▲2003年東京モーターショーで披露したマツダRENESIS水素ロータリーエンジン! オニギリ型のローターが回ることで動力を生み出す ▲2003年東京モーターショーで披露したマツダRENESIS水素ロータリーエンジン! オニギリ型のローターが回ることで動力を生み出す

RX-8はロータリーエンジンに拘る訳がある

マツダが誇る4ドアスポーツカーRX-8! 人気を博したRX-7の後継として登場したのは2003年のこと。ロータリーエンジン、一度はそのエンジンの名前を聞いたことがあると思いますが、その特徴をいかんなく発揮している車となっています。

観音開きのドアということで話題となりましたが、なんといっても特徴的なのはエンジンの利点を生かして設計された室内空間の広さだと思います。スポーツカーによくある、とりあえず付いているだけの後部座席ではなく、ちゃんと座れる後部座席があり、走りも見た目もしっかりとスポーツカーであるということは稀有なことです。

これを実現させているのが、ロータリーエンジン! その特徴は大きく分けて2つあります。1つはエンジンのパワーです。円運動をそのまま回転運動として駆動力に伝えられるので、高回転までストレスなく吹け上がり、なおかつ力強い馬力を炸裂させることができます。もう1つは、コンパクトかつ軽量であること。ピストン運動をさせる必要がないので、エンジンそのものをとても小さく作ることができます。

結果、小さな排気量で大きなパワーを生み出し、小型化によりエンジン位置を低く車の中心に配置することを可能とし、軽量なのに走行安定性を飛躍的にアップさせることに成功させています。特に、真のフロントミッドシップといわれるエンジン配置は、コーナーリングでその威力をいかんなく発揮しており、車を意のままに操ることを実現させています。

▲RX-8のロータリーエンジン。小型軽量のためエンジン位置を低くすることを可能にしています ▲RX-8のロータリーエンジン。小型軽量のためエンジン位置を低くすることを可能にしています
▲観音開きの扉。前列を倒さなくても後部座席へも乗り降りすることができます ▲観音開きの扉。前列を倒さなくても後部座席へも乗り降りすることができます

家族全員で楽しめるスポーツカーRX-8は総額50万円~狙える

スポーツカーはより走りを良くするためにエンジンスペックを強化し、その他の部分を軽量化しています。さらに、空力を良くするために低重心にし、室内空間を狭くしています。しかし、2人乗りが限界ではお子様がいたりすると生活はしづらくなってしまいますよね!? そのせいで、家族を持つ方にとってはスポーツカーが選択肢から外れてしまうケースをよく耳にします。

速くて4人乗りということであれば、インプレッサ2代目やランエボなどのラリーカーであったり、シビックタイプRやアルテッツァなどのスポーツセダンも選択肢としてはあると思いますが、ザ・スポーツカーでイメージするような、全高が低く流線型で伸びやかなボディによるスポーティな見た目とは、少し違うように感じてしまいます。

そういった意味で、スポーツカーならではの走りとカタチをそのままに、家族使いも可能にしたのがRX-8なのです。コンパクトなロータリーエンジンを軸に、走りと普通に座れる後部座席を確保しました。実際、4人乗りと記載のあるトヨタ 86と比べると、その差は室内長が15cm以上。たった15cm? と思う方もいるかとも思いますが、これがかなり大きいです。座った状態では、膝から15cmで太ももの半分近くまで……とても大きな違いとなります。

燃費はスポーツカーなので今はやりのプリウスなどと比べると目も当てられませんが、RX-7よりも格段に向上しており、平均で8km/Lぐらいというクチコミもあります。これは、従来のターボからNA(自然吸気)に変更した効果も大きいようです。さらにNAにしたことで、伸びやかでストレスなくレブリミット(エンジンの回転数上限)まで回転する、よりロータリーエンジンの旨みを引き出したエンジンとなりました。この進化したロータリーエンジンならではのスムーズな加速音は、一度体感すると病み付きになってしまうかもしれません。※カーセンサーネットのクチコミより

▲スポーツカーとは思えない広々とした室内空間。家族4人でも乗車可能な設計 ▲スポーツカーとは思えない広々とした室内空間。家族4人でも乗車可能な設計
 

ミッションはMT、AT2種類から選ぶことができ、主なグレードはベースモデルか上級のタイプE(AT)、タイプS(MT)となっています。グレードによる最も大きな違いは最高出力で、タイプSが前期型で184~174kw、その他は158~154kwとなっていますが、加速性能も重要だ! という人以外は、グレードよりもお気に入りのオプションを優先した方がよいと思います。

そんなRX-8の価格は生産中止から4年たっていることもあり、かなりお求めやすくなってきています。走行距離5万km以内で絞っても7月1日時点のカーセンサーネットに150台以上あり、最安値は総額で50万円~、他にも100万円以内で買えるものも多くあります。MTとATの比率も半々ぐらいなので、誰でも乗れるようにATという場合も、せっかくだからMTという場合も自分にあった1台を選ぶことができそうです。

今更ですが、RX-8は昨年度のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた車です。詳細はリンクで確認してほしいですが、これは1年通してカーセンサーで反響の多かった車に与えられるものなので、カスタマーからも注目を浴びていることは間違いありません。クチコミを見てみても、スポーツカーながら「ファミリー使いも可能」という文面が見て取れます。ホントはスポーツカーに乗りたかったけど家族がいるからと諦めていた方、一度試してみてはいかがでしょうか!?

▲ロータリーエンジンという事を鑑みなくても圧倒的な存在感があるRX-8 ▲ロータリーエンジンという事を鑑みなくても圧倒的な存在感があるRX-8
text/編集部
photo/尾形和美・マツダ