【四角いボルボが欲しいんだ!】クラシックボルボはセダンもイケてて、そして安い!ボルボ 240セダンという選択肢
2021/03/02
「四角いボルボ」はステーションワゴンだけじゃない
近頃は「ハイテクスニーカー」もけっこう流行っていますが、なんだかんだでクラシカルなローテクスニーカーの方が、一般的にはおしゃれに見えるものです。
それと同様に、近頃のギラギラしたデザインの車も決して悪くはないのでしょうが、昔ながらの「カクカクしたフォルムの車」に乗る方が、個人的には数倍おしゃれさんだと感じます。
で、昔ながらのカクカクしたフォルムの車といえば、スウェーデンのボルボが作っていた240エステートというステーションワゴンが、もう決定的なまでにおしゃれです。
ボルボ 240がデビューしたのは1974年ですので、普通であれば、遅くとも1980年代半ばぐらいまでには廃番になったはず。しかし、240は人気がありすぎたため「引退」が許されず、1970年代の基本設計とデザインのまま、1993年まで販売され続けたという車です。
つまり、「なんちゃってレトロ」ではなく「本当のレトロ」であるがために、ボルボ 240という車には今なお人を引きつける魅力がある――ということです。
で、そんなボルボ 240エステートをオススメしたいとは思うのですが、それと同時にもうひとつ、オススメしたい選択肢があります。
それは、ボルボ 240のエステート(ステーションワゴン)ではなく「セダン」の方です。
セダンが安いというか、正確には「ワゴンが高い」
ラゲージスペースを含む車両後端のデザインはエステートとセダンでは異なりますし、ラゲージスペースの容量は当然ながらエステートの方が大きめです。でも、それ以外には240エステートと240セダンの違いは(基本的には)ありません。それなのに、中古車の平均価格はセダンの方が、おおむね30万円ほど安いのです。
これは正確には、「セダンが安い」というよりは「ボルボ 240はエステートの方が圧倒的に人気が高いため、市場原理からしてどうしてもエステートの相場が高くなる」ということです。
しかし、あいにくというのか何というのか、ボルボ 240セダンは(240エステートと比べれば)若干人気薄であるため、「比較的お安く手に入れられる」というナイスな状況が生まれているのです。
とはいえ、もしもエステートと比べてセダンが「かなりイマイチ」であったとしたら、セダンの方が若干安かったとしても、あえて買う意味はありません。
で、そのあたりはどうなのかというと…… まず「車としての基本部分」は、エステートもセダンも同じで、特に違いはありません。大きく違うのは、「荷室の容量および使い勝手」と「車両後端あたりのデザイン」です。
大ぶりな荷物を積まないならセダンでも普通に十分
まず荷室の容量は、エステートが1165Lとなかなか広大で、広大ゆえに使い勝手が良いのに対し、セダンのトランク容量は395Lでしかありません。
また、エステートは荷室の高さを生かした使い方や、後席を倒して「長~く使う」ことも可能ですが(後席を倒すと240エステートの荷室容量は2150Lまで拡大します)、セダンのトランクは高さも奥行きも限定というか固定されているため、使い勝手はどうしても見劣りすることになります。
それゆえ、このレトロなカクカクフォルムが好きなだけでなく「大きくて長い荷物を載せる機会が多い」という人は、多少割高であってもエステートを選んだ方がいいでしょう。
しかし逆にいえば、そういった荷物を載せる用事がさほどないのであれば「セダンでも十分」ということになるわけです。
また、「車両後端あたりのデザイン」については、ボディの後端まで屋根がスッと延びているエステートの方が、なんだかんだで美しいと筆者は思いますが、このあたりの感じ方は人それぞれでしょう。セダンならではの段差(←ダジャレじゃないですよ)やフォーマルなイメージを、エステート以上に好ましいと感じる人もいるはずです。
ということで、レトロでおしゃれな車を探している人には「エステートより手頃な予算でイケるボルボ240セダン」を提案したいわけですが、そんなボルボ 240セダンもこのところ、240エステート同様に中古車相場は上昇中です。
最近は「ちょっとレトロなもの」や「昭和カルチャー」などが人気なゆえ、旧車の相場が上がってしまうのはある意味仕方ないのですが、現状よりもさらに高騰してしまう前に、検討を始めた方がよいかとは存じます。
また、往年のボルボは240だけでなく他のモデルも――流通量は少ないのですが――エステートよりセダンの方が安いという傾向があります。ナイスなレトロ系輸入車をお探しの人は、ボルボのステーションワゴンだけではなく「セダン」も、ある種の大穴としてぜひご注目ください。
▼検索条件
ボルボ 240×全国▼検索条件
ボルボ 240、740、760、850、940、960×全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグSTIスポーツEX。
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