ハイゼットキャディー▲ダイハツ ウェイクのシャシーを利用した軽貨物車、ハイゼットキャディー。2シーターとしてカーゴ性能に特化したモデルだ

ダイハツ ハイゼットキャディーの中古車は今

ダイハツのハイゼットといえば、農家や宅配業者などに愛用される働く車の代表格。

1960年から現在まで続く名モデルであり、数多くのバリエーションが存在する軽貨物車だ。

そんなハイゼットの一員に2016年、仲間入りしたのがハイゼットキャディーである。貨物車なのにスタイルは流行のトールワゴン、というコンセプトが当時、斬新だった。

2021年3月に生産終了となり、1世代限りのモデルとなっている。販売期間がわずか5年ほどだったため、中古車流通量は決して多くない。

しかし、生産終了から間もない現在なら総額100万円以下でも、走行距離が少なく、コンディションの良い物件が多い。

長く乗れるハイゼットキャディーを探すなら今がチャンスだろう。

ここではハイゼットキャディーの特徴、中古車を選ぶ際のポイントや現在の中古車相場について解説していく。

 

ハイゼットキャディー(初代)の特徴と中古車相場

■ハイゼットキャディー(初代)DATA
生産期間:2016年6月~2021年3月
中古車流通量:約40台
中古車価格帯:40万~120万円
全長:3395mm × 全幅:1475mm × 全高:1850mm

ハイゼットキャディー ▲バンパーの一部をブラックとし、フロントまわりの造形もシンプル化。見た目はウェイクと差別化されているが、走行性能や安全性能は同等だ

■ハイゼットキャディー(初代)の特徴
人気のスーパーハイトールワゴンである ウェイクの貨物車として2016年6月に登場したハイゼットキャディー。

四角い箱をふたつ組み合わせたようなボディ、ヘッドライトもグリルもフロントウインドウもみんな四角というルックスはウェイクとうり二つである。

ただ、前後バンパーの一部は未塗装ブラック仕上げとなり、フロントグリルの意匠なども専用のシンプルなデザインとして商用車であることをアピール。

また、乗車定員を2名とし、ウェイクの高い天井高はそのまま、積載スペースとして生かされた。

シャシーはウェイクと共有、サスペンションも前マクファーソン・ストラット式コイル、後トーションビーム式コイル(4WD車は3リンク式コイル)とウェイク同様の形式で、最大積載量は150kgとなっている。

この数字は、ハイゼットカーゴ(ボックス型のハイゼット)などの軽貨物車と比べてかなり小さい。ハイゼットキャディーは、あくまで乗用車からの派生モデルなのだ。
 

ハイゼットキャディー ▲後部ドアはスライド式で、荷物の出し入れに便利

660cc 直列3気筒DOHCのNA(自然吸気)とターボという2種類のエンジンラインナップも、ウェイクと同様である。

トランスミッションは全車CVTで、アイドリングストップ機構「eco IDLE」も全車標準装備。さらに、先進安全技術「スマートアシストⅡ」を搭載したグレードもデビュー当初から用意された。

商用車でありながら、乗用車並みの燃費性能と安全性能を備えているのが、ハイゼットキャディーの魅力だ。

デビュー時のグレード構成は下記のとおりとなっている。

・「D」:NAエンジンでシンプル装備
・「D デラックス」:電動格納カラードドアミラーなどを装備
・「X」:ターボエンジン搭載

この3グレードを基本とし、それぞれにFFと4WD、安全装備の「スマートアシストⅡ」搭載車が用意された。「スマートアシストⅡ」搭載車は、基本グレード名の後に「SA Ⅱ」が付く。

生産期間は5年ほどしかなかったが、その間にも一部改良や仕様変更を実施された。

2017年11月には「スマートアシストⅡ」が「スマートアシストⅢ」に進化し(同時にグレード名もSAⅢに変更)、作動車速が50km/hから60km/hに、さらに歩行者も検知可能となった。

また、同時にグレード構成も整理され、「D デラックス」と「X」を廃止。「D」を除く全グレードがさらに車速感応式間欠フロントワイパーとセキュリティアラームが全車標準装備となった。

ワークホースとしての需要だけでなく、趣味のギアを載せるトランスポーターとしての需要も考えられた画期的存在だったハイゼットキャディーだが、2021年2月に生産終了。現在は中古車でしか手に入らない。
 

ハイゼットキャディー ▲リアキャビンはまるまる積載スペース。高さに余裕があるパッケージゆえ、キャンピングカーに架装するのもアリだろう

■ダイハツ ハイゼットキャディーの中古車相場
40台ほど流通している中古車のほとんどが、デビューイヤーである2016年式か2017年式。

総額70万~100万円が価格帯のボリュームゾーンとなっている。

2名乗車ゆえ、プライベートでハイゼットキャディーを求める人は限られそうだが、キャンプやマリンスポーツなど趣味の道具として使うなら、安全装備が充実しているに越したことはないだろう。

実は現在流通している物件のほとんどが「スマートアシストⅡ」装着車であり、非装着車の方がむしろ珍しい。グレード名に「SAⅡ」と付いている物件を選ぶと安心だ。

ただし、前述したように貨物車ながら骨格は乗用車と変わらず、耐久性も乗用車と同等なので、極端に走行距離の多い物件は避けたいところ。

もっとも生産開始からまだ5年しかたっておらず、走行距離9万km以下のものがほとんどなので、選択肢は豊富にある。

より安全性能を重視するなら「スマートアシストⅢ」が装着されたモデルを狙いたいところだが、マイナーチェンジから3年しかたっていないため、現段階ではほとんど流通していない。こちらは、2018年式以降の物件が中古車市場に出てくるまで待つ必要がある。
 

▼検索条件

ダイハツ ハイゼットキャディー(初代) × 全国

※記事内の情報は2021年7月15日時点のものです。

文/田端邦彦 写真/ダイハツ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。