとしたモータースポーツの1ジャンルにまで発展しています。
さすがに大会に出場して上位に入賞する、というのは難しいにしても、サーキットで車両をフィギュアスケートのように自由自在にコントロールできるようになりたい! と考える人はいることでしょう。
しかし、ドリフト車ベースの定番ともいえるシルビアやマークII3兄弟、RX-7などは後継車種が存在しないこともあって高値安定。150万~200万円がボリュームゾーンとなってしまっています。
さすがにこれからドリフトを始めてみようと考える人にとって、この金額はなかなかシビれる額でしょう。
そこで今回は、その半額“総額75万円”で狙えるMTの後輪駆動車をピックアップしてみました。もちろん、購入後のチューニングパーツの豊富さも考慮しておりますよ!
※公道でのドリフト走行は違法行為です。必ずサーキットなどの許可された場所で楽しみましょう
日産 フェアレディZ(Z33型)&スカイライン(V35型)
300ps級のポテンシャルをもつ日産の名機、VQ35型エンジンを搭載するフェアレディZと、同じエンジン&プラットフォームをもつV35系スカイラインはオススメしたいFR車のひとつです。
3.5Lという大排気量が自動車税的にややネックとなりますが、大排気量NAエンジンは扱いやすく、ドリフトコントロールを学ぶうえでもってこいと言えるでしょう。アフターパーツも豊富なのが嬉しいところ。
スカイラインはクーペの他、4ドアセダンにもモデル途中でMTモデルが追加されており、価格では3車種の中で一番お手ごろ。中古車の台数的には一番少なくなりますが、4ドアならではの室内空間の広さで、ドリフト練習に持っていきたいスペアタイヤや工具類を搭載しやすいというメリットもありますね。
価格では総額40万円台から見つけることができ、中には10万km以下の個体もチラホラ。台数的にはフェアレディZ>スカイラインクーペ>スカイラインセダンとなり、価格はその逆という感じです。
あまり手の加えられた個体は少なめですが、どれも純正でビスカスLSDが備わっているので、まずはノーマルに近い状態で練習するのもアリかもしれません。
トヨタ アルテッツァ(初代)
1998年に登場したトヨタのスポーツセダンであるアルテッツァ。登場前にはなぜか4ドアセダンにも関わらず“AE86の再来”ともてはやされた結果、ユーザーの期待値だけが爆上がりして勝手に残念作の烙印を押されてしまった不遇の車種です。
しかし、冷静に考えると前後オーバーハングを切り詰めたボディディメンションや、RS200に搭載された2Lながら210psを発生させる3S-GE型エンジンに6速MTの組み合わせなど、純然たるスポーツセダンとしてみればなかなかのポテンシャルをもったモデルだったのです。
確かにターボで武装した車種に比べればローパワーですが、馬力に任せたパワースライドよりも、非力ながら腕でカバーしながらスライドを維持する方がドラテク向上には向いているハズ。そう考えるとドライバーを育てるという意味では、AE86の再来というのもあながち間違っていなかったのかもしれません?
そんなアルテッツァはRS200のMTに絞っても、100台以上がヒットするタマ数の豊富さ。安い個体は総額30万円台から存在しますが、さすがに20万km目前といった過走行車が目立ちます。
また、カスタマイズされた個体が多く、装着されているパーツによっても価格が上下するので、見極めが大切です。
特に車高調などは消耗パーツでもあるので、ヘタっているかどうか判断できないと、無駄になってしまうこともあるので、判断が難しい場合はノーマルに近い個体の狙うのも選択肢のひとつです。
マツダ RX-8(初代)
現在のところ、マツダが販売した最後のロータリーエンジン搭載車であるRX-8。ターボエンジンを搭載していたRX-7に対しNAエンジンとなったRX-8は、いまだに相場が大きく上がることもなく比較的買いやすい価格帯を維持しているモデルとなっています。
搭載されるエンジンは、210psを発生するベースグレードのものと、250psを発生するタイプS(MC後は235ps)の2種類で、前者は5速MT、後者は6速MTが組み合わされますが、安い個体の中で見ると、ベースグレードもタイプSもあまり価格差がないのが特徴です。
RX-8のMT車で検索すると全国で300台以上がヒットしますが、ほぼすべてが前期型。安いものでは総額40万円台から見つかりますが、RX-8は過去のオーナーのメンテナンスによってエンジンの状態に大きく違いが出てきてしまい、走行距離があまり目安にならないという点に注意したいところ。最低でも、各気筒の圧縮測定を実施している専門知識をもったお店で選びたいところです。
ということで、今回は比較的安価に狙うことができるドリフトの練習に使える後輪駆動のMT車をピックアップしてみました。
ドリフトというとハードなチューニングが必要なイメージがあるかもしれませんが、低い速度で車を滑らせてコントロールするのであれば、フルノーマルでも十分なのです。
練習もいきなりサーキットでの走行をするのではなく、「ドリフト練習会」などのキーワードで検索すると、サーキットの広場などを使ってレクチャーしてくれるようなものがヒットしますので、そこから始めるのがいいでしょう。
そのためにも車を買ったら練習会に参加できるように、ヘルメットやグローブなどを購入するといいかもしれませんね。
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
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