▲マツダのコンパクトハッチバック、デミオ。CX-5からはじまるスカイアクティブ技術とデザインテーマ「魂動(こどう)」が全面的に採用されている ▲マツダのコンパクトハッチバック、デミオ。CX-5からはじまるスカイアクティブ技術とデザインテーマ「魂動(こどう)」が全面的に採用されています

若者人気が上昇中のマツダ車

自動車メディアの編集をしていると、プライベートでも車について相談されることが多々あります。一応、20代の筆者ですが、最近特に多いのが「ほら、アレ。日本車でカッコいいアレ!」という超ザックリな質問からはじまる相談。

“アレ”って何を指すか分りますか? 実は、高確率でマツダ車のことなんですよね。そう。19~29歳あたりの男女を若者と表現してもいいならば、今まさに若者の間ではマツダ車が人気のようなんです。

ちなみにこれは、往年のマツダ車すべてを指すわけではありません。CX-5からはじまるスカイアクティブ技術とデザインテーマ「魂動(こどう)」が採用された、いわゆる“最近のマツダ車”に限ります。きっと皆さんもイメージできるでしょう。赤い流線形ボディに鋭い目、特徴的なグリルにエンブレムがあしらわれているフロントフェイス。若者たちにはこのデザインがグッとくるらしいのです(余談ですがグッときている人いわく「ガイシャっぽくてカッコいい」らしい)。

しかしやはり若者であればあるほど、車なんて高額な買い物が簡単にできるわけではありません。現に筆者は、こんなボヤキもよく耳にします。

「はぁ……ディーゼル車、高い(泣)」

マツダ車といえばクリーンディーゼルエンジン。従来のディーゼル車をご存じの方ほどビックリする性能を持つエンジンです。従来比約20%の低燃費でお財布にも環境にも◎。さらに加速もスムーズで静か! とにかく素晴らしい動力ではあります。

もちろん素晴らしいということは、それなりに高価。ディーゼルモデルのベーシック「XD」はガソリンモデルのベーシック「13S」よりも、新車価格で約30万円ほど高い値になっています。中古車で見ても、その差額はほとんど変わらず、おおよそ25~30万円前後です(2014~2015年式にて比較)。

30万円って、若者にはなかなかのインパクトですよね。

「マツダといえばディーゼルが良いって聞くし、どうせ買うならそっちだもんなぁ。あきらめるか……」

そんな声が聞こえる気がします。……でも、ちょっと考えてみてください。

もちろん、クリーンディーゼルは素晴らしいです。でも、ガソリンエンジンってそんなに引け目を感じる要因なんでしょうか? そもそもデザイン重視で選ぶ人にとって、そこまで気にかけるべきポイントなんでしょうか?

というのも、まさに今、マツダデザインを代表するモデル、現行型デミオのガソリン車が買い時なんです。

▲サイドから見たスタイルも“ザ・最近のマツダ車”なデミオ ▲サイドから見たスタイルも“ザ・最近のマツダ車”なデミオ

ガソリンエンジンって、どうなの?

では、デミオの話に移る前に、ガソリンエンジンについて少し掘り下げてみましょう。

マツダのガソリンエンジンは、SKYACTIV-G(スカイアクティブ ジー)と名付けられています。ディーゼルの燃費ばかり注目されがちですが、ガソリンエンジンだって優秀。従来比で燃費・トルクともに15%向上しています。まぁ、これはSKYACTIV以前の自社エンジンとの比較ですから、ピンとこないと言われても仕方ありませんので……ちょっとだけシュミレーションしてみましょう。

例えば、2016年7月4日現在の日本国内燃料平均価格はガソリンが約120円/L。軽油は約98円/Lです。仮にこの単価の時期に、デミオで1万km走ったとすると、ガソリンが約5万円、ディーゼルモデルが約3万3000円の燃料費ということになります。ディーゼルの方が格段に安いのですが……差は、1万7000円。

つまり、年間1万km走ったとしても、車両の価格差30万円の元を取ろうとすると17年ほど必要なんです。もし燃料費の安さと燃費の良さを理由にディーゼル車を希望しているならば、ちょっと考えてみてください。日頃の走行距離が少なければ少ないほど、ディーゼル車である必要性は薄れてくるはずです。

さて、ここまで読んで少しでもガソリン車に興味を持っていただけた方がいるならば、今まさにデミオのガソリングレード 13S/13Cをオススメしたいと思います。相場は上昇気味だった時期を過ぎ、ゆるやかな下降時期(画像のグラフは13Sのみの値)。グレードの平均価格は2016年7月上旬現在で約138万円になりました。6月以降は安定した台数増加も見込めるようになり、平均より安値の物件も一定量出回っています。

もちろんディーゼル車(XD)の相場も同様に落ち着いてきてはいますが、2016年7月上旬現在で平均価格177万円……。いかがでしょう? 長距離走行の予定がなく、そもそもデザイン重視でマツダ車が良かったんだよ! なんて方には、ガソリンエンジンのデミオってなかなか買いだと思いませんか?

▲ここ3ヵ月の13S(1.3Lガソリンエンジン)平均価格変動。かなり落ち着いてきています ▲ここ3ヵ月の13S(1.3Lガソリンエンジン)平均価格変動。かなり落ち着いてきています

デミオの魅力

では最後に、デミオについてご紹介します。

現行型デミオは2014年以降に生産されたモデル。冒頭で書いた「若者に人気がある」マツダデザインの車です。サイズとしてはコンパクトハッチバックという部類にあたります。

インテリアには高級感があり、機能性との両立も追求されています。特に筆者が取り上げたいのは、前席のゆったり感。広さももちろんなのですが、シートの素材がなかなか上質です。新開発の振動吸収ウレタン素材と体に沿ってしなやかにたわむ構造設計で、体格を問わず心地よいフィット感を生みだしてくれます。

また、いかにも若者が「カッコいい!」と言ってくれそうな装備が「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」。エンジンを指導するとメーターフードの前方に立ち上がる透明なディスプレイで、ゲームに出てくるロボットのコックピットのような印象も与えてくれます。この画面には、車速やナビゲーションのルート誘導など走行時に必要な情報が表示され、ドライバーの約1.5m前方に焦点を結んで見えるため、視線の移動と目の焦点調節も最小限で済むという、いかにも先進的な装備です。

この他、側方・後方からの車両接近を知らせる「ブラインド・スポット・モニタリング」や低速時の衝突被害を自動制御で軽減する「スマート・シティ・ブレーキ・サポート」などの安全装備も充実しています。

マツダ独特のエクステリアとコンパクトカーとは思えない上質なインテリア、先進安全装備……。これで130万円です。マツダ車でクリーンディーゼルを狙っていた皆さんにこそ検討していただきたい、デミオのお値打ちガソリン車。ぜひチェックしてみてください!

▲コックピットの先進的な雰囲気、伝わりますか? この写真は、「13S Touring L Package / XD Touring L Package」のオフホワイトレザーシートですがブラック基調のモデルももちろんあります ▲コックピットの先進的な雰囲気、伝わりますか? この写真は、「13S Touring L Package / XD Touring L Package」のオフホワイトレザーシートですがブラック基調のモデルももちろんあります
▲アクティブ・ドライビング・ディスプレイ。車速やナビゲーションのルート誘導など走行時に必要な情報が表示されます ▲アクティブ・ドライビング・ディスプレイ。車速やナビゲーションのルート誘導など走行時に必要な情報が表示されます
text/編集部
photo/尾形和美