ホンダ オデッセイ▲エクステリアデザインに手を加え、迫力ある顔つきになった後期型オデッセイ。生産終了になったことで、中古車への注目が高まる

28年の歴史に幕を下ろすことが決まったオデッセイ

ホンダ オデッセイの生産が2021年12月に終了した。現在はガソリン車、e:HEV車ともに在庫分の販売のみとなっていて、ホンダのWEBサイトには「一部タイプ・カラーがお選びいただけない場合がございます。詳しくは販売会社にお問い合わせください。」と表記されている。

生産終了となった理由はオデッセイを製造していたホンダ狭山工場の閉鎖。つまり、不人気で売れないから生産終了というわけではないのだ。

実際、2020年11月にマイナーチェンジを受けた後期型は、迫力を増したデザインやe:HEVを搭載していることで、一定の支持を受けていた。
 

ホンダ オデッセイ ▲最終型オデッセイは利便性とスポーティさを両立させたモデル

もう新車では手に入れづらい最終型オデッセイだが、中古車に目を向けると人気の後期型を手に入れることができる。

ここでは最終型オデッセイ(後期モデル)の相場状況などを紹介しよう。
 

▼検索条件

ホンダ オデッセイ(現行型) × 後期型(2020年11月~) × 全国
 

【ボディサイズ・デザイン】厚みのある顔つきにデザイン変更

5代目オデッセイ後期型のボディサイズは全長4855×全幅1820×全高1695mm。全長はマツダ MAZDA 6セダン(4865mm)やトヨタ ハイエースバンのワイド×ロングボディ(4840mm)ほど。全幅はトヨタ エスティマ(1810mm)に近いサイズ感だ。

オデッセイはホンダの中で最も大きなミニバンなので、トヨタ アルファードや日産 エルグランドといったLクラスミニバンと比較しがちだが、実際はアルファードよりもひと回り小さい。ヴォクシーとアルファードの中間くらいのサイズ感をイメージしてほしい。
 

ホンダ オデッセイ ▲厚みのある顔つきになった後期型オデッセイ
ホンダ オデッセイ ▲ちなみに、こちらは2017年11月登場の中期型。後期型がデザインを大きく変えたのが分かる

後期型となった2020年11月のマイナーチェンジは、内外装のデザイン変更が最も大きなポイントだった。

スポーティな顔つきだったデザインが厚みのあるフロントマスクに変更されたことで、アルファードなどのLクラスミニバンに劣らない存在感を醸し出している。

ライトデザインも大きく変えられた。テールライトが立体造形になったことで高級感がアップ。ヘッドライトとテールライトはデザインに共通性が与えられている。

ホンダ オデッセイ ▲高級感が高められた後期型のインテリア

インテリアは視界にインパネ上部に加飾パネルを配置。そしてソフトパッドを配置するなど高級感を高める方向に変更された。

メーターパネルはフルカラー液晶パネルが3.5インチから7インチに拡大。アナログメーターと7インチ液晶パネルで、様々な情報をわかりやすく表示できるようになった。
 

 

【グレード構成】2つのパワーユニットを用意

ホンダ オデッセイ ▲本革シートはガソリンモデルとe:HEVモデル、どちらも「アブソルート EX」でオプション設定

後期型は2.4L エンジンを搭載するガソリンモデルと、ホンダ独自のハイブリッドであるe:HEVという2つのパワーユニットをラインナップ。グレードは、それぞれ「アブソルート」と上級グレードである「アブソルート EX」の2つが用意されている。

e:HEVはFF(フロントエンジン・前輪駆動)のみの設定で、「アブソルート」は2列目がキャプテンシートの7人乗りと3人がけの8人乗りの2パターン。「アブソルート EX」は7人乗りのみになる。

ガソリンモデルは2つのグレードそれぞれに7人乗りと8人乗りを用意。「アブソルート」の8人乗りはFFと4WDが選べ、「アブソルート EX」の8人乗りは4WDのみの設定になる。
 

 

【安全性能・装備】手をかざすだけで開閉できるスライドドアを採用

2013年11月登場の前期型はまだ先進安全装備は弱かったが、2017年11月のマイナーチェンジ時に先進安全装備パッケージであるHonda SENSINGが全グレード標準装備となった。

後期型オデッセイのHonda SENSINGには、さらに後方誤発進抑制機能が追加されている。
 

ホンダ オデッセイ ▲ジェスチャーコントロール・パワースライドドアは左右のスライドドアに装備される

後期型オデッセイは、スライドドアにジェスチャーコントロールを搭載している。これはキーを携帯した状態でドア上を流れる青い光に手をかざして左右に動かすと、ドアに触らずスライドドアを開閉できるという機能。

また、「アブソルート EX」のテールゲートには、リアバンパー下に足先を出し入れすることで開閉できるハンズフリーアクセスパワーテールゲートが採用された。
 

ホンダ オデッセイ ▲前後のウインカーは車両の内側から外側に向かって流れるように点灯するシーケンシャルターンシグナルランプを採用
 

【中古車の流通状況】まだ新車に近い状態の中古車が探しやすい

ホンダ オデッセイ ▲「アブソルート」のアルミホイールが17インチなのに対し、「アブソルート EX」は18インチを採用

2022年6月現在、後期型のオデッセイは約130台流通していて、価格帯は総額360万~520万円という状況。

グレード別の流通台数は下記のとおりだ。

e:HEVアブソルート:約10台
e:HEV アブソルート EX:約90台
アブソルート:約20台
アブソルート EX:約10台

全体の7割がe:HEVの上級グレード「アブソルート EX」となっている。

ガソリンモデルとe:HEVでは新車価格で70万円以上差があることもあり、中古車も低価格帯はガソリンモデルになる。予算400万円以内で後期型オデッセイを探すなら、グレードはガソリンモデルの「アブソルート」が中心だ。
 

▼検索条件

ホンダ オデッセイ(現行型) × 後期型(2020年11月~) × 総額昇順

e:HEVで修復歴のない中古車は、総額430万円前後から見つかる。最も流通量が多い「e:HEV アブソルート EX」の価格帯は総額430万~520万円となっている。

つまり、新車価格で30万円近い価格差があった「e:HEVアブソルート」と「e:HEV アブソルート EX」だが、中古車では大きな価格差はついていない。
 

ホンダ オデッセイ ▲2列目席アンビエントライトは「アブソルート EX」専用装備

お得な状況となっている「e:HEV アブソルート EX」は、ハンズフリーアクセスパワーテールゲートやブラインドスポットインフォメーション、100V AC電源、助手席パワーシート、2列目席のアンビエントライトなどの快適装備が盛りだくさん。

流通台数が多い分条件に合うものも見つけやすいし、e:HEV狙いなら「e:HEV アブソルート EX」を探すのがオススメだ。

▼検索条件

ホンダ オデッセイ(現行型) × 後期型(2020年11月~) × 「e:HEV アブソルート EX」

ちなみに、後期型オデッセイの登録済未使用車は30台ほど流通していて、価格帯はガソリンモデルが総額360万~420万円、e:HEVモデルが総額430万~520万円だった。流通台数はどちらも同じくらい。

いずれにしても台数はそこまで多くなく、今後増えることも期待できないので、欲しい人は早めに問い合わせをした方がいいだろう。
 

▼検索条件

ホンダ オデッセイ(現行型) × 後期型(2020年11月~) × 「e:HEV アブソルート EX」
 

【結論】状態のいい中古車が欲しい人は早めに探そう

後期型オデッセイはマイナーチェンジ直後のものでもまだ登録から3年たっていない。そのため登録済未使用車でなくても、走行距離は数千km程度しか走っていないものが多い。

しかも、流通している中古車の半数近くはメーカー系中古車販売店(ディーラー)で扱っている物件だ。これらは試乗車や展示車両として使われていた可能性が高い。

新車の販売が完全に終了し数年たつと今のように走行距離が少ない中古車は探しづらくなる。新車と比較している人は早めに購入を決断した方がいいだろう。
 

▼検索条件

ホンダ オデッセイ(現行型) × 後期型(2020年11月~) × 全国

※記事内の情報は2022年6月5日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/ホンダ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL