ホンダ N-BOXスラッシュ▲ホンダ N-BOXのファッション性を高め、軽自動車でも良い音で音楽を楽しめるようにしたN-BOXスラッシュ

ホンダ N-BOXスラッシュの中古車は今

初代N-BOXの派生モデルとして、2014年12月に登場したN-BOXスラッシュ。

一般的に派生モデルというとオリジナルをハイルーフにしてスペース効率を高めたり、デザインを変えて選択のバリエーションを増やすケースが多い。

だが、N-BOXスラッシュのフロントフェイスはN-BOXのイメージを踏襲しており、ルーフ部分は切り詰めてチョップトップスタイルされている。リアドアはスライドドアではなくヒンジ式ドアで、ドアノブが目立たないデザインのクーペルックになっているのが特徴だ。

インテリアもベーシックなもの以外に、テーマに沿ったデザインになっているインテリアカラーパッケージを設定。車選びの際には、ボディカラーとインテリアの組み合わせを楽しむことができるだろう。

趣味性の高いモデルということもあり、中古車の流通量はN-BOXに比べると少なめ。その分、人とは違うモデルに乗っているという所有欲を満たしてくれる。

ここからはN-BOXスラッシュの特徴や中古車相場について紹介する。
 

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N-BOXスラッシュ(初代)の特徴と中古車相場

■N-BOXスラッシュ(初代)DATA
生産期間:2014年12月~2020年2月
中古車流通量:約380台
中古車価格帯:60万~170万円
 

ホンダ N-BOXスラッシュ ▲N-BOXのルーフをカットしたようなチョップトップスタイルがN-BOXスラッシュの特徴

■N-BOXスラッシュ(初代)の特徴
2011年12月のデビュー以来、爆発的なヒットを続けているN-BOXは、全長を高くして室内空間を広く取り、スライドドアを採用して利便性を高めたモデルだ。

そんなN-BOXの派生モデルとして、2014年12月に登場したN-BOXスラッシュ。デザイナーが遊びで描いたスケッチから企画がスタートしたモデルだ。
 

ホンダ N-BOXスラッシュ ▲N-BOXスラッシュのコンセプトスケッチ。ここからも開発時の遊び心が伝わってくる

初代N-BOX から100mm全高を低くして1670mmに設定。これはスズキ ワゴンRやダイハツ ムーヴなどと同程度で、カテゴリーとしては軽トールワゴンになる。

N-BOXベースのトールワゴンを開発する際、まったくデザインが異なるモデルにするのではなく、N-BOXのルーフをカットしたようなデザインを採用。

アメリカでは車のピラーをカットしてルーフを低くするカスタムが流行した時期がある。N-BOXスタイルはこのイメージをデザインに落とし込んでいるのだ。
 

ホンダ N-BOXスラッシュ ▲クロームメッキのフューエルリッドでカスタムカーっぽさを演出した

ガラス部分はチョップトップ感を出すために、あえて面積を小さく設計。これにより、包まれ感が高められた。

リアドアはスライドドアではなくヒンジ式を採用。ドアハンドルをブラックアウトしたピラー部分に設置することで、2ドアクーペのようなスタイルを演出しているのが特徴だ。

エクステリアにはクロームメッキを多用して、きらびやかな雰囲気になっている。中でも助手席側のリアドア後ろにあるフューエルリッドのデザインは、N-BOXスラッシュのカスタム感を象徴するものになっている。
 

ホンダ N-BOXスラッシュ ▲カリフォルニアをイメージしたダイナースタイルのインテリア
ホンダ N-BOXスラッシュ ▲テネシーをイメージしたセッションスタイルのインテリア

ボディカラーはモノトーン8色、2トーン10色を設定。さらに、 “ダイナースタイル” “グライドスタイル” “セッションスタイル”など、異なるカルチャーをイメージした5つのスタイルが設定されている。

オプションのインテリアカラーパッケージを装着したものを含め、カラーリング、インテリアデザイン、スマートキーのカバーデザインを変えて、様々な世界観を演出している。
 

ホンダ N-BOXスラッシュ ▲センターコンソールのウーファーやドアの大型スピーカーなど、プライベート空間らしく音響にもこだわっている

上級グレードの「X」、「X ターボパッケージ」には、高性能な8スピーカーとセンターコンソールに設置したサブウーファーにより、迫力あるクリアなサウンドを楽しめるサウンドマッピングシステムを標準装備した。
 

ホンダ N-BOXスラッシュ ▲トレッキングスタイルのインテリア。アースカラーとオレンジの差し色でアウトドアテイストを演出

2016年9月には、インテリアカラーパッケージに新しいコンセプトとなる“トレッキングスタイル”を追加している。
 

ホンダ N-BOXスラッシュ ▲マイナーチェンジで追加されたサンセットオレンジII&ブラックの2トーンカラー
ホンダ N-BOXスラッシュ ▲新たなインテリアカラーパッケージとして登場したダークスタイル

2018年1月にはマイナーチェンジを実施。これまで上級グレードでしか選択できなかったインテリアカラーパッケージを全グレードで選べるようにし、新しいインテリアカラーパッケージとして黒を基調として都会的なイメージを演出した“ダークスタイル”を新設定した。

同時に、プラチナホワイトパール、プレミアムガットブラウン、サンセットオレンジIIという3色が新設定されている。

グレード構成は新車時価格の低い順に下記のとおり。

「G」<「GL」<「GL ターボ」<「X ターボ」

このグレードのそれぞれに、インテリアカラーパッケージが設定されている。
 

■N-BOXスラッシュ(初代)の中古車相場
N-BOXスラッシュは趣味性が高いモデルだったこともあり、実用車であるN-BOXや他社のトールワゴンと比べると流通量は少なめだ。それだけに、「人とは違った車に乗りたい」という人にはもってこいの選択肢といえる。

最安値帯は総額60万~80万円。このゾーンは走行距離が10万kmを超えているものが中心。走行距離を5万km程度のものは総額90万円から見つけることができる。

走りにもこだわりたいならターボモデルに注目。前期型だと「G ターボAパッケージ」が総額80万~140万円、上級グレードの「X ターボ」は総額90万~180万円。合わせて60台程度の選択肢がある。

後期型だと「G L ターボ」が総額150万~170万円となっている。台数は少ないが、走行距離がおおむね3万km以下の低走行車が多い。こちらは流通台数が少ないため、狙いを定めて早めにアクションした方がいいだろう。

N-BOXスラッシュといえば、インテリアカラーパッケージも忘れてはいけない。インテリアカラーパッケージが備わる中古車は70台ほどあり、価格帯は100万~180万円だった。

数ある中古車の中からボディカラーとインテリアデザインの組み合わせを見て、気に入った1台を探す。実際に様々な色の組み合わせを実車で見比べられるのは、中古車ならではの魅力ともいえる。

色にこだわるなら実車で確認して、自分のセンスに合うものを探してみよう。
 

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※記事内の情報は2021年7月10日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/ホンダ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL