新型登場まで待てない! 今でも高い人気を維持するスポーティクーペ、シルビアを要チェック!
2017/11/03
新型待望論は根強いが……
手頃な価格で購入できてFRレイアウト、そして比較的ハイパワーなエンジンに大きすぎないボディという組み合わせで今でも多くのファンが存在する日産 シルビア。しかし、2002年の最終モデルで生産を終えており、どんなに新しい個体でも15年が経過しています。
過去に「シルビア後継モデルか!?」と注目されたコンセプトモデルがモーターショーに登場したことはありましたが、そのいずれも残念ながら市販には至っておりません。今回の東京モーターショーでも新型の噂がありましたが、結局登場せずに終わってしまいました。
そこで、今回はいつ出るか分からない新型を待っていられないアナタのために、歴代のシルビアをドドンとチェックしちゃいましょう。
シルビアの歴史は、1965年に登場した初代から2002年に終了したモデルの計7世代が存在しますが、今回は中でも人気の高い5代目S13型~7代目S15型までの3世代に絞って紹介します!
日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞したスペシャリティクーペ S13型(1988~93年)
シルビアは過去にもモデルチェンジのタイミングで大きく変貌を遂げてきましたが、この代でも大きく姿を変えました。先代で採用されていたリトラクタブルヘッドライトをすっぱりと捨て、ボディタイプも3ドアハッチバックを廃止、独立したトランクを持つ2ドアクーペスタイル一本となりました。
それまで複数あったエンジンラインナップも、直列4気筒DOHCのCA型(1809cc)1機種に絞り、それのターボ仕様とNA仕様にそれぞれMTとATが用意されるというシンプルなものになりました。1991年にはエンジンを1998ccのSR型エンジンに換装し、それに伴いNA仕様で5馬力、ターボに至っては30馬力もの大幅なパワーアップに成功しています。
グレード体系もシンプルになり、ターボ仕様の「K’s」、NA仕様の「Q’s」と装備を簡略化した廉価仕様「J’s」の3つがベースとなっている他、デビューから2ヵ月後にオーテックジャパンが手掛けた「コンバーチブル」が追加されていますが、これはベース車比+120万円の325.2万円という高額モデルでした。
そんなS13型シルビアの相場ですが、やはりターボのMTが圧倒的に人気。そして、社外パーツが装着されている率がとても高く、どんなパーツが付いているのかによって価格が大きく上下しています。また、そのキャラクターから、修復歴のある個体が半数近くとなっています。そのため、相場が読みにくいのが正直なところですが、総額で70万円~というのがスタート地点といった感じで、人気の高さが伺えます。
3ナンバー化が裏目に出た悲運のモデル S14型(1993~98年)
プラットフォームは先代のものをキャリーオーバーしているものの、先代で指摘された弱い部分などをしっかり改良して登場したS14型シルビア。車としての完成度は先代よりも確実にアップしていたものの、丸みを帯びたデザインと3ナンバーサイズになってしまった全幅により「肥大化した」と思われてしまい、販売面では苦戦することに……。
1996年には、一転してシャープな印象のフロントマスクへとマイナーチェンジが行われました。やや人気を盛り返すものの、結局先代の販売台数を上回ることができずに生産を終了することになります。S14型にはコンバーチブルは設定されませんでしたが、ニスモが手掛け30台限定で販売された「270R」(前期型ベース)や、オーテックジャパンが手掛けた「オーテックバージョン K’s MF-T」(後期型ベース・受注生産)など、よりスポーティなチューニングが施されたコンプリートカーが存在しています。
S14型シルビアの中古車はS13型より年式が新しいからかタマ数が多めで、NAモデルであれば総額50万円~、ターボでも70万円~がスタート価格。こちらもチューニングの度合いや程度の良さで価格が大きく異なってきます。
排出ガス規制の影響で短命に終わった最終モデル S15型(1999~2002年)
3ナンバーサイズになった先代が販売面で苦戦したことから、再び5ナンバーサイズへと戻ったS15型シルビア。プラットフォームは引き続きキャリーオーバーですが、もはや熟成の域に達したと言えるでしょう。デザインは比較的好評だったS14型後期のシャープなイメージを継承し、スピード感あふれる彫刻的フォルムと自称していました。
ラインナップは引き続きNAとターボの2種類ですが、ターボモデルが「スペックR」、NAモデルが「スペックS」と、グレード名を改め、ターボには6速MTが初めて設定されました。
オーテックジャパンからはスペックSをベースにチューニングを施し、6速MTを採用した「オーテックバージョン」や、S13型以来のオープンモデルとなる「ヴァリエッタ」がリリースされました。ヴァリエッタは電動メタルルーフを備えた4座オープンで、シルビアに新たな魅力を与えたモデルでした。
しかし、2000年に施行された平成12年排出ガス規制の影響で2002年8月をもって生産を終了。1999年1月の登場からわずか3年7ヶ月でS15型シルビアは幕を閉じることになってしまったのです。 とはいえ、まだ比較的年式が新しいS15型なので、S14型の2~3倍くらいのタマ数が存在しており、NAのATであれば総額40万円~狙うことができます。一方、ターボモデルは人気が高いこともあって90万円くらいからとなかなか高値安定。走行距離が少ないものになると新車以上の価格が付けられているものも存在します。
S13型シルビアの兄弟車ながら長寿モデルとなった 180SX(1989~98年)
シルビアを語るうえで外すことができないのが、S13型シルビアの兄弟車「180SX」です。プラットフォームは共通ながら、テールゲートを持つハッチバックボディにリトラクタブルヘッドライトを持つ同車は、S13型シルビアのおよそ1年遅れで登場しました。
当初はターボのみで、エンジンは車名のとおり1.8リッターのCA型エンジン。91年のマイナーチェンジでシルビアと同じく2リッターになりましたが、車名はそのままというちぐはぐな形に。海外ではシルビアが200SXという車名で販売される地域があったからかもしれません。
1993年にシルビアはS14型になりますが、3ナンバー化で販売不振に陥ったからか180SXは継続販売がなされ、96年には初めてNAモデルが追加されるなど、何度か改良を受けながら98年まで生産が続けられました。
そんな180SXは、ターボモデルがメインということもあり、総額では80万円~といった状況。こちらもチューニングが施された車両とフルノーマル低走行車両が高値となっています。
シルビア/180SXを狙うにはどこに注意するべきか
まず、シルビア/180SXを狙うときにハッキリさせておきたいのが、「チューニングを施してスポーツ走行を楽しみたい」のか、「程度の良い個体をノーマルに近い状態でキレイに維持したい」のかという点。一時期はスポーツ走行を楽しむためのベースだった同車も、今ではノーマル状態が評価されるコレクターズアイテムの側面も出てきているため、購入してからどうするのかをイメージして車両を選びたいところです。
サーキットなどでスポーツ走行を楽しむために探す場合も、チューニングパーツが豊富に付いているからお買い得とは限りません。すでにパーツとしての寿命を迎えているものが付いていたり、販売店がどんなパーツが付いているのかを把握しきれていなかったりする場合は、これらが悪さをする可能性も……。そのため、販売店スタッフとしっかり話をすることが大切です。
また、車両の性格上、修復歴のある車両が多めですが、ダメというわけではありません。しっかり直っているのかどうかが重要です。そのため、できれば実際に試乗をしてみるのがベストです。車に詳しくなくても、問題のある車両は何とも言えない違和感を覚えるもの。自分の感覚を信じて、いろいろな車をチェックしてベストの1台を探してみてください!
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