日産 ティアナ▲高級セダンというと「オラオラ顔」が多い中、モダンなデザインを採用してライバルと一線を画したティアナ。保守的なイメージがあるかもしれませんが、実は“全面ガラスルーフ”というとがった仕様があったのです!

セダンでは珍しい「全面ガラスルーフ」を採用した2代目ティアナ

セダンの人気が低迷しているといわれてはや幾年。確かに使い勝手などを考えれば、今人気のクロスオーバーSUVなどが圧倒的に有利であることは間違いありませんが、あのフォーマルな雰囲気をもったセダンのスタイルに、魅力を感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか?

ただ、セダンというと、前述したようにフォーマルなイメージが強すぎて、カジュアルなイメージが薄いという点もあり、SUVのような楽しいイメージはあまりないかもしれません。

しかし、過去に「全面ガラスルーフ」というセダンには似つかわしくない、移動時間を楽しくさせる装備をもったモデルが存在していました。それが今回ご紹介する2代目の日産 ティアナです。

セダンでもサンルーフ付きの車がいいな! と思っていたそこのあなた、必見です!
 

日産 ティアナ▲こちらが今回紹介する2代目 ティアナの全面ガラスルーフ装着モデルです

前席部分のルーフは解放可能! さらに後席にもサンルーフを設けている

もともとティアナは、2003年に登場した大型セダンであり、それまで存在していたセフィーロやローレルのポジションをカバーするために誕生したもの。

前輪駆動レイアウトを採用したことで広い室内空間を実現し、モダンリビングの考え方を取り入れた内装デザインや、オットマンを備えた助手席を設定したことで、高い評価を集めたモデルでした。

そんな初代の考え方を踏襲して2008年に登場した2代目ティアナは、さらに“リラックス”と“おもてなし”のキーワードも追加し、先代モデルには存在しなかったサンルーフ仕様が登場。

それこそが、「スタイリッシュガラスルーフ」と呼ばれる全面ガラスルーフだったのです。

このスタイリッシュガラスルーフは、通常鉄板となる天井部分がすべてガラスとなっており、前席と後席それぞれにサンルーフが設けられ、両席ともに空を望むことができる開放感満点のもの。

さらに、フロント側のガラスルーフは、チルトとアウタースライド式で開け放つこともできます。

ガラスルーフを備えたモデルは、ミニバンやSUVなどの一部車種に存在していますが、多くが固定式のものとなっているため、しっかり開閉できるというのは特筆すべき点と言えますね。

また、スモークガラスとなっているため、ボディカラーによってはブラックルーフの2トーンカラーのようにも見え、ドレスアップ効果も併せ持つというところも見逃せません。
 

日産 ティアナ▲このように開閉できる珍しい機構をもちます
日産 ティアナ▲前後席ともに光が差すことで開放感満点です
日産 ティアナ▲助手席にはオットマンも装備。セダンらしいおもてなしも可能です

なお、このスタイリッシュガラスルーフは3.5Lモデルには標準装備、2.5Lモデルには14万7000円のメーカーオプションとなっていました。

と、ここまではスタイリッシュガラスルーフについて語ってきましたが、ティアナ自体は前述したように広い室内空間と、おもてなしの心と快適機能をもったセダンであり、乗り心地や静粛性にまでこだわった完成度の高いモデルとなっています。

搭載されるエンジンも2.5L、3.5LともにV型6気筒となっており(4WDモデルのみ直列4気筒)、スタイリッシュガラスルーフ抜きにしても、非常に快適で落ち着きのある高級セダンなのです。
 

日産 ティアナ▲質感の高いインテリアは高級感を演出
日産 ティアナ▲3.5Lモデルは出力252ps、34.2kg・mのトルクを発揮する

絶滅状態だが価格は総額40万~60万円とリーズナブル

2代目ティアナの掲載台数は執筆時点で195台ありましたが、その中でスタイリッシュガラスルーフ付きのモデルとなると16台と、1/10以下となってしまいます(内訳は3.5Lが4台、2.5Lが12台)。

しかし、スタイリッシュガラスルーフ付きだからといって価格がアップしているかというとそうでもなく、ボリュームゾーンは総額で40万~60万円といったところで、控えめにいって激安となっています。

高級セダンの安い個体が出回るようになると、若いヤンチャなユーザーが派手にカスタムをした個体が流通することがよくあります。

ですが、ティアナはモダンで落ち着いたルックスからかそういったカスタムをされたものもほとんどなく、年輩のユーザーが丁寧に乗っていたであろう個体が多いというのも美点と言えます。

中古車の価格は3.5Lの方が若干高めで推移してはいますが、2.5Lとの差額は10万円ほどのイメージとなっており、新車時に70万円ほどあった価格差はかなり圧縮された印象。

最終型でも13年が経過しているため自動車税がアップし、燃料がハイオク仕様となるという点はありますが、余裕の動力性能が魅力の3.5Lをあえて狙うというのもアリな選択です。
 

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文/小鮒康一、写真/尾形和美、日産
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。