トヨタ クラウンハイブリッド▲アレコレ種類のある国産セダン。もし今手に入れるなら、トヨタ クラウンハイブリッドが価格面、性能面でお買い得なんです

国産セダンならお求めやすいクラウンハイブリッド見てみませんか?

現在はレクサスブランドが存在しているとはいえ、日本人にとっていまだに「クラウン」という名前には特別なイメージがあると言えるのではないでしょうか。

実際、国産セダンのほとんどが販売で苦戦している中でも、クラウンは堅調な販売を続けており、同社のミドルセダンであるカムリの倍くらい売れているのです(2020年度1月~6月の新車販売台数より)。

それだけに、“いつかはクラウン”と思っている人もたくさんいらっしゃることでしょう。

とはいえ、気軽に買える価格帯の車両でもありませんから、まずは中古車で買いやすい価格帯となったモデルを狙ってみる、という選択肢をオススメしたいところ。

ということで今回オススメするのは、2008年に登場した13代目クラウンのハイブリッドモデルです。
 

トヨタ クラウンハイブリッド▲あまたあるセダンの中からクラウンハイブリッドをオススメします

パワーもあって燃費も良し! モチロン高級感もバッチリ!

クラウンのハイブリッドとしては、過去にマイルドハイブリッド仕様が存在していましたが、本格的なストロングハイブリッドを搭載したのはこのモデルが初となります。

搭載されるパワートレインは、V6 3.5Lの2GR-FSE型エンジンにモーターをプラスしたもので、システム出力は345psを誇る力強いもの

実はこのパワートレイン、レクサス GS450hに搭載されるものと全く同じものであり、GSの車名からも分かるように4.5Lクラスの出力なのです。

ハイブリッドと聞くと、プリウスに代表されるように燃費性能を追求したモデルというイメージが強いかもしれません

ですが、クラウンに搭載されるハイブリッドシステムは燃費向上にも寄与しつつも、モーターを過給機(ターボなど)のように使って余裕の動力性能を実現するタイプと言えます。

もちろん燃費性能も抜かりなく、当時のカタログ数値で15.8km/Lとなっており、ベースとなった非ハイブリッドモデルの3.5Lエンジン搭載車の10.0km/Lを大きく上回る数値となっています。

ちなみにガソリンモデルは315psなので、燃費もパワーもハイブリッドモデルが上回るということになりますね。
 

トヨタ クラウンハイブリッド▲モーターの高トルクをうまく使ったV6ユニットです

エクステリアのデザインは2008年に登場した前期型がアスリート、2010年2月のマイナーチェンジ後はロイヤルサルーンがベースと変更がなされていますが、この代のクラウンの中で最もパワフルな心臓部をもつモデルとして、18インチタイヤホイールを装着するなど、スポーティな雰囲気に仕上げられています。

内装は落ち着いた雰囲気のダークブラウンの本革(後期ではベージュ系の本革も追加)と、グレーとベージュ系のシェルと呼ばれるファブリックが用意され、いかにもクラウンといった雰囲気。

もちろん室内空間はガソリンモデルと同一ですから、快適空間であることは言うまでもありません
 

トヨタ クラウンハイブリッド▲左からアスリート、ロイヤル、ハイブリッドとなり、それぞれ異なったルックスをもちます
トヨタ クラウンハイブリッド▲ホイールやスポイラーは、ロイヤルと比べるとぐっとスポーティな印象です
トヨタ クラウンハイブリッド
トヨタ クラウンハイブリッド▲さすがはクラウンといった高級感あるインテリア

そんな200系クラウンハイブリッドの相場は?

新車時は600万円前後と、3.5Lガソリンモデルに比べて100万円ほど高いプライスタグとなっていたクラウンハイブリッド。

しかし、現在では安いものでは総額で60万円ほどから見つけることができてしまいます

さすがにこのあたりの価格帯では、前期型で走行距離が10万kmを超えたものが中心となります。だからといって、機関的に大きな不具合が出にくいという点はさすがトヨタ! と言いたいところですが、駆動用のバッテリーの劣化だけは避けられません

過去のオーナーの乗り方によっても劣化具合は異なるので一概には言えませんが、走行距離が多い車両はそれだけ劣化しているリスクが高まります。

もし駆動用バッテリーがダメになってしまった場合、リビルド品を使用しても10万円ほど、新品バッテリーを使用すると30万円ほどの費用が発生してしまうので、安いからといって過走行車に飛びつくのはリスクが伴うと言えるでしょう

逆に、過去に駆動用バッテリーが交換されている個体であれば、お買い得と言えるかもしれません

内装に関してはクラウンのクオリティが高いのか、過去のオーナーが大切にしていた率が高いのか分かりませんが、過走行の本革モデルであってもシートの傷みが酷いものが少ない印象。

ただし、車両の特性からリアシートに人を乗せていた率も高いので、リアシートの状態のチェックも忘れずに

ということで、駆動用バッテリーのことも考えると6万km以下くらいの個体がいいかな、という感じになりますが、それでも総額で前期型なら100万円~、後期型でも150万円ほどの予算があれば十分に射程圏内。ハイブリッドモデルは丁寧に扱われた個体が多く、買い得感は強いと言えるでしょう

ただし、こだわると台数が一気に減ってしまうのが「サンルーフ」です。執筆時点で200系のクラウンハイブリッドは178台ヒットしましたが、サンルーフ付きとなると24台と激減してしまいます。

また、このクラスであると嬉しいレーダークルーズコントロールは、前期型は全車標準装備でしたが、後期型は上級グレードのGパッケージのみ標準、Lパッケージにオプション、標準車には設定なしとなっていますので、ご注意ください。
 

▼検索条件

トヨタ クラウンハイブリッド(13代目)×全国
文/小鮒康一、写真/篠原晃一
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。