ボルボV50 ▲先代にあたるV40はボルボと三菱、オランダ政府との合弁事業(ネッドカープロジェクト)から生まれたが、その後ボルボがフォード傘下に収まったことで、2代目S40とこのV50は、フォードとマツダが開発したプラットフォームを使用した

ボルボ V50の中古車は今

2004年5月にデビューしたV50は、フォルクスワーゲン ゴルフに代表されるCセグメントに属するステーションワゴンだ。

ボルボのエントリーモデルだが、プレミアム感あふれる内外装を備え、フルフラットなラゲージを備えるなど実用性も高かった。

その後、ハッチバックのV40とそのクロスオーバーモデルであるV40クロスカントリーに後を譲る形で、後継モデルが出ることなく2013年1月に販売が終了した。

現在の中古車台数は約150台。平均価格は46万円と価格もサイズも手頃感のあるステーションワゴンになっている。

ここからはボルボ V50の特徴や中古車相場について紹介する。

 

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V50の特徴と中古車相場

■V50 DATA
生産期間:2004年5月~2013年1月
中古車流通量:約150台
中古車価格帯:10万~170万円
全長4515mm × 全幅1770mm × 全高1450mm

ボルボV50 ▲セダンのS40よりボディが46mm延長された分はラゲージに充てられた。フロントにクラッシャブルゾーンが設けられるなど、衝突時のエネルギーを吸収する構造が採用されている

■V50の特徴
ボルボのエントリーモデルとして登場したセダンの初代S40と、そのステーションワゴンのV40。V50はV40の後継モデルとして2004年5月に日本デビューした。

当時のボルボはフォード傘下だったため、同じく当時フォード傘下だったマツダのアクセラとプラットフォームを共有したモデルだ。

ボルボV50 ▲他のボルボ車同様、伝統の縦長のテールランプが採用された。後続車からの視認性を高める他、雪道などを走っても汚れがつきにくい

デビュー時に搭載されたエンジンは最高出力140psと170psの2種類の2.4L直列5気筒と、最高出力220psの2.5Lターボ直列5気筒の2種類。

いずれも5速ATが組み合わされ、当初の駆動方式はFFのみが設定されていた。

ボルボV50 ▲センターコンソールには、背後に物を置けるフリーフローティングセンタースタックが採用された。キーの差し込み口は、一般的なドア側ではなくセンターコンソール側。日本仕様は当初右ハンドルと左ハンドル仕様が用意されていた

インテリアで目をひくのは、フリーフローティングセンタースタックだ。背後が中空となる薄い板状のセンターコンソールはこのS40/V50から採用され、長らく同社のデザインアイコンとなった。

デザイナーは同じ北欧の有名家具、ヤコブセンの「セブンチェア」や「アントチェア」などからインスピレーションを受けたという。

ボルボといえば高い安全性能も特徴のひとつ。運転席&助手席エアバッグはもちろん、サイドエアバッグやカーテンエアバッグ、むち打ち症から保護してくれる機構を備えたシートも備わる。

ボルボV50 ▲ダブルフォールディング機能を備えた後席を倒せば、フラットな床面を拡大できる。このように使い勝手のよいラゲージは、やはりボルボならではと言えるだろう。助手席を倒せば写真のように長尺物も載せられる

V50は生産終了までに、何度かマイナーチェンジや一部改良が行われている。主なものは下記のとおり。

【2004年10月 グレード追加】
2.5Lターボ搭載車にフルタイム4WDを搭載した「T-5 AWD」を追加

【2005年8月 仕様変更】
ルーフレールが全車標準装備化

【2007年9月 マイナーチェンジ】
エクステリア&インテリアデザインが変更された。また、2.5Lターボの最高出力が220psから230psにアップ

ボルボV50 ▲フロントグリルの存在感が増し、グリル内のアイアンマークも拡大された
ボルボV50 ▲フリーフローティングセンタースタックがセンターアーム部分まで延長されたように見えるデザインに変更された。また、写真のライトオークのリアルウッドパネルも選べるようになった

【2009年2月 追加】
2.4L車の最高出力140ps版に代わり、2L・145psのエンジンと6速AT(デュアルクラッチ式2ペダル6速MT)が搭載されたモデルを追加

■V50の中古車相場
初期型の140ps版と170ps版の2.4L車であれば、走行距離5万km前後の物件を総額40万円から見つけることができる。価格重視派はここが本命となるだろう。

選択肢が多く選びやすいのは、初期型ではなく2009年2月以降に追加された2L・145psのデュアルクラッチ式の2ペダル6速MT車で、全体の7割以上を占める。

同モデルの登場は2009年2月以降。熟成された後期モデルだから、見えない部分でも改良が行われたり、初期型より装備が充実している。また、排気量が2L未満となるため、他グレートと比べて自動車税の観点でも出費を抑えることができる。

こちらは走行距離5万km前後の物件が、総額50万円から見つけることができる。

本革シートを備えた物件が6割以上占めるのも、プレミアムを標榜するV50ならではと言えるだろう。予算100万円で、走行距離5万km程度の本革シート仕様を十分狙える。

このサイズで本革シートなど上質なインテリアを備えたステーションワゴンはあまりないだけに、狙い目ではないだろうか。

なお、原稿執筆時点で4WDモデルは見つからなかった。もし、4WDをマストで狙うなら根気強く探した方が良いだろう。

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※記事内の情報は2021年8月30日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/ボルボ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。