50万円くらいで買えるSUVが欲しいなら……欧州で人気だった日産 デュアリスという選択肢はどうだ!?
2022/07/21
欧州戦略車として生まれたオンロード志向のクロスオーバーSUV
日産のSUVといえば、言わずと知れたエクストレイルがあげられますが、3代目だけでなく2代目も依然高い人気を誇っています。
また、最近はコンパクトSUVが流行っているということもあり、ジュークやキックスなども人気で、注目されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、このようなモデルは中古車市場での需要も高く、また昨今のSUVブームもあって高値安定の状態が続いています。
「やっぱりSUVを安く買うのは難しいか……。」そう思われた方、ちょっとお待ちください!
実はそんな方にオススメしたい手頃な価格、具体的には総額50万円くらいから狙えるSUVがあります。
それが今回紹介する日産 デュアリスです。
▼検索条件
日産 デュアリス(初代) ×全国デュアリスは、2代目エクストレイルと同じプラットフォームを使用し、欧州市場をターゲットに誕生したSUVです。
エクストレイルよりもシティユースを重視しており、共通のプラットフォームでありながら全長が30cmほど短く、全高もやや低いハッチバックスタイルとなっております。
そして、サスペンションの味付けもオンロード(舗装路)を重視したものとなっている点が特徴。走行条件に応じて常に最適な減衰力を発揮する「ハイスピードダンピングコントロールショックアブソーバー」が採用されており、欧州車顔負けの仕上がりとなっていたのです。
室内空間はエクストレイルに比べれば狭くなりますが、それでもフロントシートは同等のスペースをキープ。ラゲージルームも9インチ相当のゴルフバッグ、特Aサイズ(760mm×560mm×260mm)のスーツケースがそれぞれ2個積載できる容量を確保しているので、極端に狭いということはありません。
また、ミドルクラスSUVとしては類を見ない広い開口部をもつ「スタイリッシュガラスルーフ(シェード付)」も設定されており、開放感はエクストレイルを凌ぐともいわれていました。
そんなデュアリスに搭載されるパワートレインですが、これもエクストレイルと同じく直列4気筒2LのMR20DE型エンジンと、マニュアルモード付きのエクストロニックCVT-M6の組み合わせで、駆動方式も同じく前輪駆動とオールモード4×4と呼ばれる電子制御式4WDが用意されていました。
エクストレイルに対してオンロード性を重視したデュアリスだけに、中古車としても2WD車が圧倒的に多いというのも特徴のひとつと言えそうです。
そしてこのデュアリスは、もともとは欧州市場をメインに開発された車両であり(欧州ではキャシュカイという車名で販売)、デビュー当初はイギリスの工場で日本向けに生産した車両を輸入して販売していました。
しかし、日本での人気が予想以上に高くなったため、2007年12月からは国内生産に切り替えられています。
そのため、イギリス生産の車両は車検証上の車名が「ニッサンUK」となり、国内生産になってからの車両は「ニッサン」となっています。
イギリス生産の車両は初期型ということもあってマイナートラブルが多いという声もあるため、注意が必要かもしれません。
総額50万円くらいから狙える格安SUV
冒頭でもお話したとおり、今このデュアリスの中古車がかなりお手頃な価格で狙えるようになっています。
そもそも新車時でも手頃な価格であり、最もベーシックなグレードでは200万円を切る価格から、最上級グレードでも250万円ほどとなっていました(特別仕様車を除く)。
その買いやすさは中古車となっても不変となっており、比較的高値安定のクロスオーバーSUVの中でもデュアリスは、原稿執筆時点(2022年7月14日)で掲載されているすべての物件が総額150万円以下となっているのです。
そして、総額50万円くらいとかなりお手頃な価格でもそれなりの数の物件がヒットし、最も安い部類の物件では総額30万円台から見つけることができます。
さらに、70万~80万円くらいに予算を上げることができれば、走行距離5万km未満の物件も複数見つけることができるため、同世代のライバルのSUVよりもかなりお手頃な価格と言えそうです。
では、今このデュアリスを狙うならどんなものがオススメか、考えてみることにしましょう。
予算50万円くらいで狙うなら、「前期型の走行距離7万km以下」を
執筆時点のデュアリスの平均価格は57.3万円となっており、その金額に近い総額50万円台までで検索すると、40台ほどの物件がヒットします。
さすがにこの価格帯では、ほとんどが一部改良が施された2009年9月以前の物件(前期型)になり、中には走行距離10万kmを超えるような多走行車がヒットすることも。
しかし、よくよく探してみると7万km以下の物件も見つけることができそうです。
ちなみに、2009年9月の一部改良モデル(中期型)はフロントグリルのデザインが若干変わった程度。性能面での大きな変更はなかったので、年式がやや古いことや見た目さえ気にならなければ、お買い得感の高い物件を見つけることができそうです。
▼検索条件
日産 デュアリス(初代)×総額60万円未満×走行距離7万km以下×2007年5月~2009年8月生産×全国予算100万円まで上げられるなら、「走行距離5万km以下の後期型」を
予算を100万円までアップできるなら、走行距離5万km以下の物件も複数射程圏内となります。
そして、2010年8月に実施されたマイナーチェンジ後のモデル(後期型)も十分狙うことができます。
このマイナーチェンジでは、再びフロントグリルのデザインが変更されただけでなく、エンジンやミッションの制御を見直して燃費性能がアップしているのが大きな特徴。
「走行距離5万km以下の後期型」の物件を積極的に狙っていくことをオススメします。
そして、希少な4WDかつ上級グレードの20Gという物件も、この予算であれば見つけることができるのも魅力的です。
ウインタースポーツを楽しみたい人や降雪地域にお住まいの方も、他の4WDのSUVより少ない予算で上質な中古車を見つけることができそうです。
また、ディーラー系中古車店の認定中古車も複数ヒットするので、長く安心して乗りたいという人にもオススメの選択肢と言えるでしょう。
▼検索条件
日産 デュアリス (初代)×総額100万円以内×走行距離5万km以下×2010年8月以降生産×全国一味違ったものが欲しいなら、オーテック謹製の「クロスライダー」を
通常グレードでも他のSUVとは異なる雰囲気を醸し出しているデュアリスですが、より個性的なモデルが欲しいという方にはオーテックジャパンが手がけた「クロスライダー」というモデルもオススメです。
これは元々オンロードテイストの強いデュアリスをよりオンロード指向に仕立てたもので、専用バンパーやボディ同色としたボディ下部など、エクステリアに大きく変更が加えられています。
そして、20mmローダウンとなる専用サスペンションや、センター2本出しとなる専用マフラーを装着しているのも大きな特徴。
残念ながらスタイリッシュガラスルーフは装着されませんが、よりスポーティなエクステリアと走りを楽しむことができるモデルに仕上がっています。
このクロスライダーは、デュアリスの中でも希少な1台となっており、執筆時点での掲載台数はわずか12台。
それでも、支払総額は40万円台~80万円台と手頃なことに変わりはなく、狙ってみる価値は大いにアリと言えるでしょう。
▼検索条件
日産 デュアリス(初代) ×クロスライダー×全国今回は、お手頃価格で狙うことができるミドルクラスSUVのデュアリスをご紹介しました。
決して安いからといって評価の低い車というワケではなく、むしろ欧州車ユーザーなどから見ても高評価の1台でした。
さすがに新車当時の乗り味を味わうにはリフレッシュ作業が必要となるかもしれませんが、価格につられて購入したらすっかりハマってしまった……というユーザーもいるようなので、実は味わい深い車でもあるのです。
お手頃価格のSUVを探している方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
▼検索条件
日産 デュアリス(初代) ×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。