アウディ A4カブリオレは、今となっても美しいフォルムをもつ4シーター電動オープンの絶滅危惧車だ!
2020/03/30
高級車セグメントでの巻き返しを図っていたアウディ
2001年5月から販売された2代目アウディ A4は、当時アウディの小型セダンだった(現在はA3セダンが存在する)。この頃、アウディはプレミアム感の演出を大切にしていた。
親会社のフォルクスワーゲンによる買収劇で、アウディの子会社としてランボルギーニが加わった。そしてディーラーのCIも一新され、ル・マン24時間での輝かしい戦績により今まで以上に脚光を浴びるようになった。
“スポーティな高級車”というブランドイメージを新たに明確に掲げ、高級車セグメントでの巻き返しを図ったのだ。
なお、初代のA4といえばフォルクスワーゲン パサートとプラットフォームを共有していたのが、この2代目からはPL46(B6)と呼ばれた独自のものを採用している。
30秒で開閉するソフトトップをもつA4カブリオレ
そんなA4のラインナップにカブリオレが加わったのは、2002年9月のことだった。
A4にも設定されていた最高出力170ps、最大トルク23.5㎏・mの2.4L V6エンジンを搭載し、アウディ独自のチェーンデライブ式CVT(無段変速機)マルチトロニックを組み合わせた。
なお日本に導入されたA4カブリオレは、アウディのウリであるクワトロ(4WD)ではなく、FFのみの設定だった。
エクステリアはA4セダンそのものなのだが、実はフロントまわりも各ボディパネルも共有のものはない。
Aピラーとフロントスクリーン上端はつや消しシルバーになっている他、テールランプもよく見ると実はA4セダンとは異なるカタチになっている。
エントリーモデルのセダンをベースにしながら、さりげない差別化を図ったオープンカー、という高級感を演出していたのだろう。
3層構造の幌は、クローズドの際にはカブリオレらしからぬ静粛性が保たれていた。ボタン操作ひとつで開閉に要する時間は30秒。リアウインドウはビニールではなくガラスで、経年劣化による視界不良とも無縁である。
インテリアはベースのA4同様、細部にまでこだわりぬいた精緻な雰囲気が漂う。
精緻さは外装パネルにも当てはまることで、パネルとパネルの隙間(ギャップ)はレクサスをも凌駕するほど厳しい基準で組み付けられている、とエンジニアが語っていたことを記憶している。
まぁ、あからさまに豪華絢爛な車ではない、控えめな高級車という触れ込みだったが、新車時価格は598万円と十分に高級車だった。現在は、A4にカブリオレの設定はなく、A5として進化していった。
残るは100万円以下の車両価格の個体
そんなA4カブリオレ、2006年に絶版となりもう14年も経過している。カーセンサーnetに目を向けてみると、原稿執筆時点(2020年3月24日)ではたったの5台しか掲載されていない。
平均中古車価格は70万円で、年式よりも走行距離に比例した中古車相場を形成しているようだ。しかも100万円を超える中古車は今のところない。
大人4名が乗れるフルオートマティック電動式オープンカー自体、実は珍しい存在なのにここまで安くなっているとは……、狙い目だ。
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!
▼検索条件
アウディ A4カブリオレ(2002年9月~2006年4月生産モデル)×全国自動車ライター
古賀貴司(自動車王国)
自動車ニュースサイト「自動車王国」を主宰するも、ほとんど更新せずツイッターにいそしんでいる。大学卒業後、都銀に就職するが、車好きが講じて編集プロダクションへ転職。カーセンサー編集部員として約10年を過ごし、現在はフリーランスのライター/翻訳家として活動している。
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