レクサス CT▲総額150万円以下で、燃費よし質感よしのプレミアムコンパクトを手に入れるという選択肢がある

手頃な価格で買えなくなっている新車の軽自動車やコンパクトカー

車検を機に、数年ぶりに車を買い替えよう。予算は前回と同じ150万円か。

こう考えて新車を見てみると、予算内で買える車がほとんど見つからずにがくぜんとするに違いない。

実は数年ほど前から、新車の価格が上昇している。これは元々の価格が高い高級車や大型車だけでなく、軽自動車や小型ハッチバックまで含めた、車全体に見られる傾向だ。

例えば、2014年2月にデビューした日産 デイズルークス(初代)のデビュー時の新車価格は124万50円から185万2200円だったが、2020年2月にフルモデルチェンジしたルークス(2代目)は141万5700円から206万6900円。

2013年9月デビューの先代ホンダ フィットのデビュー時の新車価格は126万5000円から193万円だが、こちらも2020年2月デビューの現行型は155万7600円から253万6600円と上がっている。
 

中古車だからこそ選べるプレミアムコンパクト

「そんなことを言われても、できれば予算は増やしたくない……」

でも中古車なら、予算150万円で新車から2年落ちくらいのホンダ フィットや日産 ノートなどのコンパクトカー、スズキ スペーシアやダイハツ タントなど軽ハイトワゴンの人気モデルを買うことが可能だ。

ただ、人によっては「150万円も出すのに中古車は嫌だ」と感じるかもしれない。

それなら思い切って、新車では手に入らないプレミアムモデルを、中古車で狙ってみるのはどうだろう。

プレミアムカーというと大型のSUVやミニバン、セダンを想像するかもしれない。

しかし、街中で扱いやすく燃費もいいコンパクトモデルにも、贅沢な素材が使われたプレミアムモデルが存在する。それがレクサス CTだ。
 

レクサス CT▲国産コンパクトカーと比べると全幅はほぼ変わらないが全長はやや長めのサイズ感
レクサス CT▲スポーティでありながら上質さも感じさせるボディライン

程よいサイズで取り回しは〇

CTは、2011年1月に登場したレクサス唯一のハッチバックモデル。1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載しており、これはトヨタ プリウス(3代目)のシステムがベースになっている。

いわゆるCセグメントと呼ばれるカテゴリーのモデルで、フィットやノートより一回り大きく全幅はプリウス(現行型)とほぼ同じ長さだ。

ライバルはBMW 1シリーズやアウディ A3、メルセデス・ベンツ Aクラスといったドイツのプレミアムブランドのハッチバックだけあって、それらに引けを取らないデザインやインテリアの質感が与えられている。

軽自動車やハッチバックはエンジンルームを小さくし、居住スペースを広く取るパッケージングが主流だ。しかし、この方法は全体のスタイルがややずんぐりした雰囲気になるケースが多い。

その点CTは、全高を低くしてノーズも長くしたスポーティなルックスを採用しており、大人4人がゆったり乗れるスペースを確保しながらエレガントで高級感のある雰囲気を醸し出している。
 

レクサス CT▲コンパクトカーながら後席でもゆったり座れる室内スペースを確保

インテリアで目を引くのはセンターコンソールに配置された“リモートタッチ”というシステム。

これはオーディオやカーナビをマウスのように操作できるもので、RXをはじめとするレクサスの主力モデルにも搭載された高級装備だ。

グレードは標準モデルの200hと、LEDヘッドライトなどが付くバージョンC、専用サスペンションでスポーティさを高めたFスポーツ、レザーシートや竹を使ったオーナメントパネルなどを装備するプレミアムなバージョンLのラインナップがある。
 

レクサス CT▲レクサスの上位モデルにも採用されているリモートタッチシステム
レクサス CT▲レクサスならではの高級感あふれるインテリア

ハイブリッドならではの低燃費

日常使いとなると気になるのは燃費だが、3代目プリウスと同じハイブリッドシステムを搭載するだけに、その性能はまずまず。

カタログ燃費は30.4km/L(JC08モード)とプリウスの32.6 km/Lに比べるとやや落ちるが、通勤など街中での燃費は十分満足できる数値になるはず。

しかもプレミアムカーでありながら、レギュラーガソリン仕様なのもうれしいポイントだ。

CTには走行モードを3パターンで切り替えられる、ドライブモードセレクトスイッチが備わる。

通勤や高速道路の巡航など燃費を意識したいときはエコモード、走りを堪能したいときはスポーツモードという楽しみ方ができる。

スポーツモードを選ぶと、スピードメーターの上部が赤く染まる。CTにはパドルシフトも標準装備されており、運転を楽しみたいという人の期待にもバッチリ応えてくれるだろう。
 

レクサス CT▲スポーツモードに切り替えるとスピードメーターの雰囲気がガラリと変わる
レクサス CT▲ドライバーに操作感を与えてくれるパドルシフト

予算150万円で、走行距離3万kmの掘り出し物もアリ!

予算150万円で狙えるCTは、レスサスのアイデンティティとなったスピンドルグリルが付く前の前期型(2011年1月~2013年12月)。全国に流通している約830台の中古車のうち予算内で買えるものは280台ほどだった。

その中で、狙い目はどのあたりなのか。いくつか条件をしぼってみた。

「レクサスに乗っている!」感を存分に味わうなら、高級装備を贅沢に使い、レクサスらしいプレミアム性を演出している200h バージョンLがオススメだ。

CTに設定される4つのモデルで唯一本革シートが標準装備されていて、ヘッドライトもLEDを採用している。

アルミホイールは17インチを履き、レクサスの名に恥じない上質さを感じられる仕様になっている。

新車時価格がベースモデルより75万円も高い、430万円もしたものをこの予算で探せるのは魅力。

流通台数は40台弱と少なめなので、希望の条件が揃った物件があれば即問い合わせを!

▼検索条件

レクサス CT (現行型) × 総額150万円以下 × 前期モデル × 200h バージョンL × 全国

走行距離の少ない物件を買いたいなら、ベースグレード、またはバージョンCになる。オススメはバージョンCだ。

ベースグレードでもレクサスらしい高級感はあるものの、ホイールが15インチになること、ヘッドライトがLEDではなくハロゲンになるなど、やや廉価版的な印象もある。

一方のバージョンCは流通量が最も多いので中古車を比べやすく、クルーズコントロールなど快適装備も充実。

ホイールは16インチのアルミホイールになる。購入後の「レクサスに乗っている」という満足度はかなり高いといえるだろう!

▼検索条件

レクサス CT (現行型) × 総額150万円以下 × 前期モデル × 200h & 200h バージョンC × 全国

日々の生活にスポーティさをプラスしたいなら、Fスポーツだ。

レクサスはIS F、RC Fなど、スポーツ性を高めたモデルに“F”の称号を与えている。

CTのFスポーツは“ラグジュアリーパフォーマンス”をコンセプトに、Fの官能的な走りを気軽に楽しめる装備などが与えられたグレードだ。

専用のスポイラーや17インチアルミホイールが装着され、足回りも専用チューニングしたものが付けられている。

日々の生活に刺激が欲しい人は迷わずこれを!

予算内で買える中古車も約70台とバージョンCに次いで多く流通している。ただ、走行距離は5万km以上のものがメインになるので、その点だけ注意が必要だ。

▼検索条件

レクサス CT (現行型) × 総額150万円以下 × 前期モデル × 200h Fスポーツ × 全国

スピンドルグリルがどうしても欲しいなら、2014年1月のマイナーチェンジ以降のモデルが選択肢になる。

バージョンCなら150万円の予算内で見つかるものがあるが、流通台数はごくわずか。

180万円前後まで予算を上げれば選択肢は増えてくる。ただ、この予算でも走行距離は多めになることは留意しておこう。

▼検索条件

レクサス CT (現行型) × 総額180万円以下 × 後期モデル × 全国
レクサス CT▲2014年1月以降のグリルが大型化された後期型モデル。まだ流通台数少ないが、総額180万円で走行距離6万km前後の物件をゲットできればお得感は高い

▼検索条件

レクサス CT (現行型) × 総額150万円以下 × 全国
文/高橋満(BRIDGE MAN) 写真/レクサス、尾形和美
高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL